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公開番号2024148167
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-17
出願番号2024060098
出願日2024-04-03
発明の名称サスティナブルな吸音性不織布
出願人カール・フロイデンベルク・カーゲー,Carl Freudenberg KG
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人,個人,個人,個人
主分類D04H 1/541 20120101AFI20241009BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】低目付のサスティナブルな吸音性不織布およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、1993年5月版のDIN EN 29053に準拠して測定された150Ns/m3~5000Ns/m3の流動抵抗と、150g/m2~600g/m2の目付とを有するサーマルボンド吸音性不織布であって、該不織布は、c)平均繊度が0.9dtex~8.8dtexであるフレームワークステープル繊維を、不織布の総重量に対して50重量%~90重量%の割合で含み、かつd)芯鞘型バインダー繊維を、不織布の総重量に対して10重量%~50重量%の割合で含み、フレームワークステープル繊維は、ある割合の破砕フレームワークステープル繊維を含み、芯鞘型バインダー繊維は、ある割合の破砕芯鞘型バインダー繊維を含む、サーマルボンド吸音性不織布に関する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
1993年5月版のDIN EN 29053に準拠して測定された150Ns/m

~5000Ns/m

の流動抵抗と、150g/m

~600g/m

の目付とを有するサーマルボンド吸音性不織布であって、
a)平均繊度が0.9dtex~8.8dtexであるフレームワークステープル繊維を、前記不織布の総重量に対して50重量%~90重量%の割合で含み、かつ
b)芯鞘型バインダー繊維を、前記不織布の総重量に対して10重量%~50重量%の割合で含むサーマルボンド吸音性不織布において、
前記フレームワークステープル繊維は、ある割合の破砕フレームワークステープル繊維を含み、前記芯鞘型バインダー繊維は、ある割合の破砕芯鞘型バインダー繊維を含むことを特徴とする、サーマルボンド吸音性不織布。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記不織布が、一次フレームワークステープル繊維を含み、前記一次フレームワークステープル繊維が、0.9dtex~8.8dtexの平均繊度および/または20mm~80mmの平均ステープル長を有することを特徴とする、請求項1記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項3】
前記不織布が、一次芯鞘型バインダー繊維を含み、前記一次芯鞘型バインダー繊維がステープル繊維であり、好ましくは20mm~80mmの平均ステープル長を有することを特徴とする、請求項1または2記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項4】
前記不織布が、一次フレームワークステープル繊維および/または一次芯鞘型バインダー繊維を含み、前記破砕芯鞘型バインダー繊維が、有利には前記一次芯鞘型バインダー繊維と同じ平均繊度および/もしくは同じポリマーを有し、かつ/または前記破砕フレームワーク繊維が、前記一次フレームワーク繊維と同じ平均繊度および/もしくは同じポリマーを有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項5】
前記フレームワークステープル繊維の総重量に対する前記破砕フレームワークステープル繊維の割合が、10~100重量%であり、かつ/または前記芯鞘型バインダー繊維の総重量に対する前記破砕芯鞘型バインダー繊維の割合が、10~100重量%であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項6】
前記不織布が、前記不織布の総重量に対してそれぞれ
a)0重量%~70重量%、有利には10重量%~65重量%の一次フレームワークステープル繊維と、
b)0重量%~70重量%、有利には5重量%~60重量%の一次芯鞘型バインダー繊維と、
c)5重量%~90重量%の破砕フレームワークステープル繊維と、
d)1重量%~50重量%、なおもより好ましくは5重量%~40重量%の破砕芯鞘型バインダー繊維と
を含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項7】
前記不織布が、破砕工程で処理されたテキスタイル廃棄物から製造されたものであり、前記破砕工程での処理が、前記処理済みのテキスタイル廃棄物に含まれる未崩壊のテキスタイル残渣、特にネップおよびシート状材料片が、前記処理済みのテキスタイル廃棄物の総量に対して30重量%未満の割合となるように行われたことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のサーマルボンド吸音性不織布。
【請求項8】
150Ns/m

~5000Ns/m

の流動抵抗と、150g/m

~600g/m

の目付とを有する吸音性不織布の製造方法であって、
I.テキスタイル廃棄物を提供する工程であって、前記テキスタイル廃棄物は、以下:
a)平均繊度が0.9dtex~8.8dtexであるフレームワークステープル繊維を、前記テキスタイル廃棄物の総重量に対して50重量%~90重量%の割合で含み、かつ
b)芯鞘型バインダー繊維を、前記テキスタイル廃棄物の総重量に対して10重量%~50重量%の割合で含むものとする工程と、
II.前記テキスタイル廃棄物のテキスタイル構造を破砕工程で少なくとも部分的に崩壊させることにより、ある割合の破砕フレームワークステープル繊維とある割合の破砕芯鞘型バインダー繊維とを含む処理済みのテキスタイル廃棄物を得る工程と、
III.前記処理済みのテキスタイル廃棄物から不織布を形成する工程と、
IV.前記不織布を熱処理して、吸音性不織布を得る工程と
を含む、方法。
【請求項9】
前記テキスタイル廃棄物を湿らせる工程I.2をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記破砕工程を破砕機で行い、その動作原理は、前記テキスタイル廃棄物が、搬送作用と同時にクランプ作用をも有する引込システムを通って破砕ユニット、有利には破砕エレメントが配置された回転ドラムに供給されるというものであり、前記破砕エレメントは、鋸歯セットとして形成されていることを特徴とする、請求項8または9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低目付のサスティナブルな吸音性不織布に関する。本発明はさらに、その製造方法およびその使用に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【0002】
吸音性不織布は、様々な用途で使用されている。重要な使用分野の1つは、自動車産業における吸音材としての使用である。欧州特許出願公開第3246442号明細書には、以下:
a)平均繊度が3dtex~17dtexの太いステープル繊維と、フレームワーク繊維としての、平均繊度が0.3dtex~2.9dtex、特に0.5dtex~2.9dtexの細いステープル繊維とを含む、少なくとも1つの開孔支持体層と、
b)該支持体層上に配置された、繊維径が10μm未満のマイクロ繊維を含むマイクロ多孔質流動層と
を含む吸音性テキスタイル複合材が記載されている。該吸音性テキスタイル複合材の流動抵抗は、250Ns/m

