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公開番号2024159928
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2024147314,2022559132
出願日2024-08-29,2021-10-25
発明の名称防食被覆材、防食被覆層及びコンクリート構造物の防食方法
出願人デンカ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 41/62 20060101AFI20241031BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】硫酸等で劣化したコンクリート構造物の補修が容易でしかも耐久性に優れる防食被覆材、その防食被覆材を用いた防食被覆層、及びその防食被覆材を用いたコンクリート構造物の防食方法を提供する。
【解決手段】本発明の防食被覆材は、(メタ)アクリレートモノマー及び疎水性シリカを含み、疎水性シリカの平均粒子径が1~100nmである。本発明の防食被覆層は、アルミナセメント、ポゾラン物質及び骨材を含有するアルミナセメント組成物の硬化体からなる素地調整層と、素地調整層上の本発明の防食被覆材の硬化体からなる防食被覆材層とを含む。本発明のコンクリート構造物の防食方法は、型枠を組み立てる工程、アルミナセメント、ポゾラン物質及び骨材を含有するアルミナセメント組成物を型枠に打ち込んで素地調整層を形成する工程、型枠を撤去する工程、及び本発明の防食被覆材を塗布して素地調整層の上に防食被覆材層を形成する工程を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(メタ)アクリレートモノマー及び疎水性シリカを含み、
前記疎水性シリカの平均粒子径が1~100nmであり、
前記疎水性シリカが、下記一般式(1)で表されるオルガノシランにより疎水化されたシリカ及び下記一般式(2)で表されるオルガノシランにより疎水化されたシリカの少なくとも1種のシリカであり、
前記疎水性シリカが、下記一般式(1)で表されるオルガノシランにより疎水化されたシリカである場合、前記疎水性シリカが、前記一般式(1)で表される第1のオルガノシランにより疎水化されたシリカ及び前記一般式(1)で表される、前記第1のオルガノシランと異なる第2のオルガノシランにより疎水化されたシリカを含み、
前記一般式(1)において、前記第1のオルガノシランのR

は下記一般式(3)で表されるアルキル基であり、前記第2のオルガノシランのR

は下記一般式(4)で表されるアルキル基である防食被覆材。



SiCl


4-x-y
(1)
一般式(1)中、R

はアルキル基を示し、xは1~3の整数を示し、yは0~3の整数を示し、x+y≦4である。
(R



3-z
Si)

NR

(2)
一般式(2)中、R

は水素又はアルキル基、アルケニル基又はハロゲン化アルキル基を示し、R

は水素又はアルキル基又はアルカリ金属元素を示し、zは1~3の整数を示す。



2s+1
(3)
一般式(3)中、sは1~5の整数を示す。



2t+1
(4)
一般式(4)中、tは6~12の整数を示す。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記(メタ)アクリレートモノマーが、ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートを含む請求項1に記載の防食被覆材。
【請求項3】
前記ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートモノマーが、下記一般式(5)で表されるビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートである請求項2に記載の防食被覆材。
JPEG
2024159928000011.jpg
23
160
一般式(5)中、R

