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公開番号
2024156859
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2024126513,2022576815
出願日
2024-08-02,2022-09-26
発明の名称
多孔質膜及び多孔質膜の製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B01D
69/00 20060101AFI20241029BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】高い耐汚れ性と高精度の除去性を有する多孔質膜を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面において、表面から厚み10μmまでの表面部が、内部より緻密で、重量平均分子量4万Daのデキストラン除去率:Tが60~95%で、前記表面部の表面において観察される表面孔の単位面積あたりの数が200個/μm
2
~2000個/μm
2
である多孔質膜を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも一方の表面において、表面から厚み10μmまでの表面部が内部より緻密で、重量平均分子量4万Daのデキストラン除去率:Tが60%~95%であり、前記表面部の表面において観察される孔(以下、表面孔とする)の単位面積あたりの数が200個/μm
2
~2000個/μm
2
であり、前記表面部の表面孔径[nm]の平均値が5.0nm~12nmであり、前記表面部の表面から厚み2μmまでの最表面部に、前記最表面部の断面において観察される孔(以下、断面孔とする)の単位面積あたりの数が100個/μm
2
~1000個/μm
2
であり、かつ、断面孔径[nm]の平均値が1nm~99nmであるナノ網目構造を有する、多孔質膜。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記表面孔の単位面積あたりの数[個/μm
2
]を前記表面部の表面孔径[nm]の平均値で除した値:Xが30~100個/μm
2
/nmである請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
前記断面孔の単位面積あたりの数[個/μm
2
]を前記最表面部の断面孔径[nm]の平均値で除した値:Yが3~10個/μm
2
/nmである請求項1または2に記載の多孔質膜。
【請求項4】
前記最表面部の前記断面孔径[nm]の標準偏差が1.0nm~50nmである請求項1または2に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記表面部の前記表面孔径[nm]の標準偏差が0.5nm~5.0nmである請求項1または2に記載の多孔質膜。
【請求項6】
請求項1または2に記載の多孔質膜を用いた液体のろ過方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質膜及び多孔質膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、精密ろ過膜や限外ろ過膜等の多孔質膜は、浄水又は排水処理等の水処理分野、血液浄化等の医療分野、食品工業分野等、様々な分野で利用されている。最近では、ろ過が難しいとされてきた「汚れやすいろ過原液」に対して、効率よくろ過できる汚れ耐性が高い多孔質膜が求められている。多孔質膜が汚れやすいろ過原液とは、ろ過原液中に含まれる汚れ物質が、従来よりも多いことが特徴である。汚れ物質の中には、除去対象となる粗大な成分(ストークス径:13nm以上)と、除去対象ではなく有用物等で透過することが好ましい微細な成分(分子量:1万Da以下)が含まれていることが多い。
【0003】
多孔質膜の汚れ耐性とは、高精度な除去を行う場合に、汚れ物質または除去対象物である粗大な成分および微細な成分のいずれに対しても、多孔質膜の空孔に詰まる等の問題を軽減し、除去対象物の除去効率および透水性が長時間安定に維持できることである。
【0004】
耐汚れ性を示す多孔質膜としては、特許文献1には、巨大孔を有する三次元網目構造とすることで、対象物の高い除去率と、水の高い透過係数を合わせ有する多孔質膜が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、三次元網目構造の孔径を微細化することで、ウイルス等の対象物の除去率を向上させる技術が開示されている。特許文献2に開示の三次元網目構造は、平均直径が0.01μm以上1μm以下で、実質的に5μm以上のマクロボイドを有しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
日本国特開2006-82006号公報
日本国特開2010-94670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のような巨大孔を有する三次元網目構造では、平均孔径は大きく、クモの巣状の三次元構造を有するため、粗大な成分は多孔質膜に侵入し多孔質膜を汚す。また、絡み合った微細な糸状体構造の隙間に、微粒子が補足されるので、多孔質膜が目詰まりしやすく、耐汚れ性が十分でなかった。特許文献2に記載の多孔質膜は、ウイルス等の比較的大きな成分を除去対象物とし、除去性を向上させるに留まっており、網目構造は比較的大きな孔径で孔数が少ない。よって、多孔質膜内に汚れ物質が蓄積しやすく、汚れやすいろ過原液に対しては耐汚れ性が犠牲となっていた。
【0008】
一方で、上述のような汚れやすいろ過原液に対しては、多孔質膜の汚れが著しく起こるため、ろ過が難しい。このような汚れやすいろ過原液に対しても、ろ過を可能とする高い耐汚れ性を有する多孔質膜が求められている。
【0009】
そこで、本発明は、粗大な成分は多孔質膜の外表面で除去し、微細な成分は効率的に多孔質膜を透過させることで、優れた耐汚れ性を有する多孔質膜を提供することを目的とする。外表面とは、多孔質膜の表面部、言い換えると表面層において、内部と反対側にあたる外側の表面である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成からなる多孔質膜を提供する。
1.少なくとも一方の表面において、表面から厚み10μmまでの表面部が、内部より緻密で、重量平均分子量4万Daのデキストラン除去率:Tが60%~95%であり、前記表面部の表面において観察される孔(以下、表面孔とする)の単位面積あたりの数が200個/μm
2
~2000個/μm
2
である多孔質膜である。
2.前記表面部の表面孔径[nm]の平均値が5.0nm~12nmである1に記載の多孔質膜である。
3.前記表面孔の単位面積あたりの数[個/μm
2
]を前記表面孔径[nm]の平均値で除した値:Xが30~100個/μm
2
/nmである1または2に記載の多孔質膜である。
4.前記表面部の式(1)で示す曲路率:Rが1.0~8.0である1~3のいずれかに記載の多孔質膜である。
R=(ε/2k)
1/2
・V/S ・・・・・式(1)
ε:空隙率 k:透過係数[m
2
]
V:細孔比容積[m
3
/g] S:比表面積[m
2
/g]
ここで、k:透過係数は、25℃で、圧力:P[Pa]における膜面積:A[m
2
]の純水透水量:Q[cm
3
/sec]から式(2)で算出する係数
k=8.76×Q/A/P×10
-15
・・・・・式(2)
5.前記表面部の表面から厚み2μmまでの最表面部に、前記最表面部の断面において観察される孔(以下、断面孔とする)の単位面積あたりの数が100個/μm
2
~1000個/μm
2
であり、かつ、断面孔径[nm]の平均値が1nm~99nmであるナノ網目構造を有する1~4のいずれかに記載の多孔質膜である。
6.前記断面孔の単位面積あたりの数[個/μm
2
]を前記断面孔径[nm]の平均値で除した値:Yが3~10個/μm
2
/nmである5に記載の多孔質膜である。
7.前記最表面部の前記断面孔径[nm]の標準偏差が1.0nm~50nmである5または6に記載の多孔質膜である。
8.前記表面部の前記表面孔径[nm]の標準偏差が0.5nm~5.0nmである2~7のいずれかに記載の多孔質膜である。
9.前記曲路率:Rにおける前記式(2)で示す透過係数:k[m
2
]が、0.5×10
-17
m
2
~5.0×10
-17
m
2
である4~8のいずれかに記載の多孔質膜である。
(【0011】以降は省略されています)
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