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公開番号2024152885
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024139366,2022029445
出願日2024-08-21,2022-02-28
発明の名称コイル部品
出願人株式会社村田製作所
代理人個人
主分類H01F 27/29 20060101AFI20241018BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】ワイヤの巻回工程において、チャックによってコアを安定した姿勢で保持することができる、コイル部品を提供する。
【解決手段】コア5は、軸線方向AXに延びる巻芯部2ならびに巻芯部2の軸線方向AXでの互いに逆の端部にそれぞれ設けられた第1鍔部3および第2鍔部4を有する。第1鍔部3および第2鍔部4の各々の外側端面13および14は、当該外側端面13および14と第1側面15および16とが交差する稜線に沿って延びる第1凸条25および当該外側端面13および14と第2側面17および18とが交差する稜線に沿って延びる第2凸条26を有する。端子電極23,24の固着部28と第1凸条25および第2凸条26の各々との間には間隔が設けられ、接着剤層が、第1凸条25および第2凸条26の各々と固着部28との間の間隔を埋めるように形成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸線方向に延びる巻芯部ならびに前記巻芯部の前記軸線方向での互いに逆の端部にそれぞれ設けられた第1鍔部および第2鍔部を有する、コアと、
前記第1鍔部に設けられた、第1端子電極と、
前記第2鍔部に設けられた、第2端子電極と、
前記第1端子電極および前記第2端子電極に接続され、かつ前記巻芯部に巻回された、少なくとも1本のワイヤと、
を備え、
前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々は、実装時において実装基板側に向けられる実装面と、前記実装面の反対側に向く天面と、前記実装面と前記天面とを連結するものであって、前記巻芯部側に向きかつ前記巻芯部の前記軸線方向での端部を位置させる内側端面と、前記内側端面の反対側に向く外側端面と、前記内側端面と前記外側端面とを連結しかつ互いに逆方向に向く第1側面および第2側面と、を有し、
前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々の前記外側端面は、当該外側端面と前記第1側面とが交差する稜線に沿って延びる第1凸条および当該外側端面と前記第2側面とが交差する稜線に沿って延びる第2凸条を有し、
前記第1端子電極および前記第2端子電極は、前記第1凸条および前記第2凸条の突出高さ以下の厚みを有する金属板からなり、それぞれ、前記外側端面における前記第1凸条および前記第2凸条が設けられていない領域に沿って配置されかつ接着剤を介して前記第1鍔部および前記第2鍔部にそれぞれ固着される固着部を有し、
前記固着部と前記第1凸条および前記第2凸条の各々との間には間隔が設けられ、
前記接着剤に由来する接着剤層が、前記第1凸条および前記第2凸条の各々と前記固着部との間の前記間隔を埋めるように形成されている、
コイル部品。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記接着剤に由来する接着剤層における前記間隔を埋めるように形成されている部分の厚みは、前記第1端子電極の厚み、前記第2端子電極の厚み、前記第1凸条の突出高さおよび前記第2凸条の突出高さのいずれよりも薄い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1凸条の前記第2側面側の端縁および前記第2凸条の前記第1側面側の端縁には、第1アール面が形成され、前記第1凸条の前記第1側面側の端縁および前記第2凸条の前記第2側面側の端縁には、第2アール面が形成され、
前記第1アール面を規定する曲率半径は、前記第2アール面を規定する曲率半径より小さい、
請求項1または2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1側面と前記第2側面とが対向する方向を幅方向としたとき、前記外側端面における前記第1凸条および前記第2凸条が設けられていない領域の幅方向寸法は、前記巻芯部の幅方向寸法よりも大きい、請求項1ないし3のいずれかに記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1側面と前記第2側面とが対向する方向を幅方向としたとき、前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々の前記実装面には、幅方向の中央部に盛り上がる隆起部が設けられ、前記隆起部の幅方向における両側に前記隆起部より低い肩部が形成され、
前記第1端子電極および前記第2端子電極は、それぞれ、前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々の前記実装面における前記隆起部および前記肩部に沿って延びる部分を有し、
前記第1端子電極および前記第2端子電極の各々において、実装基板との接続部分が前記隆起部に沿って延びる部分によって与えられ、前記ワイヤとの接続部分が前記肩部に沿って延びる部分によって与えられ、
