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公開番号2024152187
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066229
出願日2023-04-14
発明の名称再利用防止機能付きトルク管理ナット
出願人エヌパット株式会社
代理人個人
主分類F16B 31/02 20060101AFI20241018BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】一度ボルトから取り外した場合に再利用できないようにした再利用防止機能付きトルク管理ナットを提供する。
【解決手段】再利用防止機能付きトルク管理ナット1は、内側に雌螺子14が形成された円筒体11と、円筒体11の上部に設けられる頭部12と、円筒体11と頭部12との間に設けられる薄肉の破断部15とを有するインナーナット10、及び、円筒体11の外側に装着されるアウターナット20を備える。アウターナット20は、所定方向R2に回転するとき、円筒体11の外周面に設けられた突起部16に係合して円筒体11を一体的に所定方向R2に回転させる。またアウターナット20は、前記所定方向R2とは逆方向R1に回転するとき、突起部16に係合せず、円筒体11の外周面に沿って空転する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内側に雌螺子が形成された円筒体と、前記円筒体の上部に設けられる頭部と、前記円筒体と前記頭部との間に設けられる薄肉の破断部とを有するインナーナットと、
前記円筒体の外側に装着されるアウターナットと、
を備え、
前記アウターナットは、所定方向に回転するとき、前記円筒体の外周面に設けられた突起部に係合して前記円筒体を一体的に前記所定方向に回転させ、前記所定方向とは逆方向に回転するとき、前記突起部に係合せず、前記円筒体の外周面に沿って空転することを特徴とする再利用防止機能付きトルク管理ナット。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記アウターナットは、周壁に対して斜め方向に形成された案内溝を有し、前記所定方向に回転するときには前記突起部を前記案内溝の奥端部に係合させ、前記所定方向とは逆方向に回転するときには前記突起部を前記案内溝から離脱させることを特徴とする請求項1に記載の再利用防止機能付きトルク管理ナット。
【請求項3】
前記突起部が前記案内溝から離脱することに伴い、前記アウターナットは、前記突起部の上方位置を空転することを特徴とする請求項2に記載の再利用防止機能付きトルク管理ナット。
【請求項4】
前記インナーナットは、前記雌螺子に雄螺子が螺合した状態で前記頭部が締め付けられるとき、前記頭部に作用するトルクが所定トルクを超えたときに前記破断部を破断させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の再利用防止機能付きトルク管理ナット。
【請求項5】
前記アウターナットが前記円筒体の外周面から離脱することを防止する抜け止め部材、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の再利用防止機能付きトルク管理ナット。
【請求項6】
前記インナーナットは、前記円筒体の外径寸法が前記頭部の外径寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の再利用防止機能付きトルク管理ナット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再利用防止機能付きトルク管理ナットに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電気設備の配電盤や分電盤には、ケーブルの端部に接続された金属端子が取り付けられる。金属端子は、配電盤や分電盤に設けられた端子台から立設するボルトに装着され、ナットが締め付けられることにより、端子台に接合した状態に固定される。配電盤や分電盤に金属端子を取り付ける際、ナットの締め付けが弱いと、金属端子と端子台との接触面積を十分に確保することができず、僅かな接触部分を介して電流が流れ、高温・発火の原因となる。
【0003】
そこで、配電盤や分電盤に金属端子を取り付ける際には、トルクレンチを使用してナットを定格のトルクで締め付けるようにしている。しかし、トルクレンチを使用して締め付ける場合であっても、ヒューマンエラーによる締め忘れや締め付け不足が起こり得る。
【0004】
ビューマンエラーを無くすためには、トルク管理ナットを使用することが考えられる。例えば、特許文献1には、トルク管理ナットの例が開示されている。このトルク管理ナットは、円形の外周部の異なる角度位置に、凸部と凹部とを設けている。このトルク管理ナットを取り付ける際には専用のソケットが用いられる。すなわち、ソケットは、ナットの外周部に適合する円形の内周部を有し、その内周部の複数箇所にナットの凸部に係合する凹部が設けられている。トルク管理ナットの凸部をソケット内の凹部に差し込んでソケットをトルク管理ナットの外周部に装着し、電動工具を用いてソケットを回転させることにより、トルク管理ナットが回転し、トルク管理ナットをボルトに締め付けることができる。締め付け時のトルクが所定のトルクに達すると、トルク管理ナットの凸部が破断するため、締め付け時のトルクを一定のトルクで管理することができる。
【0005】
トルク管理ナットをボルトから取り外す際には、ソケット内の凹部に緩め用凸片をセットし、その凸片の先端をトルク管理ナットの外周部の凹部に係合させる。凸片とトルク管理ナットの外周部とを係合させた状態で、電動工具を用いてソケットを緩め方向に回転させることにより、トルク管理ナットが回転し、ボルトから取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-88104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたトルク管理ナットは、ナットの締め付け時又は取り外し時に専用のソケットが必要であり、汎用性が低い。
【0008】
また、特許文献1に記載されたトルク管理ナットは、ナットの取り外し時に使用した凸片を使用すれば、ボルトから一旦取り外したナットを再びボルトに装着できてしまうという問題がある。ボルトから取り外したトルク管理ナットは、既に凸部が破断しているため、ボルトに再度取り付けるときにはトルク管理ができない。したがって、ボルトから取り外されたトルク管理ナットは、再利用できないようにすることが望まれる。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、一度ボルトから取り外した場合には再利用できないようにした再利用防止機能付きトルク管理ナットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、再利用防止機能付きトルク管理ナット(1)であって、内側に雌螺子(14)が形成された円筒体(11)と、前記円筒体(11)の上部に設けられる頭部(12)と、前記円筒体(11)と前記頭部(12)との間に設けられる薄肉の破断部(15)とを有するインナーナット(10)と、前記円筒体(11)の外側に装着されるアウターナット(20)と、を備え、前記アウターナット(20)は、所定方向(R2)に回転するとき、前記円筒体(11)の外周面に設けられた突起部(16)に係合して前記円筒体(11)を一体的に前記所定方向(R2)に回転させ、前記所定方向(R2)とは逆方向(R1)に回転するとき、前記突起部(16)に係合せず、前記円筒体(11)の外周面に沿って空転することを特徴とする構成である。
(【0011】以降は省略されています)

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