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公開番号2024166078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024038479
出願日2024-03-12
発明の名称培養担体、培地、細胞塊製造方法及び培養担体の製造方法
出願人国立大学法人佐賀大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12M 3/00 20060101AFI20241121BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】実用性に優れた培養担体、培地、細胞塊製造方法及び培養担体の製造方法を提供する。
【解決手段】細胞塊を培養するための培養担体であって、魚粉を含有する培養担体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞塊を培養するための培養担体であって、魚粉を含有する培養担体。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
請求項1に記載の培養担体を含む、細胞塊を培養するための培地。
【請求項3】
細胞を請求項2に記載の培地中で培養する、細胞塊製造方法。
【請求項4】
魚体乾燥体又は魚肉乾燥体を粉砕して魚粉を得る粉砕工程を有する、細胞塊を形成させるための培養担体の製造方法。
【請求項5】
更に、前記魚体から頭部及び/又は内蔵を除去して魚肉を得る除去工程を有する、請求項4に記載の培養担体の製造方法。
【請求項6】
更に、前記魚体又は魚肉を乾燥して、魚体乾燥体又は魚肉乾燥体を得る乾燥工程を有する、請求項4に記載の培養担体の製造方法。
【請求項7】
更に、前記魚粉を殺菌する殺菌工程を有する、請求項4に記載の培養担体の製造方法。
【請求項8】
更に、殺菌された前記魚粉を乾燥する乾燥工程を有する、請求項7に記載の培養担体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養担体、培地、細胞塊製造方法及び培養担体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
動物細胞の大量培養は、医薬品、食品、化粧品等の生産において重要な役割を果たしている。この大量培養法については、世界中で様々な研究が進められている。大量培養では、タンクやバイオリアクターが使われる。特にバイオリアクターは培地を循環させ、培地の流れを制御することで、高い細胞密度下でも培養が可能である。細胞密度と細胞増殖には密な相関関係が存在することが知られており、細胞密度の増加は大量培養での最重要課題である。通常の培地中にコラーゲンやプラスチックビーズに由来する培養担体を添加することで、細胞が添加された担体上で接着状態を保ったまま培養液内で浮遊状態を維持する様に調整されている。
【0003】
従来、培養担体としてコラーゲンやプラスチック系素材が汎用されている。コラーゲンは、多くの動物の組織に存在する主要なタンパク質であり、皮膚、骨、軟骨、腱、靭帯、血管、歯等の様々な組織に含まれる。このコラーゲンは、三本鎖のポリペプチド鎖から構成されており、これらの鎖は左巻きのらせん構造を形成している。特に、コラーゲンは細胞外マトリックス(ECM)の主要な構成要素の一つであり、細胞間に存在し接着と機能を調整する。動物由来(ウシ、ブタ、ネズミ)のコラーゲンは、抽出行程の煩雑さから、市販製品は100ml当たり約4万円と非常に高額である。
【0004】
これに対して、魚類由来コラーゲンは、動物由来コラーゲンと比較しやや安価である。魚類の鱗もコラーゲンの原料として用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6165103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
魚鱗由来コラーゲンは化粧品を中心として産業利用されている。しかしながら、魚鱗由来コラーゲンは、変性温度が27℃程度と低く、37℃で培養を行う動物細胞への使用には素材の変性により不適当である。魚鱗由来コラーゲンに化学的架橋を付与することで使用可能であるが、架橋処理によっては生体適合性の低下が危惧される。このように、魚鱗からコラーゲンの抽出作業は依然として煩雑である。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、実用性に優れた培養担体、培地、細胞塊製造方法及び培養担体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の態様を含む。
[1]細胞塊を培養するための培養担体であって、魚粉を含有する培養担体。
[2][1]に記載の培養担体を含む、細胞塊を培養するための培地。
[3]細胞を[2]に記載の培地中で培養する、細胞塊製造方法。
[4]魚体乾燥体又は魚肉乾燥体を粉砕して魚粉を得る粉砕工程を有する、細胞塊を形成させるための培養担体の製造方法。
[5]更に、前記魚体から頭部及び/又は内蔵を除去して魚肉を得る除去工程を有する、[4]に記載の培養担体の製造方法。
[6]更に、前記魚体又は魚肉を乾燥して、魚体乾燥体又は魚肉乾燥体を得る乾燥工程を有する、[4]に記載の培養担体の製造方法。
[7]更に、前記魚粉を殺菌する殺菌工程を有する、[4]に記載の培養担体の製造方法。
[8]更に、殺菌された前記魚粉を乾燥する乾燥工程を有する、[7]に記載の培養担体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実用性に優れた培養担体、培地、細胞塊製造方法及び培養担体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
市販の各種干物、及び生存個体を用いて作製した魚粉乾燥体(Dried fish scaffold:DFS)における組織学的特徴である。
生存個体への形成処理を示す写真である。
形成後の魚体サンプルからの乾燥体作製と粉砕処理を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて培養したヒト表皮細胞スフェロイドの経時的変化を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて培養したマウス線維芽細胞スフェロイドの経時的変化を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて培養した各種細胞スフェロイドの細胞形態を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて培養した各種細胞スフェロイドの細胞形態を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて培養した培養1日目のヒト表皮細胞のKi67免疫染色像を示す写真である。
魚粉乾燥体を用いて、無血清培地で培養した培養3日目のヒト表皮細胞のKi67免疫染色像を示す写真である。
(A)1日目のHaCaT細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(B)3日目のHaCaT細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(C)細胞増殖マーカーKi67を用いて染色したHaCaT細胞スフェロイドを示す写真である。(D)サイトケラチンマーカーCK AE1/AE3で染色されたHaCaT細胞スフェロイドを示す写真である。(E)3日目のNIH/3T3細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(F)細胞増殖マーカーPCNAを用いて染色したNIH/3T3細胞スフェロイドを示す写真である。(G)筋線維芽細胞マーカーαSMAを用いて染色したNIH/3T3細胞スフェロイドを示す写真である。矢印は筋線維芽細胞を示す。(H)3日目のMS-1細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(I)3日目のHMY-1細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(J)7日目のCAF細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(K)3日目のHaCaT細胞及びNIH/3T3細胞による細胞スフェロイドの組織化を示す写真である。(L)サイトケラチンマーカーCK AE1/AE3で染色されたHaCaT細胞及びNIH/3T3細胞のスフェロイドを示す写真である。矢印は、CK AE1/AE3陰性NIH/3T3細胞を示す。(A-L)バー=50μm。
(A)HaCaT細胞(n=4)又はNIH/3T3細胞(n=4)によるスフェロイドにおけるMAPKファミリータンパク質、ERK1/2、p-ERK1/2、p38、及びp-p38 の発現レベルをウェスタンブロッティングによって評価した結果である。PD:プラスチック皿。DFS:魚粉乾燥体。(B)(A)のHaCaT細胞における定量結果である。相対発現は、α/β-チューブリン発現に対する標的タンパク質発現の比として表した。 PD:プラスチック皿。DFS:魚粉乾燥体。(C)(A)のNIH/3T3細胞における定量結果である。相対発現は、α/β-チューブリン発現に対する標的タンパク質発現の比として表した。 PD:プラスチック皿。DFS:魚粉乾燥体。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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