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公開番号2024134613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023044886
出願日2023-03-22
発明の名称油分分解剤
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 1/16 20060101AFI20240927BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】
微生物を用いた新規な油分分解剤、とくに低pHで優れた油分分解能を有する微生物を用いた油分分解剤、及び前記油分分解剤を利用した排水処理方法を提供すること。
【解決手段】
Pseudozyma属に属する微生物を含む油分分解剤、及び油分を含む排水に、前記油分分解剤を接触させる工程を含む、排水の処理方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Pseudozyma属に属する微生物を含む、油分分解剤。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
pH5~7の条件で、1%(w/v)の油分を24時間で70質量%以上低減させる、請求項1に記載の油分分解剤。
【請求項3】
Pseudozyma属に属する微生物が、Pseudozyma antarctica、Pseudozyma aphidis、又はPseudozyma hubeiensisに属する微生物である、請求項1に記載の油分分解剤。
【請求項4】
Pseudozyma属に属する微生物が、
1)Pseudozyma antarctica T34株、NRL-A株、NRL-B株、及びRO114株;
2)Pseudozyma aphidis KDR7株、116-2株、及び6-9株;ならびに、
3)Pseudozyma hubeiensis NCM11株、
からなる群より選ばれる1又は2以上である、請求項1に記載の油分分解剤。
【請求項5】
排水処理用の油分分解剤である、請求項1~4のいずれか1項に記載の油分分解剤。
【請求項6】
油分を含む排水に、請求項1~4のいずれか1項に記載の油分分解剤を接触させる工程を含む、排水の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を含む油分分解剤、及びこれを利用した排水処理に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
油分を含む排水は、そのまま排出されると水質汚濁の原因となるため、排出する前に分解して排水を浄化する必要がある。排水処理には、通常活性汚泥法や散水ろ床法等の微生物を用いた方法が適用される。しかし、従来の活性汚泥は、有機物質は分解できるが油分分解率は十分ではなく、とくに低pHでの油分分解率が低い。そのため、排水中の多量の油分が活性汚泥中の微生物の活性を阻害し、排水処理の機能低下につながるという問題がある。
【0003】
油分(油脂)を分解できる微生物も報告されており、これらを利用した油分分解や排水処理も提案されている。公知の油分分解能を有する微生物には、Pseudomonas属微生物(特許文献1及び2)、Cupriavidus属微生物(特許文献3)、Candida属微生物(特許文献4)が含まれるが、油分分解活性を有するPseudozyma属の微生物は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-208460号公報
特開2020-25477号公報
特開2020-162520号公報
特開2022-124353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、微生物を用いた新規な油分分解剤、とくに低pHで優れた油分分解能を有する微生物を用いた油分分解剤、及び前記油分分解剤を利用した排水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は、酵母Pseudozyma antarcticaが、油分分解能を有することを見出した。そして、他の複数のPseudozyma属の微生物も、同様に油分分解能を有することを確認した。これらの微生物は、いずれも低pH条件下でも油分分解活性を有し、それゆえ酸性に偏った排水中でも油分を分解することができる。
【0007】
本発明は上記知見に基づくものであり、以下の[1]~[6]を提供する。
[1]Pseudozyma属に属する微生物を含む、油分分解剤。
[2]pH5~7の条件で、1%(w/v)の油分を24時間で70質量%以上低減させる、[1]に記載の油分分解剤。
[3]Pseudozyma属に属する微生物が、Pseudozyma antarctica、Pseudozyma aphidis、又はPseudozyma hubeiensisに属する微生物である、[1]又は[2]に記載の油分分解剤。
[4]Pseudozyma属に属する微生物が、
1)Pseudozyma antarctica T34株、NRL-A株、NRL-B株、及びRO114株;
2)Pseudozyma aphidis KDR7株、116-2株、及び6-9株;ならびに、
3)Pseudozyma hubeiensis NCM11株、
からなる群より選ばれる1又は2以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の油分分解剤。
[5]排水処理用の油分分解剤である、[1]~[4]のいずれかに記載の油分分解剤。
[6]油分を含む排水に、[1]~[4]のいずれかに記載の油分分解剤を接触させる工程を含む、排水の処理方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の油分分解剤は低pHの排水中の油分を効率的に分解することができる。本発明の油分分解剤に含まれるPseudozyma属に属する微生物は、油分を分解しながら菌体増殖のための栄養源とすることができる(資化できる)ため、油分を含む排水の排水処理に有用である。
【0009】
また、Pseudozyma属の微生物には、生分解性プラスチック分解酵素(PaE)等の有用酵素を産生する微生物(例えば、Pseudozyma antarctica)もあるが、PaEは分泌生産されるため、プラスチック分解に使用後の菌体は無傷で残る。本発明の油分分解剤は、そのような使用後の微生物の再利用としても有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.油分分解剤
本発明の油分分解剤は、Pseudozyma属に属する微生物を活性成分(有効成分)として含む。
(【0011】以降は省略されています)

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