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公開番号2024153523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2023079490
出願日2023-05-12
発明の名称プラスチック基材の分離回収方法
出願人artience株式会社
代理人
主分類B29B 17/02 20060101AFI20241022BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】
本発明の課題は、コーティング層の脱離性に優れ、さらに、脱離したコーティング層成分の再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体を高効率で分離回収できる方法を提供することにある。さらに、回収したプラスチック基材を加熱成形して得られる高品位な成形体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
少なくともプラスチック基材と、プラスチック基材に接するコーティング層とを備える積層体を、前記積層体の平均サイズが5mm以下のフラフに破砕する工程、及び
破砕後のフラフを脱離液に接触させて、前記コーティング層をプラスチック基材から脱離させる工程を含む、積層体の分離回収方法であって、
前記積層体の含有量が、前記脱離液の全質量に対して10質量%以上である、積層体の分離回収方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくともプラスチック基材と、プラスチック基材に接するコーティング層とを備える積層体を、前記積層体の平均サイズが5mm以下のフラフに破砕する工程、及び
破砕後のフラフを脱離液に接触させて、前記コーティング層をプラスチック基材から脱離させる工程を含む、積層体の分離回収方法であって、
前記積層体の含有量が、前記脱離液の全質量に対して10質量%以上である、積層体の分離回収方法。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
破砕する工程の後に、さらに平均サイズが1mm以下のフラフに微粉砕する工程を含む、請求項1に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項3】
微粉砕する工程は、冷却する手段の下で行うことを特徴とする、請求項2に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項4】
微粉砕する工程は、0℃以下の寒剤を用いて冷却する手段の下で行うことを特徴とする、請求項3に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項5】
プラスチック基材は、ポリオレフィンを含む、請求項1に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項6】
プラスチック基材は、プラスチックフィルムである、請求項1に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項7】
脱離液が、水および界面活性剤を含有する、請求項1に記載の積層体の分離回収方法。
【請求項8】
請求項1~7いずれかに記載の積層体の分離回収方法で回収されたプラスチック基材を溶融混練する工程を含む、成形用材料の製造方法。
【請求項9】
さらに、請求項8に記載の製造方法により得られる成形用材料を、加熱成形する工程を含む、成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともプラスチック基材層及びコーティング層を備える積層体からプラスチック基材を分離回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックフィルムを原料とするパッケージ、プラスチックボトル、その他プラスチック製品は、海洋にゴミとして廃棄・投棄され環境汚染問題となっている。これらのプラスチック製品は海水中で分解されてサブミクロンサイズの破片(マイクロプラスチック)となり海水中に浮遊する。当該マイクロプラスチックは、魚類等の海洋生物に摂取されることで生物体内中に濃縮され、当該海洋生物を食料として摂取する海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されている。
【0003】
上記プラスチック製品としては、プラスチックフィルムを使用した複層構成の食品包装パッケージ等が挙げられ、このような食品包装パッケージでは、フィルム基材としてポリエステル基材、ナイロン基材(NY)、ポリプロピレン基材(PP)、ポリエチレン基材(PE)等、種々のプラスチック基材が使用されている。これらフィルム基材は、印刷インキにより印刷が施され、接着剤等を介して他のフィルム基材や熱溶融樹脂基材と貼り合わされた後に、カットされ熱融着されてパッケージとなる。しかしながら、このような複層構成の食品包装パッケージは、相溶しない異種の材料が複数混合しているため、このままではマテリアルリサイクルができないという問題がある。
【0004】
このような複層構成の包装材のマテリアルリサイクルについて、例えば、特許文献1、2には、所定の酸価を有するポリウレタン樹脂を含む脱離層を備える積層体をアルカリ水溶液で処理することで、表刷り構成だけでなく複層構成の積層体から印刷層を脱離する技術が開示されている。特許文献3には、所定の酸価を有するポリエステルポリオール系接着剤を備える積層体をアルカリ水溶液で処理することで、複層構成の積層体から接着剤層を脱離する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-090627号公報
特開2021-098294号公報
特開2020-084130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明において、「フラフ」とは、少なくとも、シートなどを、工程を実施することが可能なサイズに、細断、破砕などしたものをいい、シートなどが少なくともプラスチック基材と、プラスチック基材に接するコーティング層とを備える積層体である。特に、脱離液と接触させて、コーティング層を除去し、純度の高いプラスチック基材を回収する目的に使われるフラフをいう。プラスチック基材は、単層であっても複数の層であってもよい。プラスチック基材が複数の層である場合、回収されるプラスチック基材は、前記複数の層の一部または全部の層が分離したものであっても、複数の層のままであってもよい。
特許文献1~3に記載の脱離工程で使用しているフラフは、サイズが大きいため、処理効率を向上させるために、脱離液に対するフラフの処理量を増やそうとしても、一般的に行われる浸漬方式では、一定量以上では脱離液に浸漬できずに溢れてしまう、また、モーターに圧力がかかって攪拌ができなくなるなどの問題が発生する。また、フラフサイズが大きいために脱離時間が長くなり、脱離後のコーティング層が基材に再付着するという課題も発生する。ここで、「再付着」とは、基材から脱離した前記コーティング層や、基材から脱離したプラスチック基材に直接接しないコーティング層が、撹拌により細かく分散されて基材に再度付着することであり、回収される基材の着色や再生材料の性状低下を引き起こす原因となる。すなわち、上記のように脱離したコーティング層が再付着したプラスチック基材をリサイクルして得られる成形用材料(以下、再生材、あるいは再生基材ともいう)は、着色による外観低下や物理性状の低下を引き起こす。
【0007】
したがって本発明の課題は、コーティング層の脱離性に優れ、さらに、脱離したコーティング層成分の再付着が抑制された、プラスチックリサイクルに適した積層体を高効率で分離回収できる方法を提供することにある。さらに、回収したプラスチック基材を加熱成形して得られる高品位な成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、少なくともプラスチック基材と、プラスチック基材に接するコーティング層とを備える積層体を、前記積層体の平均サイズが5mm以下のフラフに破砕する工程、及び
破砕後のフラフを脱離液に接触させて、前記コーティング層をプラスチック基材から脱離させる工程を含む、積層体の分離回収方法であって、
前記積層体の含有量が、前記脱離液の全質量に対して10質量%以上である、積層体の分離回収方法に関する。
【0009】
また、本発明は、破砕する工程の後に、さらに平均サイズが1mm以下のフラフに微粉砕する工程を含む、上記積層体の分離回収方法に関する。
【0010】
また、本発明は、微粉砕する工程は、冷却する手段の下で行うことを特徴とする、上記積層体の分離回収方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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