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公開番号
2024149353
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023191592
出願日
2023-11-09
発明の名称
有機化合物、発光素子及びディスプレイパネル
出願人
深セン市華星光電半導体顕示技術有限公司
代理人
個人
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20241010BHJP(有機化学)
要約
【課題】発光素子の発光効率の向上及び耐用年数の延長が実現した、有機化合物、発光素子及びディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】本発明は、ホウ素含有有機化合物を使用し、ホウ素含有有機化合物に芳香族基又は複素芳香族基を導入して分子の全体的共役性を強化させ、ホウ素含有有機化合物に脂肪族炭化水素基を導入して分子の溶解性を向上させることで材料の性能を改善している。例えば、下記化合物が示される。
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【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
有機化合物であって、
一般式(1)に示される構造を有し、
JPEG
2024149353000132.jpg
80
170
一般式(1)
式中、Ar
1
は、置換された又は置換されていない6~60個の環原子を有する芳香族基、置換された又は置換されていない5~60個の環原子を有する複素芳香族基から選ばれ、
X、Yは、それぞれ、O、S、CR
5
R
6
、NR
7
から独立的に選ばれ、
Wは、O、S、CR
8
R
9
、NR
10
から選ばれ、
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
は、出現するたびに、それぞれ、-H、1~20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3~20個の炭素原子を有する分岐アルキル基、置換された又は置換されていない環原子数が6~30である芳香族基から独立的に選ばれ、
n1は、0、1、2、3又は4から選ばれ、n2は、0、1又は2から選ばれ、n3は、0、1、2、3又は4から選ばれ、n4は、0、1、2又は3から選ばれることを特徴とする有機化合物。
続きを表示(約 2,600 文字)
【請求項2】
前記有機化合物が、一般式(2-1)~一般式(2-6)のうちのいずれかに示される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
JPEG
2024149353000133.jpg
113
170
【請求項3】
前記有機化合物が、一般式(3-1)~一般式(3-6)のうちのいずれかに示される構造を有し、
JPEG
2024149353000134.jpg
112
170
式中、Ar
2
、Ar
3
は、それぞれ、置換された又は置換されていない6~60個の環原子を有する芳香族基、置換された又は置換されていない5~60個の環原子を有する複素芳香族基から独立的に選ばれることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
【請求項4】
Ar
1
、Ar
2
、Ar
3
が、それぞれ、以下に示される構造からいずれかが独立的に選ばれ、
JPEG
2024149353000135.jpg
60
170
式中、X
1
は、出現するたびに、CR
11
又はNから独立的に選ばれ、
Y
1
は、NR
12
、CR
13
R
14
、SiR
13
R
14
、O、S、S=O又はSO
2
から選ばれ、
R
11
、R
12
、R
13
、R
14
は、出現するたびに、それぞれ、-H、1~20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3~20個の炭素原子を有する分岐アルキル基、置換された又は置換されていない6~30個の環原子を有する芳香族基から独立的に選ばれることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項5】
R
11
、R
12
、R
13
、R
14
が、出現するたびに、それぞれ、-H、メチル基、tert-ブチル基又はフェニル基から独立的に選ばれることを特徴とする請求項4に記載の有機化合物。
【請求項6】
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
が、出現するたびに、それぞれ、-H、メチル基、
JPEG
2024149353000136.jpg
18
170
、tert-ブチル基、
JPEG
2024149353000137.jpg
23
170
、フェニル基、
JPEG
2024149353000138.jpg
236
170
JPEG
2024149353000139.jpg
35
170
から独立的に選ばれ、
R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
が、出現するたびに、それぞれ、-H、メチル基、tert-ブチル基、フェニル基、
JPEG
2024149353000140.jpg
31
170
から独立的に選ばれることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項7】
前記有機化合物は、以下の化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
JPEG
2024149353000141.jpg
235
170
JPEG
2024149353000142.jpg
230
170
JPEG
2024149353000143.jpg
195
170
JPEG
2024149353000144.jpg
66
170
JPEG
2024149353000145.jpg
129
170
JPEG
2024149353000146.jpg
134
170
JPEG
2024149353000147.jpg
163
170
JPEG
2024149353000148.jpg
122
170
JPEG
2024149353000149.jpg
208
170
JPEG
2024149353000150.jpg
41
170
JPEG
2024149353000151.jpg
128
170
JPEG
2024149353000152.jpg
123
170
JPEG
2024149353000153.jpg
128
170
【請求項8】
前記有機化合物の第一励起一重項状態のエネルギー準位は、2.93eVより大きい又は等しく、前記有機化合物の第一励起三重項状態のエネルギー準位は、2.48eVより大きい又は等しいことを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
【請求項9】