前記第1凸条および前記第2凸条の少なくとも一方は、前記第1端子電極および前記第2端子電極の各々における前記肩部に沿って延びる部分に当接している、
請求項1ないし4のいずれかに記載のコイル部品。
【請求項6】
前記軸線方向に測定した寸法において、前記巻芯部の寸法は、前記第1鍔部および前記第2鍔部の各々の寸法の3倍以上かつ4倍以下である、請求項1ないし5のいずれかに記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1側面と前記第2側面とが対向する方向を幅方向としたとき、前記第1凸条の幅方向寸法および前記第2凸条の幅方向寸法の合計は、前記第1側面および前記第2側面間の距離の1/2以下である、請求項1ないし6のいずれかに記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1凸条の幅方向寸法および前記第2凸条の幅方向寸法の合計は、前記第1側面および前記第2側面間の距離の1/3以下である、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記外側端面には、前記第1凸条と前記第2凸条との間に、少なくとも1つの第3凸条がさらに設けられている、請求項1ないし8のいずれかに記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1側面と前記第2側面とが対向する方向を幅方向としたとき、前記外側端面における前記第1凸条、前記第2凸条および前記第3凸条のいずれもが設けられていない領域の幅方向寸法は、前記巻芯部の幅方向寸法よりも大きい、請求項9に記載のコイル部品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、コアにワイヤを巻回した構造の巻線型のコイル部品に関するもので、特に、コアに備える鍔部の形状に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
たとえば特開2009-16502号公報(特許文献1)には、コモンモードチョークコイルの製造方法が記載されている。コモンモードチョークコイルの製造に際して、コアに備える巻芯部にワイヤを巻回する工程が実施される。巻回工程では、コアを巻芯部の中心軸線まわりに回転させた状態で、ノズルからワイヤがトラバースされながら巻芯部に向かって供給される。これによって、ワイヤが巻芯部のまわりで螺旋状に巻回される。
【0003】
この巻回工程において、コアを上述のように回転させるため、コアは、回転駆動源に接続されたチャックによって保持される。チャックは、巻芯部の軸線方向での互いに逆の端部にそれぞれ設けられた2つの鍔部のうち、一方の鍔部をつかむように設計されている。
【0004】
より具体的には、鍔部は、通常、実装時において実装基板側に向けられる実装面と、実装面の反対側に向く天面と、実装面と天面とを連結するものであって、巻芯部側に向きかつ巻芯部の軸線方向での端部を位置させる内側端面と、内側端面の反対側に向く外側端面と、内側端面と外側端面とを連結しかつ互いに逆方向に向く第1側面および第2側面と、を有する。これに対して、チャックは、通常、一方の鍔部の外側端面に接する面と鍔部の第1側面および第2側面にそれぞれ接する面とを有している。
【0005】
チャックが鍔部をつかむ動作は、チャックが鍔部の外側端面に接した状態で、第1側面に接する面を与える部材と第2側面に接する面を与える部材とが互いに近づくことによって達成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-16502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
コイル部品の小型化に伴い、鍔部の寸法、より具体的には、鍔部の外側端面および内側端面間の寸法はより短くなる。その結果、鍔部の第1側面および第2側面とチャックとが接する面積が小さくなり、チャックによってコアを安定した姿勢で保持することが困難になり、コアの回転中心軸が巻芯部の中心軸線からずれて、コアを適正に回転できないことがある。
【0008】
また、コイル部品の大型化を招くことなく、巻芯部でのワイヤの可能な巻回数をより多くするため、巻芯部の軸線方向での寸法をより長くしながら、鍔部の厚みをより薄くすることが考えられるが、この場合には、上述の課題がより顕著になる。
【0009】
そこで、この発明の目的は、ワイヤの巻回工程において、チャックによってコアを安定した姿勢で保持することができる、コイル部品を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、軸線方向に延びる巻芯部ならびに巻芯部の軸線方向での互いに逆の端部にそれぞれ設けられた第1鍔部および第2鍔部を有する、コアと、第1鍔部に設けられた、第1端子電極と、第2鍔部に設けられた、第2端子電極と、第1端子電極および第2端子電極に接続され、かつ巻芯部に巻回された、少なくとも1本のワイヤと、を備える、コイル部品に向けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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