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公開番号2024058951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022166387
出願日2022-10-17
発明の名称乾燥システム
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人
主分類F26B 15/00 20060101AFI20240422BHJP(乾燥)
要約【課題】従来よりも溶剤の回収能力を向上させることができる乾燥システムを提供することを目的としている。
【解決手段】塗膜が形成された基材が内部を通過する筐体部を有し、当該筐体部に加熱したガスを導入することによって塗膜を加熱して溶剤を気化させる複数の乾燥ユニットと、前記乾燥ユニットから排出された前記溶剤を含むガスを冷却することによって、前記溶剤を液化させて回収する複数の溶剤回収ユニットと、前記乾燥ユニットと前記溶剤回収ユニットとの間でガスを循環させる循環路と、を備える乾燥システムであって、前記乾燥ユニットは、各々の前記筐体部が基材の搬送経路に沿って連通するように設けられ、複数の前記溶剤回収ユニットのうち少なくとも1組の前記溶剤回収ユニットの間には、前記溶剤回収ユニットにより冷却されたガスを他方の前記溶剤回収ユニットに送る連結路が設けられている構成とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
塗膜が形成された基材が内部を通過する筐体部を有し、当該筐体部に加熱したガスを導入することによって塗膜を加熱して溶剤を気化させる複数の乾燥ユニットと、
前記乾燥ユニットから排出された前記溶剤を含むガスを冷却することによって、前記溶剤を液化させて回収する複数の溶剤回収ユニットと、
前記乾燥ユニットと前記溶剤回収ユニットとの間でガスを循環させる循環路と、を備える乾燥システムであって、
前記乾燥ユニットは、各々の前記筐体部が基材の搬送経路に沿って連通するように設けられ、
複数の前記溶剤回収ユニットのうち少なくとも1組の前記溶剤回収ユニットの間には、前記溶剤回収ユニットにより冷却されたガスを他方の前記溶剤回収ユニットに送る連結路が設けられていることを特徴とする乾燥システム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
少なくとも一部の前記溶剤回収ユニットは、前記循環路により隣接する2つ以上の前記乾燥ユニットと接続されるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥システム。
【請求項3】
前記連結路が、塗膜から気化する前記溶剤の量が比較的多い前記筐体部と接続される前記溶剤回収ユニットにより冷却されたガスを、塗膜から気化する前記溶剤の量が比較的少ない前記筐体部と接続される前記回収ユニットに向かって送るように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾燥システム。
【請求項4】
前記溶剤回収ユニットによる溶剤の冷却温度を制御する制御部を備えており、
前記制御部は、各々の前記溶剤回収ユニットの冷却温度を個別に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾燥システム。
【請求項5】
前記溶剤回収ユニットは、溶剤を含むガスを冷却する冷却部を有し、
前記冷却部は、前記筐体部の上部に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾燥システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に形成された塗膜を、加熱して溶剤を気化させることによって乾燥させ、塗膜から気化した溶剤を回収する乾燥システムに関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、ロールツーロールで搬送されるアルミ箔や、銅箔などのシート状の基材に対して、電極材料のスラリーを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を乾燥させることで正極、負極が形成されている。なお、正極を形成する場合は、主にNMP(N‐メチル‐ピロリドン)を含有するスラリーが基材に塗布される。
【0003】
塗膜の乾燥は、塗膜を加熱して塗膜に含まれる溶剤等を気化させることによって行われている。正極を形成する場合は、塗膜から溶剤であるNMPが気化する。このNMPが、大気に放出されると環境を汚染してしまう問題がある。これに対して、塗膜の加熱、乾燥を行い、塗膜から気化したNMP(以下、溶剤と呼ぶ)を回収する設備として、図7に示す乾燥システム900が用いられている。
【0004】
この乾燥システム900は、搬送される基材910が内部を通過する筐体部920と、筐体部920の内部に空気などのガスを加熱して供給する供給手段930と、筐体部920内のガスを排気する排気手段940と、排気手段940により排気された溶剤を含むガスを冷却することによって溶剤を液化させて回収する溶剤回収ユニット950と、を備えている。
【0005】
上記構成の乾燥システム900は、供給手段930により筐体部920内に高温のガスを供給することによって、筐体部920内で基材910上の塗膜を一定時間、高温環境にさらして塗膜を加熱する。この加熱によって、塗膜から気化した溶剤を含むガスを筐体部920内から排気手段940により排気する。そして、溶剤回収ユニット950は、排気手段940により排気された溶剤を含むガスを冷却することによって、溶剤を液化させて回収している(たとえば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-069435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記乾燥システム900では、溶剤を十分に回収できない場合があった。
【0008】
具体的に説明する。スラリーに含まれる溶剤は、筐体部920内で塗膜が加熱されることによって気化する。従来の乾燥システム900では、1つの筐体部920内で塗膜から気化した溶剤を1つの溶剤回収ユニット950により回収していた。この溶剤回収ユニット950による溶剤の処理容量は、溶剤回収ユニット950のガスを冷却する機構のサイズに依存するため、処理容量を高めるのには限界がある。そのため、溶剤回収ユニット950は、筐体部920から排気されたガスに含まれる溶剤の量によっては、溶剤を十分に回収できない可能性があった。
【0009】
本発明は、上記問題を鑑みてされたものであり、従来よりも溶剤の回収能力を向上させることができる乾燥システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するための本発明の乾燥システムは、塗膜が形成された基材が内部を通過する筐体部を有し、当該筐体部に加熱したガスを導入することによって塗膜を加熱して溶剤を気化させる複数の乾燥ユニットと、前記乾燥ユニットから排出された前記溶剤を含むガスを冷却することによって、前記溶剤を液化させて回収する複数の溶剤回収ユニットと、前記乾燥ユニットと前記溶剤回収ユニットとの間でガスを循環させる循環路と、を備える乾燥システムであって、前記乾燥ユニットは、各々の前記筐体部が基材の搬送経路に沿って連通するように設けられ、複数の前記溶剤回収ユニットのうち少なくとも1組の前記溶剤回収ユニットの間には、前記溶剤回収ユニットにより冷却されたガスを他方の前記溶剤回収ユニットに送る連結路が設けられていることを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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