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公開番号
2024160183
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-12
出願番号
2024112088,2022057870
出願日
2024-07-12,2013-11-15
発明の名称
組換えアデノウイルスおよびその使用
出願人
ベス イスラエル デアコネス メディカル センター インコーポレイテッド
,
ワシントン ユニバーシティー
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12N
15/861 20060101AFI20241105BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】低い血清有病率および強力な免疫原性を有する代替性のアデノウイルスベクターを提供する。
【解決手段】本発明は、組換えアデノウイルスおよびそのベクターに関する。特に、アデノウイルスは、他のアデノウイルスおよびそのベクターに対して、低い血清有病率および高い免疫原性を有する新規なサルアデノウイルスである。本発明はまた、アデノウイルスの作製、およびアデノウイルスベクターを被験体(例えばヒト)に投与することによる疾患の処置のための方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1~3のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも90%同一であるか、または相補的であるヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記ヌクレオチド配列が、配列番号1~3のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも95%同一であるか、または相補的である、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記ヌクレオチド配列が、配列番号1~3のいずれか1つの全部または一部に対して、100%同一であるか、または相補的である、請求項2に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記ヌクレオチド配列が、配列番号4~12のいずれか1つの全部または一部、またはその相補配列を含む、請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項5】
前記ヌクレオチド配列が、配列番号13~18のいずれか1つの全部または一部を含む、請求項4に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む組換えベクター。
【請求項7】
前記ベクターが、配列番号34~39のいずれか1つを含むsAd4297アデノウイルスベクターである、請求項6に記載の組換えベクター。
【請求項8】
前記ベクターが、配列番号40~45のいずれか1つを含むsAd4310Aアデノウイルスベクターである、請求項6に記載の組換えベクター。
【請求項9】
前記ベクターが、配列番号46~51のいずれか1つを含むsAd4312アデノウイルスベクターである、請求項6に記載の組換えベクター。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む組換えアデノウイルス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
連邦政府の資金提供による研究に関する陳述
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)(NIH)によって授与された助成金番号AI078526、AI096040、およびOD011170の下で、政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
続きを表示(約 6,200 文字)
【0002】
組換えアデノウイルスベクターは、ワクチンの開発において使用されている。現在まで、約55の異なるアデノウイルス血清型が、同定されている。サブグループCのアデノウイルスが、ワクチン接種および遺伝子治療などの用途において、最も広く研究されている。特に、アデノウイルス血清型2および5(Ad2およびAd5)は、同分野において広く使用されている。重要なことには、Ad5ベクターに基づくワクチンは、種々の動物モデルにおいて強力かつ防御的な免疫応答を誘発することが示されている。さらに、Ad5に基づく組換えベクターを用いたHIVワクチン接種についての大規模臨床試験が進行中である(例えば、国際公開第01/02607号パンフレット;国際公開第02/22080号パンフレット;Shiver et al.,Nature.415:331-335,2002;Letvin et al.,Annu.Rev.Immunol.20:73-99,2002;およびShiver and Emini,annu.Rev.Med.55:355,2004を参照)。
【0003】
しかし、HIVおよび他の病原体に対する、組換えAd5ベクターに基づくワクチンの有用性は、ヒト集団における既存の高い抗-Ad5免疫が原因で制限される場合がある。抗-Ad5免疫の存在は、マウスおよびアカゲザルにおける試験において、Ad5に基づくワクチンの免疫原性の低下と相関している。第1相臨床試験から得られた早期データによると、この問題がヒトにおいても生じうることが示されている。Ad5に特異的な中和抗体(NAb)およびCD8
+
