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公開番号2024156322
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2023070692
出願日2023-04-24
発明の名称液体吐出ヘッド
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類B41J 2/16 20060101AFI20241029BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】液体吐出ヘッドの基板に設けられた開口への接着剤のはみ出し影響を低減する技術を提供する。
【解決手段】第1の基板と第2の基板とが接着剤により接合されてなる接合基板を備える液体吐出ヘッドであって、第1の基板において第2の基板と接合される第1の面には、液体の流路となる複数の第1の開口と、接着剤を保持できる第1の凹部と、第1の凹部よりも大きな開口面積を有し、接着剤を保持できる第2の凹部と、が設けられており、複数の第1の開口のうち、隣り合う2つの第1の開口の間の領域には、第1の凹部が配置されており、第1の開口と第1の基板の外縁との間の領域には、第2の凹部が配置されている液体吐出ヘッドを用いる。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
第1の基板と第2の基板とが接着剤により接合されてなる接合基板を備える液体吐出ヘッドであって、
前記第1の基板において前記第2の基板と接合される第1の面には、液体の流路となる複数の第1の開口と、前記接着剤を保持できる第1の凹部と、前記第1の凹部よりも大きな開口面積を有し、前記接着剤を保持できる第2の凹部と、が設けられており、
前記複数の第1の開口のうち、隣り合う2つの前記第1の開口の間の領域には、前記第1の凹部が配置されており、
前記第1の開口と前記第1の基板の外縁との間の領域には、前記第2の凹部が配置されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第2の基板において前記第1の基板と接合される面には圧電素子が形成されており、
前記第1の基板の前記第1の面には、前記第2の基板の前記圧電素子に対応する位置に、第2の開口が形成されており、
前記第1の面において、前記第1の開口、前記第1の凹部、および、前記第2の開口を含む領域の周囲に、前記第2の凹部が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第1の基板の前記第1の面には、複数の前記第2の凹部が列をなすように配置されているとともに、複数の前記列が、列方向と交差する方向に連続的に配置されており、
前記列に含まれる前記第2の凹部同士の前記列方向における離間距離よりも、前記交差する方向における前記複数の列同士の離間距離の方が大きい
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記交差する方向における前記複数の列同士の離間距離は、前記交差する方向における前記第2の凹部の幅よりも大きい
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記列に含まれる前記第2の凹部同士の前記列方向における離間距離は、25μm以下である
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記列に含まれる前記第2の凹部同士の前記列方向における離間距離は、12μm以下である
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記第1の基板の前記第1の面における前記第1の凹部の開口形状は、1辺が15μm以下の多角形である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記第1の凹部の開口形状をなす多角形のうち最も長い辺をSL、最も短い辺をSSとし、長さの比RS=SS/SLとしたとき、RS<1.5である
ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記長さの比RS<1.1である
ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記第1の基板の前記第1の面における前記第2の凹部の開口形状は、1辺が30μm以上の多角形である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、圧力センサーや加速度センサーなどのMEMS(Micro Electro Mechanical System)やマイクロ流体デバイスなどの機能デバイスの製造において、接着剤を介して基板同士を接合した基板接合体から構成されるデバイスが作成されている。その一例として液体を吐出する液体吐出ヘッドが挙げられる。液体吐出ヘッドの例としてインクジェット記録ヘッドが挙げられる。
【0003】
このようなインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子を有する。また、基板表面上には吐出口部材が形成され、吐出口部材にはインクを吐出する吐出口が複数開口している。また、基板にはインクの流路としての貫通孔が形成され、貫通孔を通り基板の裏面側から表面側に向かってインクが供給される。貫通孔と吐出口とは連通しており、貫通孔を通過したインクはエネルギー発生素子から与えられる力により吐出口から吐出される。エネルギー発生素子としては、ヒーター素子のような通電加熱によりインクを沸騰させうる素子や、圧電素子のような体積変化を利用して液体に圧力を加えうる素子が挙げられる。
【0004】
特許文献1にも、基板接合体から構成されるデバイスの例として、液体吐出装置が開示されている。具体的には、液体吐出装置のヘッドは、ノズル開口に連通する圧力発生室と、圧電体層と、圧電体層に設けられた電極とを備えた圧電素子とを備えている。そして、圧力発生室に溜められた液体は、ノズル開口を介して発射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-272746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような液体吐出装置では、一般的に複数の基板は接着剤を用いて接合される。しかしながら、これらの基板を接合する際に、接着剤が、接合される基板面に形成された構造体に対してはみ出す場合がある。こうしてはみ出した接着剤は、吐出特性に影響を与える場合がある。例えば、接着剤が圧電素子等のエネルギー発生素子が収容された開口に多くはみ出すと、駆動に影響を与える可能性がある。特にインク流路となる開口が小さい場合には接着剤によって閉塞が発生しやすくなり、吐出ができなくなるなどの不具合が生じる。
【0007】
このような接着剤のはみ出しに対応するために、開口パターンに対応した箇所に、余剰な接着剤を収容するための凹部を設けることが考えられる。例えば、エネルギー発生素子が収容された開口やインク流路となる開口の周囲に、接着剤の開口への流入を遮断するために接着剤を収容可能な凹部を設ける対応が考えられる。しかしながら、単純に大きな凹部を配置して接着剤を遮断するだけでは、不具合の発生が抑制できない場合があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吐出ヘッドの基板に設けられた開口への接着剤のはみ出し影響を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
第1の基板と第2の基板とが接着剤により接合されてなる接合基板を備える液体吐出ヘッドであって、
前記第1の基板において前記第2の基板と接合される第1の面には、液体の流路となる複数の第1の開口と、前記接着剤を保持できる第1の凹部と、前記第1の凹部よりも大きな開口面積を有し、前記接着剤を保持できる第2の凹部と、が設けられており、
前記複数の第1の開口のうち、隣り合う2つの前記第1の開口の間の領域には、前記第1の凹部が配置されており、
前記第1の開口と前記第1の基板の外縁との間の領域には、前記第2の凹部が配置されている
ことを特徴とする液体吐出ヘッドである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、液体吐出ヘッドの基板に設けられた開口への接着剤のはみ出し影響を低減する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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