~5000Ns/m

、特に250Ns/m

~2000Ns/m

である。支持体層は、結合繊維として芯鞘型繊維を含むことができる。
【0003】
吸音材は、良好な音響特性と低目付とを兼ね備えていると有利である。また、少なくとも部分的にサスティナブルな資源から製造されていると有利である。
【0004】
サスティナブルな吸音材を製造する1つのアプローチが、再生繊維材料を原料として使用することである。しかし、市販されているこの種の吸音材は、外観が非常に不均一である。さらに、こうした吸音材は一般的に吸音能力が低いため、通常は600g/m

を超える比較的高目付で使用しなければならない。このことは、自動車の望ましい軽量構造を達成しようとする尽力の高まりに反するものである。
【0005】
別のアプローチは、再生PETボトルから得られるr-PET繊維の使用である。このアプローチでは、確かに、より軽量の材料で所望の吸音性を達成することができる。しかし、PETボトルは将来的にますます希少な資源となるため、効率的な吸音材を製造するためには、サスティナブルな繊維資源の他の代替物が必要となる。したがって、本発明の課題は、再生PETボトルから得られるr-PET繊維を原料源として使用する必要がなく、かつ良好な音響特性および機械特性を有するサスティナブルな吸音材を提供することである。さらなる課題は、該吸音材の製造方法およびその使用を提供することである。
【0006】
この課題は、1993年5月版のDIN EN 29053に準拠して測定された、150Ns/m

~5000Ns/m

、有利には150Ns/m

~3000Ns/m

、なおもより好ましくは150Ns/m

~2000Ns/m

、特に150Ns/m

~1000Ns/m

の流動抵抗と、150g/m

~600g/m

の目付とを有するサーマルボンド吸音性不織布であって、該不織布は、
a)平均繊度が0.9dtex~8.8dtex、有利には0.9dtex~6.7dtex、特に0.9dtex~3.3dtexであるフレームワークステープル繊維を、不織布の総重量に対して50重量%~90重量%、好ましくは60重量%~80重量%、なおもより好ましくは70重量%~80重量%の割合で含み、かつ
b)芯鞘型バインダー繊維を、不織布の総重量に対して10重量%~50重量%、好ましくは20重量%~40重量%、なおもより好ましくは20重量%~30重量%の割合で含み、
フレームワークステープル繊維は、ある割合の破砕フレームワークステープル繊維を含み、芯鞘型バインダー繊維は、ある割合の破砕芯鞘型バインダー繊維を含む、サーマルボンド吸音性不織布によって解決される。
【0007】
本発明による不織布は、破砕繊維の割合にもかかわらず、非常に良好な音響特性および機械的特性を有することが見出された。破砕繊維とは、テキスタイル廃棄物の構造を崩壊させるための機械的プロセス(破砕工程)で得られた繊維である。通常、繊維は破砕工程で非常に高い機械的応力を受け、それにより部分的に破壊されるため、観察された良好な音響特性および機械特性は驚くべきものであった。加えて、先行技術の不織布に含まれる破砕繊維は、短繊維の割合と未崩壊の糸状材料片やシート状材料片の割合とを有する広範な様々な繊維長を有する。このため、一次繊維と比較して特性プロファイルが大きく変化する。その結果、特に音響特性が低下することが予想された。不織布の製造時に、破砕芯鞘型バインダー繊維の鞘が2回目でも十分に再溶融し、それにより結合が可能になることは特に驚くべきことであった。
【0008】
上記で説明したように、破砕繊維とは、破砕工程でテキスタイル廃棄物から得られた繊維である。破砕工程とは、テキスタイル廃棄物の構造を崩壊させるための機械的プロセスである。この工程の目的は、テキスタイル廃棄物に含まれる繊維を回収し、新たな製造サイクルの原料として再利用することである。
【0009】
破砕工程は、例えばHilmar Fuchs、Wilhelm Albrecht著、Vliesstoffe: Rohstoffe, Herstellung, Anwendung, Eigenschaften, Pruefung (18. Juli 2012), zweite Ausgabe, Wiley VCHに記載されている。
【0010】
一方で、一次繊維とは、破砕プロセスによるリサイクルがなされていない本発明による繊維である。破砕繊維は、損傷した繊維構造を有するという点で、一次繊維と区別することができ、これは視覚的に認識可能である。このことは例えば、破砕フレームワーク繊維において、捲縮構造が不規則にもしくは完全に破壊されており、かつ/または繊維長が不均一であることに現れている。破砕バインダー繊維はさらに、少なくとも再溶融される前に少なくとも部分的に破壊されたバインダー成分を有しており、このことは、不規則な繊維外形に現れている。破砕芯鞘型バインダー繊維に、本発明による不織布のようにサーマルボンディングが施されている場合、こうした繊維は例えば、より不規則な構造を有しており、この構造において、例えば2つの芯が共通の1つの鞘に包囲されているか、または鞘が変形して例えば凝集しているという点で、サーマルボンド一次芯鞘型バインダー繊維と区別することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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