Tリンパ球の双方が抗-Ad5免疫に寄与するが、Ad5に特異的なNAbは、このプロセスにおいて主要な役割を果たすようにみられている(Sumida et al.,J.Virol.,174:7179-7185,2004)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、同分野においては、低い血清有病率および強力な免疫原性を有する代替性のアデノウイルスベクターについて、まだ満たされていない需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
3つの新規なサルアデノウイルス(sAds)、sAd4287、sAd4310A、およびsAd4312の全ゲノムが同定され、またそれらの全ゲノムは決定されている。これらのアデノウイルスは、意外にも、低い血清有病率および強力な免疫原性の双方を示し、これは、これらのウイルスが、新規なワクチンベクター候補として有用でありうることを示唆している。第1の態様では、本発明は、配列番号1~3のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列、またはその相補体を含む単離されたポリヌクレオチドを特徴とする。配列番号1、2、および3は、野生型sAd4287、sAd4310A、およびsAd4312の各々の完全長ゲノム配列である。本発明の単離されたポリヌクレオチドは、参照ポリヌクレオチド分子(例えば、配列番号1~3)の少なくとも5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、15000、20000、25000、30000、または35000またはそれを超える隣接または非隣接ヌクレオチドを含んでもよい。
【0006】
一部の実施形態では、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、配列番号4~12のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列、またはその相補体を含む。配列番号4~12は、野生型sAd4287、sAd4310A、およびsAd4312のファイバー1、ファイバー2、およびヘキソンタンパク質をコードするヌクレオチド配列を特徴とする。したがって、一部の実施形態では、ファイバー1タンパク質の全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、配列番号4、5、および6に各々対応する、野生型sAd4287、sAd4310A、またはsAd4312のファイバー1タンパク質をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。一部の実施形態では、ファイバー2タンパク質の全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、配列番号7、8、および9に各々対応する、野生型sAd4287、sAd4310A、またはsAd4312のファイバー2タンパク質をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。一部の実施形態では、ヘキソンタンパク質の全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、配列番号10、11、および12に各々対応する、野生型sAd4287、sAd4310A、またはsAd4312のヘキソンタンパク質をコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。一部の実施形態では、同ヌクレオチド配列は、1つ以上のヘキソンタンパク質超可変領域(HVRs)(例えば、sAd4287ヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt489)、HVR2(nt520~nt537)、HVR3(nt592~nt618)、HVR4(nt706~nt744)、HVR5(nt763~786)、HVR6(nt856~nt874)、および/またはHVR7(nt1201~nt1296)(配列番号10);sAd4310Aヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt477)、HVR2(nt505~nt516)、HVR3(nt571~nt591)、HVR4(nt679~nt690)、HVR5(nt709~735)、HVR6(nt805~nt816)、および/またはHVR7(nt1144~nt1236)(配列番号11);あるいはsAd4312ヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt474)、HVR2(nt505~nt522)、HVR3(nt577~nt597)、HVR4(nt685~nt726)、HVR5(nt748~777)、HVR6(nt847~nt864)、および/またはHVR7(nt1192~nt1284)(配列番号12))の全部または一部に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。
【0007】
一部の実施形態では、本発明の1つ以上のヘキソンタンパク質超可変領域(HVRs)をコードする1つ以上のヌクレオチド配列は、別のウイルスのそれ(例えば、sAd4287ヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt489)、HVR2(nt520~nt537)、HVR3(nt592~nt618)、HVR4(nt706~nt744)、HVR5(nt763~786)、HVR6(nt856~nt874)、および/またはHVR7(nt1201~nt1296)(配列番号10);sAd4310Aヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt477)、HVR2(nt505~nt516)、HVR3(nt571~nt591)、HVR4(nt679~nt690)、HVR5(nt709~735)、HVR6(nt805~nt816)、および/またはHVR7(nt1144~nt1236)(配列番号11);あるいはsAd4312ヘキソンタンパク質のHVR1(nt403~nt474)、HVR2(nt505~nt522)、HVR3(nt577~nt597)、HVR4(nt685~nt726)、HVR5(nt748~777)、HVR6(nt847~nt864)、および/またはHVR7(nt1192~nt1284)(配列番号12))と置換されており、それらは1つ以上の他のウイルス、例えば、アデノウイルス、例えば、Ad5の場合より低い血清有病率を有するアデノウイルス、例えばサブグループB(Ad11、Ad34、Ad35、およびAd50)およびサブグループD(Ad15、Ad24、Ad26、Ad48、およびAd49)のアデノウイルス、ならびにサルアデノウイルス(例えば、AdC68としても知られるPan9))の対応するHVR配列と置換される。