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公開番号2024128358
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037293
出願日2023-03-10
発明の名称スパンボンド不織布およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D04H 3/16 20060101AFI20240913BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】 低い目付であっても優れた強度を有し、柔軟性や肌触りに優れたスパンボンド不織布を提供すること。
【解決手段】 芯成分と鞘成分からなる芯鞘型複合繊維で構成されてなるスパンボンド不織布であって、前記芯成分が、分岐指数gが0.950以上0.990以下であり、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.950以上0.995以下である、ポリプロピレン系樹脂であり、前記鞘成分が、ポリプロピレン系樹脂であり、融着部と非融着部とを有する、スパンボンド不織布。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
芯成分と鞘成分からなる芯鞘型複合繊維で構成されてなるスパンボンド不織布であって、前記芯成分が、分岐指数gが0.950以上0.990以下であり、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.950以上0.995以下である、ポリプロピレン系樹脂であり、前記鞘成分が、ポリプロピレン系樹脂であり、融着部と非融着部とを有する、スパンボンド不織布。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記非融着部における芯鞘型複合繊維の芯成分の配向パラメータOcが5.0以上8.0以下である、請求項1に記載のスパンボンド不織布。
【請求項3】
前記非融着部における芯鞘複合繊維の鞘成分の配向パラメータOsに対する芯成分の配向パラメータOcの比率Oc/Osが1.2以上2.0以下である、請求項1または2に記載のスパンボンド不織布。
【請求項4】
前記芯鞘複合繊維の鞘成分の融解ピーク温度Tms(℃)と芯成分の融解ピーク温度Tmc(℃)とが以下の式1を満たす、請求項1または2に記載のスパンボンド不織布。
Tmc-30≦Tms≦Tmc-5 ・・・(式1)
【請求項5】
芯成分として、分岐指数gが0.950以上0.990以下であり、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.950以上0.995以下である、ポリプロピレン系樹脂と、鞘成分として、ポリプロピレン系樹脂と、を吐出孔を有する複合紡糸口金から紡出した後、紡出された糸条を冷却固化し、エジェクターにて紡糸速度3500m/分以上6500m/分以下で牽引、延伸して芯鞘複合繊維を得る工程と、
前記芯鞘複合繊維を、ネット上に捕集して繊維ウェブを形成する工程と、
前記繊維ウェブを、熱接着する工程と、
を有する、スパンボンド不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スパンボンド不織布に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料やマスクには、低価格であることや実使用における適度な柔軟性と物理特性を得やすいことから、スパンボンド不織布が多く用いられる。そして、これらの用途では、1回の使用で廃棄し、その後、焼却処分や埋め立て処分する場合が多く、環境配慮の観点から、使用するプラスチック量の削減が求められている。
【0003】
スパンボンド不織布におけるプラスチック量を削減することは、具体的には、1m

あたりの不織布質量である目付(g/m

)を低減するということであるが、この目付を低減すればするほど、一般には不織布の引張強度が低下し、実使用時に破れやすくなる。そこで、スパンボンド不織布の強度を向上させる方法について、種々検討されている。
【0004】
一般には、スパンボンド不織布の強度を向上する手法としては、構成する繊維そのものの強度を向上させる方法と、構成する繊維同士の接着点を増やす方法との2つが考えられる。前者としては、例えば、特許文献1には、分子量分布(Mw/Mn)とMFRが特定の範囲のポリプロピレン樹脂であって、逆挿入プロピレン単位の割合を一定以下とし、さらに、特定の溶融強度を有するポリプロピレンを特定量添加することが提案されている。糸のテナシティと伸びやすさの両立を図れることが記載されている。また、後者としては、例えば、特許文献2に、ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレートや紡糸条件を制御することで結晶子サイズを小さくし、融点および融解熱量を特定の範囲とすることが提案されている。そして、これによって、スパンボンド不織布の製造工程における熱接着性を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2008-523231号公報
特開2019-196576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、糸の強度をある程度向上させることはできるが、スパンボンド不織布を構成する繊維に用いた際には、高溶融強度ポリプロピレンの添加量が相対的に少なくなることにより、十分な熱接着性を得られない傾向がある。そのため、スパンボンド不織布の強度はそこまで高くなるものではない。
【0007】
一方、特許文献2に開示された方法では、熱接着性はある程度向上させることができ、一定の強度を有するスパンボンド不織布とすることができるものの、繊維の強度は結晶子サイズが十分に大きくないことからやや低くなる傾向にあり、スパンボンド不織布の強度としては、まだ改善の余地がある
そこで本発明の目的は、低い目付であっても優れた強度を有し、柔軟性や肌触りに優れたスパンボンド不織布を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記の目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、スパンボンド不織布を構成する繊維のポリプロピレン樹脂について、分岐指数gを特定の範囲とすることによって、スパンボンド不織布を構成する繊維の強度を向上でき、従前よりも高い強度のスパンボンド不織布を得られるという知見を得た。
【0009】
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0010】
[1] 芯成分と鞘成分からなる芯鞘型複合繊維で構成されてなるスパンボンド不織布であって、前記芯成分が、分岐指数gが0.950以上0.990以下であり、アイソタクチックペンタッド分率(mmmm)が0.950以上0.995以下である、ポリプロピレン系樹脂であり、前記鞘成分が、ポリプロピレン系樹脂であり、融着部と非融着部とを有する、スパンボンド不織布。
(【0011】以降は省略されています)

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