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公開番号
2024147965
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-17
出願番号
2023060754
出願日
2023-04-04
発明の名称
合成樹脂成形材料の除湿乾燥システム
出願人
株式会社大阪冷研
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
F26B
25/00 20060101AFI20241009BHJP(乾燥)
要約
【課題】エネルギーロスの抑制と、エネルギーの効率化を図ることができる合成樹脂成形材料の除湿乾燥システムを提供することを目的とする。
【解決手段】除湿乾燥システム1は、合成樹脂成形材料を貯留する貯留ホッパー4と、合成樹脂成形材料を収容する乾燥ホッパー2と、乾燥ホッパー2に導入される乾燥空気を生成する除湿装置8と、乾燥ホッパー2から除湿装置8に導入される乾燥ホッパー2で合成樹脂成形材料を乾燥した後の加湿空気を冷却する冷却器13と、を備える。冷却器13は、外気との熱交換により加湿空気を冷却するように構成され、貯留ホッパー4は、予熱ガスの導入により内部の合成樹脂成形材料を予熱するように構成され、冷却器13から排出される加湿空気との熱交換により昇温した外気の少なくとも一部が予熱ガスとして貯留ホッパー4に移送される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
合成樹脂成形材料を貯留する貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーから供給される前記合成樹脂成形材料を収容する乾燥ホッパーと、
前記乾燥ホッパー内の前記合成樹脂成形材料を乾燥するために前記乾燥ホッパーに導入される乾燥空気を生成する除湿装置と、
前記除湿装置から前記乾燥ホッパーに前記乾燥空気を移送するための乾燥空気流路と、
前記乾燥ホッパーから排出される前記合成樹脂成形材料を乾燥した後の加湿空気を前記除湿装置に移送するための加湿空気流路と、
前記加湿空気流路に設けられ、前記加湿空気を冷却する冷却器と、
を備えた、合成樹脂成形材料の除湿乾燥システムであって、
前記冷却器は、外気との熱交換により前記加湿空気を冷却するように構成され、
前記貯留ホッパーは、予熱ガスの導入により内部の合成樹脂成形材料を予熱するように構成され、
該除湿乾燥システムは、
前記冷却器から排出される前記加湿空気との熱交換により昇温した外気の少なくとも一部を前記予熱ガスとして前記貯留ホッパーに移送するための予熱ガス流路をさらに備える、ことを特徴とする除湿乾燥システム。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記除湿装置は、吸着剤を含んでおり、前記加湿空気に含まれる水分を前記吸着剤による吸着により前記加湿空気から除去して前記乾燥空気を生成し、かつ、前記吸着剤が吸着した水分を再生ガスによる脱着により前記吸着剤から除去して前記吸着剤を再生するように構成され、
該除湿乾燥システムは、
前記冷却器から排出される前記加湿空気との熱交換により昇温した外気の一部を前記再生ガスとして前記除湿装置に移送するための再生ガス流路と、
前記再生ガス流路に設けられ、前記冷却器から排出される前記外気を加熱する第一加熱器と、
をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の除湿乾燥システム。
【請求項3】
前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路と、
前記再生ガス流路において前記第一加熱器よりも上流側に設けられた予熱器と、
をさらに備え、
前記予熱器は、前記再生処理済ガスとの熱交換により、前記冷却器から排出される前記外気を予熱するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の除湿乾燥システム。
【請求項4】
前記再生処理済ガスの一部を、前記再生処理済ガス流路から前記再生ガス流路の前記第一加熱器よりも上流側に混合するための循環流路をさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の除湿乾燥システム。
【請求項5】
前記加湿空気流路に設けられ、前記冷却器により冷却された前記加湿空気の温度を計測する温度センサと、
前記温度センサによる計測温度に基づいて、前記冷却器に圧縮した外気を供給する送風機の送風量を制御する制御機器と、
をさらに備える、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の除湿乾燥システム。
【請求項6】
前記冷却器に供給される外気を浄化するフィルター装置をさらに備える、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の除湿乾燥システム。
【請求項7】