他の実施形態では、同ヌクレオチド配列は、sAd4287、sAd4310A、および/またはsAd4312の上記ヘキソンHVRのうちの1つ以上の全部または一部の置換を有するAd5、Ad11、Ad15、Ad24、Ad26、Ad34、Ad48、Ad49、Ad50、またはPan9/AdC68のアデノウイルスベクター骨格を含む。
【0008】
一部の実施形態では、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、配列番号13~18のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、もしくは100%同一であるヌクレオチド配列、またはその相補体を含む。配列番号13~18は、野生型sAd4287、sAd4310A、およびsAd4312のファイバー1およびファイバー2タンパク質のノブドメインをコードするヌクレオチド配列を特徴とする。一部の実施形態では、ファイバー1のノブドメインの全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、配列番号13、14、および15の各々に対応する、野生型sAd4287、sAd4310A、またはsAd4312のファイバー1タンパク質のノブドメインをコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。一部の実施形態では、ファイバー2のノブドメインの全部または一部をコードするヌクレオチド配列は、配列番号16、17、および18の各々に対応する、野生型sAd4287、sAd4310A、またはsAd4312のファイバー2タンパク質のノブドメインをコードするヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であってもよい。一部の実施形態では、本発明のファイバータンパク質(例えば、ファイバー1またはファイバー2タンパク質)のノブドメインをコードする1つ以上のヌクレオチド配列(配列番号13~18)は、別のウイルスのそれと置換されていてもよい。
【0009】
第2の態様では、本発明は、本発明の単離されたポリヌクレオチドを含む組換えベクターであって、配列番号34~51のいずれか1つの全部または一部に対して、少なくとも90%同一(例えば、少なくとも91%、92%、93%、または94%同一)、少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96%、97%、98%、または99%同一)、または100%同一であるヌクレオチド配列を含む、組換えベクターを特徴とする。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号34~39のいずれか1つの全部または一部を含むsAd4297アデノウイルスベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号40~45のいずれか1つの全部または一部を含むsAd4310Aアデノウイルスベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、配列番号46~51のいずれか1つの全部または一部を含むsAd4312アデノウイルスベクターである。他の実施形態では、本発明の組換えアデノウイルスの作製のため、配列番号34~51によって示されるベクターの2つ以上(例えば、2つ、3つ、または4つ)を用いて、プラスミド系を樹立してもよい。
【0010】
本発明の第1または第2の態様の実施形態では、単離されたポリヌクレオチドおよび/または組換えベクターを使用して、組換えアデノウイルスが作製され、ここでアデノウイルスの全部または一部は、配列番号1~3のいずれか1つに由来する。一部の実施形態では、組換えアデノウイルスは、E1領域(例えば、sAd4287(配列番号1)のnt474~nt3085;sAd4310A(配列番号2)のnt474~nt3088;およびsAd4312(配列番号3)のnt487~nt3100)内または同領域の欠失を含む単離されたポリヌクレオチドを含む。この欠失を含む組換えアデノウイルスベクターは、複製欠損になる。一部の実施形態では、複製欠損ウイルスはまた、E3領域(例えば、sAd4287(配列番号1)のnt25973~nt28596;sAd4310A(配列番号2)のnt25915~nt28496;およびsAd4312(配列番号3)のnt25947~nt28561)内または同領域の欠失、および/またはE4領域(例えば、sAd4287(配列番号1)のnt31852~nt34752;sAd4310A(配列番号2)のnt31750~nt34048;およびsAd4312(配列番号3)のnt31818~nt34116)内または同領域の欠失を含んでもよい。他の実施形態では、組換えアデノウイルスは、E1、E3、および/またはE4領域の1つ以上を含み、複製可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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