及びR

’は水素又はメチル基を示し、R

及びR

’は置換基を有してもよいアルキレン基を示し、m及びnは1~20の整数を示す。
【請求項4】
重合開始剤、前記(メタ)アクリレートモノマー及び前記疎水性シリカを含む第1の防食被覆材と、前記重合開始剤の分解を促進する分解促進剤、前記(メタ)アクリレートモノマー及び前記疎水性シリカを含む第2の防食被覆材との2剤型である請求項1~3のいずれか1項に記載の防食被覆材。
【請求項5】
25℃における粘度が1700~15000mPa・sであり、
25℃におけるチキソトロピーインデックスが3.0以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の防食被覆材。
【請求項6】
0~25℃の範囲における粘度が1700~15000mPa・sであり、
0~25℃の範囲におけるチキソトロピーインデックスが3.0以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の防食被覆材。
【請求項7】
アルミナセメント、ポゾラン物質及び骨材を含有するアルミナセメント組成物の硬化体からなる素地調整層と、前記素地調整層上の請求項1~6のいずれか1項に記載の防食被覆材の硬化体からなる防食被覆材層とを含む防食被覆層。
【請求項8】
型枠を組み立てる工程、
アルミナセメント、ポゾラン物質及び骨材を含有するアルミナセメント組成物を前記型枠に打ち込んで素地調整層を形成する工程、
前記型枠を撤去する工程、及び
請求項1~6のいずれか1項に記載の防食被覆材を塗布して前記素地調整層の上に防食被覆材層を形成する工程を含むコンクリート構造物の防食方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、防食被覆材、防食被覆層及びコンクリート構造物の防食方法に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
下水道や温泉地帯等では、微生物や火山ガスの影響で硫化水素が発生し、そこに水が介在すると硫酸が生成する。このような箇所においては、コンクリート構造物の腐食が問題となる。コンクリート等のセメント硬化体は、硫酸に接触するとコンクリート中の水酸化カルシウムと反応することで二水石膏が生成し、さらに、エトリンガイトが生成することによってコンクリートの膨張・劣化が起こる。
硫酸による劣化箇所の補修方法としては、劣化部をウォータージェットにより除去し断面修復あるいは不陸調整してから樹脂ライニングを行う方法が実施されている。これに用いる修復材としては、高炉水砕スラグにポリマーを配合した材料(特許文献1)、アルミナセメントからなる材料(特許文献2、3)、高炉水砕スラグやシリカフューム等の微粉末を多量に混和したセメントモルタルが使用されている(特許文献4)。また、アルミナセメントと高炉スラグ微粉末を用いた材料で、5μm以下のアルミナセメント粒子を25重量%以下とし、リチウム塩を含有する材料(特許文献5)や、置換基としてスルホン酸のアルカリ金属塩を有する水溶性有機化合物をセメント100質量部に対して0.5~4質量部含有する材料(特許文献6)等が提案されている。
【0003】
また、樹脂ライニングに使用する樹脂の成分としては、エポキシ樹脂、ビスフェノール系不飽和ポリエステル樹脂、ヘット酸系不飽和ポリエステル樹脂、ビスフェノール系ビニルエステル樹脂、ノボラック系ビニルエステル樹脂、臭素化ビスフェノール系ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、アクリル樹脂等が知られている(非特許文献1)。
【0004】
コンクリートをセメント系材料で修復した後に樹脂をライニングする方法では、プライマー塗布、中塗り塗布、上塗り塗布といった複数層の樹脂ライニングを行うのが通常である。樹脂の種類によっては、中塗りや上塗りを2回実施するケースもあり、最終的に樹脂層を形成するために多くの工程が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平03-290348号公報
特開2003-89565号公報
特開2004-292245号公報
特開2000-128618号公報
特開2002-293603号公報
特開2003-292362号公報
【非特許文献】
【0006】
地方共同法人 日本下水道事業団編著、「下水道コンクリート構造物の腐食防食抑制技術及び防食技術マニュアル」、発行元 一般財団法人 下水道業務管理センター、68~69頁、平成29年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、硫酸等で劣化したコンクリート構造物の補修が容易でしかも耐久性に優れる防食被覆材、その防食被覆材を用いた防食被覆層、及びその防食被覆材を用いたコンクリート構造物の防食方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究を進めたところ、(メタ)アクリレートモノマー及び所定の平均粒子径を有する疎水性シリカを含む防食被覆材が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は、以下を要旨とする。
[1](メタ)アクリレートモノマー及び疎水性シリカを含み、
前記疎水性シリカの平均粒子径が1~100nmである防食被覆材。
[2]前記疎水性シリカが、下記一般式(1)で表されるオルガノシランにより疎水化されたシリカ及び下記一般式(2)で表されるオルガノシランにより疎水化されたシリカの少なくとも1種のシリカである上記[1]に記載の防食被覆材。



SiCl


4-x-y
(1)
一般式(1)中、R

はアルキル基を示し、xは1~3の整数を示し、yは0~3の整数を示し、x+y≦4である。
(R



3-z
Si)

