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公開番号2024158941
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074593
出願日2023-04-28
発明の名称空調システム
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類F24F 11/875 20180101AFI20241031BHJP(加熱;レンジ;換気)
要約【課題】効率的に潜熱蓄熱材を蓄熱・蓄冷できる空調システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る空調システム1は、相変化が可能な潜熱蓄熱材の潜熱を利用する空調システム1であって、相変化により蓄熱または蓄冷を行う潜熱蓄熱材を含む熱交換部20と、潜熱蓄熱材の透過率または潜熱蓄熱材からの散乱光を検出する光センサ30と、少なくとも一部が熱交換部20に接して配置され、熱媒が流れる配管40と、熱媒を循環させる循環装置50と、循環装置50の制御を行う制御装置60と、を備え、制御装置60は、光センサ30より検出された潜熱蓄熱材の透過率または潜熱蓄熱材からの散乱光の強さに基づいて熱媒を循環させることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
相変化により蓄熱または蓄冷を行う潜熱蓄熱材を含む熱交換部と、
前記潜熱蓄熱材の透過率または前記潜熱蓄熱材からの散乱光を検出する光センサと、
少なくとも一部が前記熱交換部に接して配置され、熱媒が流れる配管と、
前記熱媒を循環させる循環装置と、
前記循環装置の制御を行う制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記光センサより検出された前記潜熱蓄熱材の透過率または前記潜熱蓄熱材からの散乱光の強さに基づいて前記熱媒を循環させる、空調システム。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記光センサより検出された前記潜熱蓄熱材の透過率または前記潜熱蓄熱材からの散乱光の強さが、固相状態の前記潜熱蓄熱材の透過率または前記潜熱蓄熱材からの散乱光の強さと略同一である場合に、前記熱媒の流量を低下させる、または前記熱媒の循環を停止する、請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記光センサより検出された前記潜熱蓄熱材の透過率または前記潜熱蓄熱材からの散乱光の強さに基づき前記潜熱蓄熱材中の固相または液相の割合を算出し、前記割合に基づいて前記熱媒を循環させる、請求項1に記載の空調システム。
【請求項4】
前記潜熱蓄熱材は、硫酸ナトリウム十水和物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の空調システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、相変化が可能な潜熱蓄熱材の潜熱を利用する空調システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギー化等の観点から、放射式空調と、蓄熱技術とを組み合わせた空調システムが注目されている。蓄熱技術の中でも潜熱蓄熱材を用いたシステムは、小さな体積で大きな熱量を蓄熱・蓄冷することが可能である。また、放射式空調と潜熱蓄熱材とを組み合わせることで、放射空調システムの表面温度を潜熱蓄熱材が相変化する温度帯に維持することが容易となり、安定した室内環境を構築できる。潜熱蓄熱材を蓄熱・蓄冷する方法として、例えば、ヒートポンプ等の機械的な熱源や自然エネルギーを活用し、潜熱蓄熱材を加温または冷却する方法が挙げられる。主に電力需要が小さい時間帯、熱需要が少ない時間帯に、潜熱蓄熱材の蓄熱・蓄冷を行うことで、電力消費量や熱負荷のピークシフトに活用できる。
【0003】
一方、蓄熱・蓄冷により相変化が完了し、完全に液相または固相の状態の潜熱蓄熱材は、潜熱を活用できず、蓄熱効率が低下する傾向にある。そのため、空調機やファン等のエネルギーを消費しながら潜熱蓄熱材を蓄熱・蓄冷する場合、完全に液相または固相の状態の潜熱蓄熱材をさらに蓄熱・蓄冷し続けると、エネルギーの無駄が生じてしまい好ましくない。
【0004】
よって、さらなる省エネルギー化の観点から、相変化が可能な潜熱蓄熱材を利用する空調システムにおいては、潜熱蓄熱材の相状態を考慮しながら、潜熱蓄熱材の蓄熱・蓄冷を行うことが重要である。そのためには、潜熱蓄熱材の相状態を正確に検知する技術が求められる。特許文献1には、容器に収容された潜熱蓄熱材の融解状態を、容器の外部に設けられた温度センサによって推定する方法が開示されている。具体的には、単位時間当たりの潜熱蓄熱材の温度変化から融解状態か否かを判定している。特許文献2には、潜熱蓄熱材を収容する容器の内部に複数の温度センサを配置し、潜熱蓄熱材の温度分布から潜熱蓄熱材の相状態や蓄熱量を推定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7059062号公報
特許第6525370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、相変化が可能な潜熱蓄熱材の潜熱を利用する空調システムにおいて、潜熱蓄熱材の相状態を正確に検知することは重要な課題である。潜熱蓄熱材の相変化時の温度変化は、通常、一様ではない。そのため、特許文献1および特許文献2に開示されている温度センサにより測定した潜熱蓄熱材の温度に基づき、相状態を判定する方法では、潜熱蓄熱材の相状態を正確に検知することは困難である。
【0007】
本発明の目的は、潜熱蓄熱材の相状態を正確に検知することにより、効率的に潜熱蓄熱材を蓄熱・蓄冷できる空調システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空調システムは、相変化が可能な潜熱蓄熱材の潜熱を利用する空調システムであって、相変化により蓄熱または蓄冷を行う潜熱蓄熱材を含む熱交換部と、潜熱蓄熱材の透過率または潜熱蓄熱材からの散乱光の強さを検出する光センサと、少なくとも一部が熱交換部に接して配置され、熱媒が流れる配管と、熱媒を循環させる循環装置と、循環装置の制御を行う制御装置と、を備え、制御装置は、光センサより検出された潜熱蓄熱材の透過率または潜熱蓄熱材からの散乱光の強さに基づいて潜熱蓄熱材の相状態を判定し、潜熱蓄熱材の相状態に基づき熱媒を循環させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る空調システムによれば、潜熱蓄熱材の相状態を正確に検知することにより、効率的に潜熱蓄熱材を蓄熱・蓄冷できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態の一例である空調システムの構成を示す概略図である。
実施形態の一例である空調システムを構成する熱交換部の平面図である。
実施形態の一例である空調システムを構成する制御装置の機能構成を示すブロック図である。
潜熱蓄熱材の降温過程および昇温過程における比熱を示した図である。
潜熱蓄熱材の温度と透過率の経時変化を測定した結果を示した図である。
潜熱蓄熱材の温度と透過率の関係を測定した結果を示した図である。
実施形態の一例である空調システムの動作を示すフローチャートである。
実施形態の他の一例である空調システムを構成する熱交換部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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