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公開番号2024159554
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2024063896
出願日2024-04-11
発明の名称青果物の鮮度保持方法、及び青果物包装体
出願人三菱瓦斯化学株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類A23B 7/148 20060101AFI20241031BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】青果物に適した保存雰囲気(最適な酸素濃度、及び最適な二酸化炭素濃度)にすることができ、長期に青果物の鮮度を保持し得る青果物の鮮度保持方法、及び包装体内部を青果物に適した保存雰囲気に調整でき、長期に青果物の鮮度を保持し得る青果物包装体を提供する。
【解決手段】青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に収容して、青果物包装体を得る工程(I)と、前記青果物包装体を保持する工程(II)と、を有し、青果物(A)が、メロンであり、工程(I)において、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物の鮮度保持方法。要件(i)は酸素交換速度に対する酸素低減速度の比が、0.5~3.0である。要件(ii)は二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比が、0.2~1.0である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に収容して、青果物包装体を得る工程(I)と、
前記青果物包装体を保持する工程(II)と、を有し、
青果物(A)が、メロンであり、
工程(I)において、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物の鮮度保持方法。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
雰囲気調整剤包装体(X)が、更に二酸化炭素発生能を有する、請求項1に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項3】
雰囲気調整剤包装体(X)が、アスコルビン酸類系雰囲気調整剤及び多価フェノール類系雰囲気調整剤から選択される1種以上を含む、請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項4】
包装材(B)の一部が通気可能な状態で封止されてなる、請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項5】
包装材(B)が、1以上の貫通孔を有する、請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項6】
工程(I)が、包装材(B)の開口部から青果物(A)と雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に挿入し、次いで前記開口部を封止する工程と、包装材(B)に穿孔加工する工程を含み、前記2工程の順序は問わない、請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項7】
工程(II)における前記青果物包装体の保持温度が、0℃以上40℃以下である、請求項1又は2に記載の青果物の鮮度保持方法。
【請求項8】
青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)と、これらを収容する包装材(B)とを備える青果物包装体であって、
青果物(A)が、メロンであり、
前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物包装体。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
【請求項9】
雰囲気調整剤包装体(X)が、二酸化炭素発生能を有する、請求項8に記載の青果物包装体。
【請求項10】
雰囲気調整剤包装体(X)が、アスコルビン酸類系雰囲気調整剤及び多価フェノール類系雰囲気調整剤から選択される1種以上を含む、請求項8又は9に記載の青果物包装体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、青果物の鮮度保持方法、及び青果物包装体に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
青果物は、収穫後にも生命活動を継続した状態で流通し、品質と共に鮮度が求められる。鮮度は、外観(変色、萎れ、目減り)・質量減少・成分変化・病変等に分けることができる。
青果物の鮮度を保持する要素は、米国USDAや、日本国内でも国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、通称「農研機構」という)や大学の調査により明らかになっている。
例えば、青果物の鮮度を保つ方法として、生命活動を維持できる範囲で生体活性を低下させる方法が広く行われてきている。このような生体活性の低下方法は、具体的には、青果物の冷蔵や、酸素や二酸化炭素等のガス雰囲気の調整、ホルモン物質であるエチレンガスの除去等が挙げられ、これらの方法によれば青果物内に貯蔵されている糖・酸類を比較的高く維持すること可能となる。
近年では、冷蔵流通(コールドチェーン)が広く普及しているほか、ガス雰囲気調整による鮮度管理も行われてきている。
特にガス雰囲気調整は、適切にガス雰囲気を管理すれば、高い鮮度保持効果が期待できる。ガス雰囲気調整による青果物の保存方法としては、ガス調整装置を倉庫やコンテナに設置するCA(Controlled Atmosphere)保存や、青果物の呼吸によるガス交換を利用したMA(Modified Atmosphere)包装が利用されている。
ここで重要となるのは、青果物に応じた、ガス雰囲気の調整・管理である。青果物は、品種・産地・収穫時期・栽培方法によって生育状態が異なり呼吸量が大きく異なるため、青果物に応じて、ガス雰囲気の最適化が求められる。
CA保存は、設備が大型であるため、最適化されるガス雰囲気の多様化が困難で、コールドチェーンの切れ目に対応できない課題がある。
一方、MA包装は、CA保存に比べて小規模に実施でき、青果物毎にガス雰囲気を最適化し易い利点がある。例えば、特許文献1では、青果物を密封した高分子フィルムよりなる青果物入り包装体において、(A)有孔高分子フィルムと(B)無孔高分子フィルムとを用い、前記(A)の開孔面積比率を所定の範囲とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平5-168400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のような青果物入り包装体の場合、ガス雰囲気調整は、青果物の呼吸量等と隔離膜の通気量等とが平衡状態に達することで初めて機能が発現するため、CA保存のような専用のガス雰囲気調整装置の使用に比べると、平衡状態まで時間がかかり、且つそれまでの呼吸作用や蒸散によって青果物の糖や水分が失われる問題がある。