NR

(2)
一般式(2)中、R

は水素又はアルキル基、アルケニル基又はハロゲン化アルキル基を示し、R

は水素又はアルキル基又はアルカリ金属元素を示し、zは1~3の整数を示す。
[3]前記疎水性シリカが、前記一般式(1)で表される第1のオルガノシランにより疎水化されたシリカ及び前記一般式(1)で表される、前記第1のオルガノシランと異なる第2のオルガノシランにより疎水化されたシリカを含み、
前記一般式(1)において、前記第1のオルガノシランのR

は下記一般式(3)で表されるアルキル基であり、前記第2のオルガノシランのR

は下記一般式(4)で表されるアルキル基である請求項2に記載の防食被覆材。



2s+1
(3)
一般式(3)中、sは1~5の整数を示す。



2t+1
(4)
一般式(4)中、tは6~12の整数を示す。
[4]前記(メタ)アクリレートモノマーが、ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートを含む上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の防食被覆材。
[5]前記ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートモノマーが、下記一般式(5)で表されるビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートである上記[4]に記載の防食被覆材。
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2024159928000001.jpg
23
160
一般式(5)中、R

及びR

’は水素又はメチル基を示し、R

及びR

’は置換基を有してもよいアルキレン基を示し、m及びnは1~20の整数を示す。
[6]重合開始剤、前記(メタ)アクリレートモノマー及び前記疎水性シリカを含む第1の防食被覆材と、前記重合開始剤の分解を促進する分解促進剤、前記(メタ)アクリレートモノマー及び前記疎水性シリカを含む第2の防食被覆材との2剤型である上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の防食被覆材。
[7]25℃における粘度が1700~15000mPa・sであり、25℃におけるチキソトロピーインデックスが3.0以上である上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の防食被覆材。
[8]0~25℃の範囲における粘度が1700~15000mPa・sであり、0~25℃の範囲におけるチキソトロピーインデックスが3.0以上である上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の防食被覆材。
[9]アルミナセメント、ポゾラン物質及び骨材を含有するアルミナセメント組成物の硬化体からなる素地調整層と、前記素地調整層上の上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の防食被覆材の硬化体からなる防食被覆材層とを含む防食被覆層。
[10]前記素地調整層及び前記防食被覆材層の間に配置された、(メタ)アクリレートモノマーを含むプライマー組成物の硬化体からなるプライマーをさらに含む上記[9]に記載の防食被覆層。
[11]前記プライマー組成物に含まれる(メタ)アクリレートモノマーが、ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートを含む上記[10]に記載の防食被覆層。
[12]前記プライマー組成物に含まれる前記ビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートが、下記一般式(5)で表されるビスフェノールA骨格を有するジ(メタ)アクリレートである上記[11]に記載の防食被覆層。
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23
160
一般式(5)中、R

及びR

’は水素又はメチル基を示し、R

及びR
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、硫酸等で劣化したコンクリート構造物の補修が容易でしかも耐久性に優れる防食被覆材、その防食被覆材を用いた防食被覆層、及びその防食被覆材を用いたコンクリート構造物の防食方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[防食被覆材]
本発明の防食被覆材は(メタ)アクリレートモノマー及び平均粒子径が1~100nmである疎水性シリカを含むものである。なお、疎水性シリカは、処理剤を用いて表面を疎水化したシリカである。シリカの表面を疎水化することにより、防食被覆材中にシリカを分散させることが容易になり、これにより、シリカによる増粘及びチクソトロピー効果を強くすることができる。その結果、防食被覆材を厚く塗布することが容易になる。本発明の防食被覆材は、例えば、ローラーを用いた1回の塗布で、400μm以上の厚さに塗布することができる。防食被覆材に(メタ)アクリレートモノマーを用いることにより、防食被覆材の耐硫酸性を向上させるとともに耐久性を改善することができる。また、防食被覆材の厚膜形成も容易になる。
(【0011】以降は省略されています)

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