第1電極及び第2電極を含む1対の電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機機能層とを備え、
前記有機機能層の材料は、請求項1~8のいずれか一項に記載の有機化合物の1つ又は1つ以上を含むことを特徴とする発光素子。
【請求項10】
前記有機機能層は、少なくとも発光層を含み、前記発光層はホスト材料及びゲスト材料を含み、前記ゲスト材料は請求項1~8のいずれか一項に記載の有機化合物の1つ又は1つ以上であることを特徴とする請求項9に記載の発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示分野に関し、具体的には、有機化合物、発光素子及びディスプレイパネルに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、有機エレクトロルミネセンス素子は、一般的に、正極と、負極と、両者の間に位置する有機層とを有し、有機層の有機物を利用して電気エネルギーを光エネルギーに変換することで、有機エレクトロルミネセンスを実現する。有機エレクトロルミネセンス素子の発光効率を向上させ耐用年数を延長するために、有機層は一般的に複数層を有しており、層ごとに有機物は異なる。具体的には、有機層は、主に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む。有機エレクトロルミネセンス素子の正極と負極の間に電圧が印加され、正極は有機層に正孔を注入し、負極は有機層に電子を注入し、注入された正孔が電子と会合して励起子を形成し、励起子が基底状態に戻ると発光し、このようにして有機エレクトロルミネセンス素子の発光を実現する。有機エレクトロルミネセンス素子が自己発光、高輝度、高効率、低駆動電圧、広視野角、高コントラスト、高応答などの特徴を有しているため、有機エレクトロルミネセンス部品に幅広い使用が見込まれる。
【0003】
有機エレクトロルミネセンス素子の発光効率を向上させるために、様々な蛍光系及び燐光系の発光材料系が開発されてきている。そのうち、蛍光材料を使用する有機エレクトロルミネセンス素子は、信頼性が高いという特徴を有するが、電気励起下で、励起子の一重項励起状態と三重項励起状態の分岐比が1:3であるため、内部エレクトロルミネセンスの量子効率は25%に制限されている。燐光材料を使用する有機エレクトロルミネセンス素子は、ほぼ100%の内部エレクトロルミネセンスの量子効率を達成しているが、燐光材料には一般的にイリジウム、白金を含む金属錯体が使用されているため、原料は高価で合成手順が複雑であり、また、燐光系有機エレクトロルミネセンス素子にRoll-off(効率のロールオフ)効果が生じ、即ち、発光効率が電流又は輝度の増加に伴って急速に低下するため、高輝度下におけるその使用が制限されている。
【0004】
上記の問題を解決するために、従来技術で一般的に用いられる熱活性化遅延蛍光(TADF、Thermally Activated Delayed Fluorescence)材料は、電子供与性基と電子求引性基を接続させる方式で最高被占軌道(HOMO、Highest Occupied Molecular Orbital)及び最低空軌道(LUMO、Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の電子雲の分布が完全に分離している、有機化合物の第一励起一重項状態(S1)と第一励起三重項状態(T1)の差(△EST)が縮小されているTADF材料を得るが、従来のTADFを備える有機化合物は、効率であれ耐用年数であれ、その性能の向上がいずれも制限されているため、TADFを有する有機化合物を使用する有機エレクトロルミネセンス素子の発光効率の向上及び耐用年数の延長が難しくなる。
【0005】
そこで、上記の技術上の課題を解決するための有機化合物、発光素子及びディスプレイパネルが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のTADFを有する有機化合物を使用する有機エレクトロルミネセンス素子の発光効率の向上及び耐用年数の延長が難しいという技術上の課題を緩和することができる、有機化合物、発光素子及びディスプレイパネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、有機化合物を提供し、前記有機化合物は、一般式(1)に示される構造を有し、
JPEG
2024149353000002.jpg
75
170
一般式(1)
式中、Ar
1
は、置換された又は置換されていない6~60個の環原子を有する芳香族基、置換された又は置換されていない5~60個の環原子を有する複素芳香族基から選ばれ、
X、Yは、それぞれ、O、S、CR
5
R
6
、NR
7
から独立的に選ばれ、
Wは、O、S、CR
8
R
9
、NR
10
から選ばれ、
R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
は、出現するたびに、それぞれ、-H、1~20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3~20個の炭素原子を有する分岐アルキル基、置換された又は置換されていない環原子数が6~30である芳香族基から独立的に選ばれ、
n1は、0、1、2、3又は4から選ばれ、n2は、0、1又は2から選ばれ、n3は、0、1、2、3又は4から選ばれ、n4は、0、1、2又は3から選ばれる。
【0008】
好ましくは、前記有機化合物が、一般式(2-1)~一般式(2-6)のうちのいずれかに示される構造を有する。
JPEG
2024149353000003.jpg
111
170
【0009】
好ましくは、前記有機化合物が、一般式(3-1)~一般式(3-6)のうちのいずれかに示される構造を有し、
JPEG
2024149353000004.jpg
114
170
式中、Ar
2
、Ar
3
は、それぞれ、置換された又は置換されていない6~60個の環原子を有する芳香族基、置換された又は置換されていない5~60個の環原子を有する複素芳香族基から独立的に選ばれる。
【0010】
好ましくは、Ar
1
、Ar
2
、Ar
3
が、それぞれ、以下に示される構造からいずれかが独立的に選ばれ、
JPEG
2024149353000005.jpg
58
170
式中、X
1
は、出現するたびに、CR
11
又はNから独立的に選ばれ、
Y
1
は、NR
12
、CR
13
R
14
、SiR
13
R
14
、O、S、S=O又はSO
2
から選ばれ、
R
11
、R
12
、R
13
、R
14
は、出現するたびに、それぞれ、-H、1~20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、3~20個の炭素原子を有する分岐アルキル基、置換された又は置換されていない6~30個の環原子を有する芳香族基から独立的に選ばれる。
(【0011】以降は省略されています)
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