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公開番号2024164149
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-26
出願番号2024141091,2019193715
出願日2024-08-22,2019-10-24
発明の名称樹脂フィルム、積層体および袋
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/32 20060101AFI20241119BHJP(積層体)
要約【課題】環境負荷低減性を有すると共に、シール性および成膜性を備え、引裂き性に優れる樹脂フィルム、積層体および袋の提供。
【解決手段】少なくとも、第1層と第2層と第3層とを備える樹脂フィルムであって、第1層と第2層とは、直接または熱可塑性樹脂層を介して積層され、第3層は、直接または熱可塑性樹脂層を介して第2層に積層され、第1層が、樹脂フィルムの最内層を構成しており、樹脂フィルムがポリプロピレンとポリエチレンとを含み、第1層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、第2層を構成する樹脂組成物は、主成分であるポリプロピレンと、バイオマスポリエチレンを含み、第3層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、樹脂フィルムの厚みが15μm以上250μm以下であり、樹脂フィルムのバイオマス度が5%以上である、樹脂フィルムである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、第1層と第2層と第3層とを備える樹脂フィルムであって、
前記第1層と前記第2層とは、直接または熱可塑性樹脂層を介して積層され、
前記第3層は、直接または熱可塑性樹脂層を介して前記第2層に積層され、
前記第1層が、前記樹脂フィルムの最内層を構成しており、
前記樹脂フィルムがポリプロピレンとポリエチレンとを含み、
前記第1層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、
前記第1層のポリエチレンの含有量が20質量%以下であり、
前記第2層を構成する樹脂組成物は、主成分であるポリプロピレンと、バイオマスポリエチレンを含み、
前記第2層の前記ポリプロピレンが、プロピレン-エチレンランダム共重合体であり、
前記第2層のポリエチレンの含有量が5質量%以上35質量%以下であり、
前記第3層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、
前記第3層のポリエチレンの含有量が35質量%以下であり、
前記樹脂フィルムの厚みが15μm以上250μm以下であり、
前記樹脂フィルムのバイオマス度が5%以上である、樹脂フィルム。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
樹脂フィルムの最外層を構成している層のバイオマス度が、30%以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項3】
ポリプロピレンの含有量が66質量%以上である、請求項1または2に記載の樹脂フィルム。
【請求項4】
一方向および前記一方向に直交する他の方向における破断伸度が、それぞれ500%以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂フィルム。
【請求項5】
少なくとも1つの二軸延伸プラスチックフィルムと、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂フィルムとを含む、積層体。
【請求項6】
請求項5に記載の積層体を含む、袋。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルム、積層体および袋に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ポリプロピレンからなるフィルムは、適度な柔軟性をもち、透明性、耐油性、防湿性、耐薬品性等に優れるとともに、安価であることから、各種の包装袋等に使用されている。さらに、ポリプロピレンフィルムは、シール性を有することから、包装袋等のシーラントフィルムに使用されている。例えば、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂層を含む多層フィルムが提案され、この多層フィルムはシーラントフィルムとして使用されることが開示されている。
【0003】
しかしながら、ポリプロピレンフィルムは、耐熱性についてはポリエチレンフィルムよりも優れているものの、引裂き性についてはポリエチレンフィルムよりも劣っているという欠点がある。そのため、ポリプロピレンフィルムを包装袋に用いた場合には、包装袋を引裂いて開封することが困難になるという問題があった。
【0004】
ところで、近年では、地球温暖化を抑制する観点から、世界規模で二酸化炭素の排出量の削減が求められてきており、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれ、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、各種の樹脂をバイオマス原料から製造する試みも行われている。
【0005】
ポリプロピレンについても、バイオマスを原料とするバイオマスポリプロピレンが上市されている。しかしながら、バイオマスポリプロピレンは、化石燃料ポリプロピレンよりもコストが非常に高く、実用性が著しく低いのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-335108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、化石燃料ポリプロピレンの一部を、比較的安価なバイオマスポリエチレンに代替することによって、化石燃料ポリプロピレンの使用量を削減し環境負荷を低減することを考えた。しかしながら、ポリプロピレンを主成分として含む樹脂フィルムは、ポリエチレンの割合を増加させると、シール性および成膜性が低下するという新たな問題が生じた。本発明者らは、鋭意検討した結果、樹脂フィルムを多層構造とし、各層のポリエチレンの含有量を調整することで、これらの問題を解決できるとの知見を得た。また、このような多層構造の樹脂フィルムは、引裂き性が予想外に向上するという知見を得た。
【0008】
本発明は、上記知見に鑑みてなされたものであり、その目的は、環境負荷低減性を有すると共に、シール性および成膜性を備え、特に引裂き性にも優れる樹脂フィルム、積層体および袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも、第1層と第2層と第3層とを備える樹脂フィルムであって、前記第1層と前記第2層とは、直接または熱可塑性樹脂層を介して積層され、前記第3層は、直接または熱可塑性樹脂層を介して前記第2層に積層され、前記第1層が、前記樹脂フィルムの最内層を構成しており、前記樹脂フィルムがポリプロピレンとポリエチレンとを含み、前記第1層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、前記第1層のポリエチレンの含有量が20質量%以下であり、前記第2層を構成する樹脂組成物は、主成分であるポリプロピレンと、バイオマスポリエチレンを含み、前記第2層の前記ポリプロピレンが、プロピレン-エチレンランダム共重合体であり、前記第2層のポリエチレンの含有量が5質量%以上35質量%以下であり、前記第3層を構成する樹脂組成物は、ポリプロピレンを主成分として含み、前記第3層のポリエチレンの含有量が35質量%以下であり、前記樹脂フィルムの厚みが15μm以上250μm以下であり、前記樹脂フィルムのバイオマス度が5%以上である、樹脂フィルムである。
【0010】
本発明による樹脂フィルムにおいて、樹脂フィルムの最外層を構成している層のバイオマス度が、30%以下であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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