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公開番号2024142345
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054448
出願日2023-03-30
発明の名称乾燥装置
出願人東レエンジニアリング株式会社
代理人
主分類F26B 21/00 20060101AFI20241003BHJP(乾燥)
要約【課題】従来よりも塗膜の乾燥効率を向上させることができる乾燥装置を提供することを目的としている。
【解決手段】基材の所定面に形成された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、塗膜を加熱する加熱ガスを基材の前記所定面に向けて吹き出す第1の吹出部を有する乾燥ノズルと、前記第1の吹出部から吹き出された前記加熱ガスを回収する回収手段と、を備えており、前記回収手段は、基材の前記所定面側に設けられ前記加熱ガスを引き込む開口である回収部と、前記第1の吹出部から吹き出す前記加熱ガスの量と同等以上の量のガスを回収する吸引力を前記回収部に発生させる吸引手段と、を有していることを特徴とする構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材の所定面に形成された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、
塗膜を加熱する加熱ガスを基材の前記所定面に向けて吹き出す第1の吹出部を有する乾燥ノズルと、
前記第1の吹出部から吹き出された前記加熱ガスを回収する回収手段と、を備えており、
前記回収手段は、基材の前記所定面側に設けられ前記加熱ガスを引き込む開口である回収部と、前記第1の吹出部から吹き出す前記加熱ガスの量と同等以上の量のガスを回収する吸引力を前記回収部に発生させる吸引手段と、を有していることを特徴とする乾燥装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記回収部は、前記乾燥ノズルと隣接するよう設けられており、
前記回収部を挟んで前記乾燥ノズルの外周面の一部と対向して設けられ、前記乾燥ノズルの外周面の一部と、基材の前記所定面とで、前記回収部までの前記加熱ガスの流路を形成する第1のサポート部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
【請求項3】
基材を挟んで前記乾燥ノズルと対向するよう設けられ、前記第1の吹出部により吹き出された前記加熱ガスが基材を通過した場合に、その前記加熱ガスを前記回収部に向けて跳ね返す第2のサポート部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項4】
前記第1の吹出部により吹き出された前記加熱ガスを前記流路を介して前記回収部に向うように誘導する誘導ガスを吹き出す第2の吹出部を有する回収サポート手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の乾燥装置。
【請求項5】
前記第1の吹出部は、基材の搬送方向に所定の間隔を空けて複数設けられており、
前記回収サポート手段は、底面が基材の前記所定面と対向するよう各々の前記第1の吹出部の間に設けられた箱体であり、当該箱体の底面に第2の吹出部が形成されており、
前記回収サポート手段の底面は、基材の前記所定面との間隔が前記回収部に向かうほど大きくなるように傾斜するよう形成されていることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項6】
前記第2の吹出部は、前記第1の吹出部よりも上方に位置するよう形成されていることを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
【請求項7】
前記回収部は、基材の前記搬送方向と直交する幅方向における前記乾燥ノズルの中央部に設けられ、
前記第1の吹出部は、前記幅方向において前記回収部を挟むように複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の基材を搬送しながら、基材に形成された塗膜を乾燥する乾燥装置に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池の電池用極板の製造工程の中には、ロールツーロール方式の搬送装置により搬送されるシート状の基材に対して、活物質、バインダー、導電助剤、および溶媒を含む電極材料のスラリーを塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を乾燥装置により乾燥する工程がある。
【0003】
一般的なロールツーロール方式の搬送装置は、図4に示すように基材900を巻き出す巻出ロール911と、基材900を巻き取る巻取ロール912と、巻出ロール911から巻き出された基材900が巻取ロール912に巻き取られるまでに経由する搬送ロール913と、を有している(たとえば、下記特許文献1)。そして、搬送装置910は、巻出ロール911、巻取ロール912、および搬送ロール913は、基材900に所定の張力を付与しながら搬送している。
【0004】
従来の乾燥装置は、図4に示すように搬送装置910による基材900の搬送経路上に設けられ、基材900が通過する筐体部921と、筐体部921内に設けられ、高温のガスを吹き出すノズル922と、を有している(たとえば、下記特許文献2)。この乾燥装置920は、基材900上の塗膜930に対して乾燥ノズル922の吹出部923(図5を参照)から高温のガスを吹き付けることによって、塗膜930を加熱して乾燥させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-097917号公報
特開2014-173803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のような従来の乾燥装置920では、塗膜930の乾燥効率が悪い。具体的には、従来の乾燥装置920では、吹出部923から塗膜930に吹き付けたガスがノズル922と基材900との間で滞留してしまう(図5を参照)。すなわち、塗膜930を加熱したことによって熱量を奪われたガスがノズル922と基材900との間で滞留する。これにより、ノズル922から新しく吹き出した高温のガスを塗膜930に吹き付けることができないため、塗膜930を乾燥させるためにかかる時間が長くなる。すなわち、塗膜930の乾燥効率が悪くなっている。
【0007】
本発明は、上記問題を鑑みてされたものであり、従来よりも塗膜の乾燥効率を向上させることができる乾燥装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の乾燥装置は、基材の所定面に形成された塗膜を乾燥させる乾燥装置であって、塗膜を加熱する加熱ガスを基材の前記所定面に向けて吹き出す第1の吹出部を有する乾燥ノズルと、前記第1の吹出部から吹き出された前記加熱ガスを回収する回収手段と、を備えており、前記回収手段は、基材の前記所定面側に設けられ前記加熱ガスを引き込む開口である回収部と、前記第1の吹出部から吹き出す前記加熱ガスの量と同等以上の量のガスを回収する吸引力を前記回収部に発生させる吸引手段と、を有していることを特徴としている。
【0009】
上記乾燥装置によれば、回収手段が有する回収部により第1の吹出部により吹き出されて加熱ガスを回収するため、一度基材に吹き付けた加熱ガスが乾燥ノズルと基材の所定面の間で滞留することを防ぐことができ、常に新しい加熱ガスを基材の所定面に吹き付けることができる。すなわち、常に高温の加熱ガスを塗膜に当てることができる。これにより、塗膜を効率よく加熱することができるため、従来よりも塗膜の乾燥効率を向上させることができる。
【0010】
また、前記回収部は、前記乾燥ノズルと隣接するよう設けられており、前記回収部を挟んで前記乾燥ノズルの外周面の一部と対向して設けられ、前記乾燥ノズルの外周面一部と、基材の前記所定面とで、前記回収部までの前記加熱ガスの流路を形成する第1のサポート部材をさらに備える構成としてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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