また、一律の隔離膜制御では、青果物毎に呼吸量等が異なるため、ガス雰囲気調整が難しく、青果物毎に最適化した対応が必要であり、結果的には、青果物に応じた多様な資材種の隔離膜を準備する必要がある。そのため、MA包装は、鮮度保持効果が期待できても、実際の使用は量産効果が見込める青果物に限定されているのが現状であり、多品種を栽培している農家や近年伸長しているインターネット販売等の少量多品種流通に対応することが難しく、普及が進まない問題がある。
そこで本発明は、青果物に適した保存雰囲気(最適な酸素濃度、及び最適な二酸化炭素濃度)にすることができ、長期に青果物の鮮度を保持し得る青果物の鮮度保持方法、及び包装体内部を青果物に適した保存雰囲気に簡便且つ迅速に調整でき、長期に青果物の鮮度を保持し得る青果物包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
【0006】
[1]青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に収容して、青果物包装体を得る工程(I)と、前記青果物包装体を保持する工程(II)と、を有し、青果物(A)が、メロンであり、工程(I)において、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物の鮮度保持方法。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
[2]雰囲気調整剤包装体(X)が、更に二酸化炭素発生能を有する、上記[1]に記載の青果物の鮮度保持方法。
[3]雰囲気調整剤包装体(X)が、アスコルビン酸類系雰囲気調整剤及び多価フェノール類系雰囲気調整剤から選択される1種以上を含む、上記[1]又は[2]に記載の青果物の鮮度保持方法。
[4]包装材(B)の一部が通気可能な状態で封止されてなる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の青果物の鮮度保持方法。
[5]包装材(B)が、1以上の貫通孔を有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の青果物の鮮度保持方法。
[6]工程(I)が、包装材(B)の開口部から青果物(A)と雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に挿入し、次いで前記開口部を封止する工程と、包装材(B)に穿孔加工する工程を含み、前記2工程の順序は問わない、上記[1]~[5]のいずれかに記載の青果物の鮮度保持方法。
[7]工程(II)における前記青果物包装体の保持温度が、0℃以上40℃以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の青果物の鮮度保持方法。
[8]青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)と、これらを収容する包装材(B)とを備える青果物包装体であって、青果物(A)が、メロンであり、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物包装体。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
[9]雰囲気調整剤包装体(X)が、更に二酸化炭素発生能を有する、上記[8]に記載の青果物包装体。
[10]雰囲気調整剤包装体(X)が、アスコルビン酸類系雰囲気調整剤及び多価フェノール類系雰囲気調整剤から選択される1種以上を含む、上記[8]又は[9]に記載の青果物包装体。
[11]包装材(B)の一部が通気可能な状態で封止されてなる、上記[8]~[10]のいずれかに記載の青果物包装体。
[12]包装材(B)が、1以上の貫通孔を有する、上記[8]~[11]のいずれかに記載の青果物包装体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、青果物に適した保存雰囲気(最適な酸素濃度、及び最適な二酸化炭素濃度)にすることができ、長期に青果物の鮮度を保持し得る、青果物の鮮度保持方法、及び包装体内部を青果物に適した保存雰囲気に簡便且つ迅速に調整でき、長期に青果物の鮮度を保持し得る青果物包装体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に従う青果物包装体及び青果物の鮮度保持方法の実施形態について、以下で詳細に説明する。
なお、本明細書において、数値の記載に関する「A~B」という用語は、「A以上B以下」(A<Bの場合)又は「A以下B以上」(A>Bの場合)を意味する。また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
【0009】
[青果物の鮮度保持方法、及び青果物包装体]
本発明の青果物の鮮度保持方法は、青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)とを包装材(B)内に収容して、青果物包装体を得る工程(I)と、前記青果物包装体を保持する工程(II)と、を有し、青果物(A)が、メロンであり、工程(I)において、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物の鮮度保持方法である。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
【0010】
また、本発明には以下の青果物包装体も含まれる。
すなわち、本発明の青果物包装体は、青果物(A)と、酸素吸収能を有する雰囲気調整剤包装体(X)と、これらを収容する包装材(B)とを備える青果物包装体であって、青果物(A)が、メロンであり、前記青果物包装体が、下記要件(i)及び(ii)を満たす、青果物包装体である。
要件(i):酸素交換速度に対する酸素低減速度の比〔酸素低減速度/酸素交換速度〕が、0.5~3.0である。
要件(ii):二酸化炭素交換速度に対する二酸化炭素増加速度の比〔二酸化炭素増加速度/二酸化炭素交換速度〕が、0.2~1.0である。
ただし、要件(i)において、「酸素交換速度」は、包装材(B)の酸素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。また、要件(ii)において、「二酸化炭素交換速度」は、包装材(B)の二酸化炭素透過速度と、前記青果物包装体の換気速度との合計である。
(【0011】以降は省略されています)

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