前記乾燥空気流路に設けられ、前記乾燥空気を加熱する第二加熱器と、
前記乾燥空気流路において前記第二加熱器よりも上流側に設けられた熱交換器と、
をさらに備え、
前記熱交換器は、前記乾燥ホッパーから排出された前記加湿空気との熱交換により、前記乾燥空気を予熱するように構成されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の除湿乾燥システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば樹脂ペレットなどの合成樹脂成形材料から水分を取り除く除湿乾燥システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
合成樹脂成形材料は、一般にペレット状に加工された状態で射出成形機などの樹脂成形機に供給される。樹脂ペレットは、大気中の水分を吸湿しており、水分を多く有する状態であると、溶融混練過程で加水分解を起こし、成形品の強度や耐衝撃性の低下を引き起こすなど、成形品の品質を著しく低下させる。そのうえ、成形品の外観的欠陥も引き起こす。そのため、樹脂ペレットは、水分が取り除かれてから射出成形機などに供給される。
【0003】
樹脂ペレットの水分を取り除く手段として、例えば、樹脂ペレットを収容した乾燥ホッパーに高温の乾燥空気を導入し、乾燥ホッパー内で樹脂ペレットに高温の乾燥空気を接触させる方法が従来から行われている。乾燥空気により樹脂ペレットを加熱し、これにより樹脂ペレットが乾燥することで、樹脂ペレットの表面に付着した水分や内部に含まれる水分が樹脂ペレットから取り除かれる(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
図3は、乾燥ホッパー100に高温の乾燥空気を導入するための除湿乾燥システムについて、従来例の概略構成を示す。乾燥空気は、加熱器101で例えば150℃から180℃に加熱されて乾燥ホッパー100に導入される。乾燥ホッパー100内には樹脂ペレットがホッパーローダー102から送り込まれる。乾燥ホッパー100内の樹脂ペレットは、高温の乾燥空気によって加熱される。これにより、乾燥した樹脂ペレットは、電磁弁103を開放動作させることにより輸送配管104から樹脂成形機105に供給される。
【0005】
樹脂ペレットの乾燥に供された乾燥空気は、樹脂ペレットから水分を取り除くことにより加湿されるため、加湿空気となって乾燥ホッパー100から排出される。乾燥ホッパー100から排出された加湿空気は、集塵装置107で加湿空気に含まれる異物が取り除かれ、冷却器108で冷却され、送風機109で圧縮され、冷却器110で再び冷却された後に、除湿装置106に導入される。そして、加湿空気は、除湿装置106で除湿されて、再び乾燥ホッパー100内の樹脂ペレットを乾燥するための乾燥空気として用いられる。
【0006】
ここで、冷却器108,110は、一般的には水冷式の熱交換器であり、加湿空気を冷却水との熱交換により冷却して加湿空気の温度を下げる。乾燥ホッパー100から排出された加湿空気の温度は例えば60℃から80℃であり、加湿空気の温度は冷却器108によって例えば40℃に低下する。また、送風機109を通過した際に上がった加湿空気の温度は冷却器110によって例えば40℃に低下する。加湿空気の温度が低温であると、加湿空気に含まれる水分が除湿装置106において効率よく吸着剤によって吸着される。
【0007】
除湿装置106は、吸着剤を含んでおり、加湿空気に含まれる水分を吸着剤により吸着することで加湿空気から除去するように構成されている。これにより、加湿空気が除湿されて、乾燥空気が生成される。乾燥空気は、送風機111により圧縮され、フィルター装置112により異物が除去され、加熱器101により加熱された後に、再び乾燥ホッパー100に導入される。
【0008】
除湿装置106において吸着剤を再生するための再生ガスは、一般的に外気が用いられる。外気は、フィルター装置113により異物が除去され、送風機114により圧縮され、加熱器115により例えば200℃から230℃に加熱された後に、除湿装置106に導入される。再生ガスは、除湿装置106で吸着剤の再生に供された後は、除湿装置106から排出されて、系外に排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
実公平7-19770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した図3に示す除湿乾燥システムでは、加湿空気を除湿装置106に導入する前に加湿空気を冷却するための冷却器108,110が水冷式である。水冷式の冷却器108,110は、冷却水により加湿空気を効率的に冷却できるが、加湿空気の冷却に伴って加湿空気が有する熱エネルギーを回収した冷却水はクーリングタワーで冷却される。そのため、従来の除湿乾燥システムでは、回収した熱エネルギーを有効に活用できない。
(【0011】以降は省略されています)
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