TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025097366
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2023213524
出願日2023-12-19
発明の名称ネット型乾燥装置
出願人カワサキ機工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F26B 17/04 20060101AFI20250624BHJP(乾燥)
要約【課題】乾燥室内の加熱空気を効率的に利用することで、熱効率が向上した省エネルギタイプのネット型乾燥装置を提供する。
【解決手段】ネット型乾燥装置は、加熱空気を生成する加熱室と、乾燥すべき対象物を乾燥させる乾燥室と、乾燥すべき対象物を載置した状態で乾燥室内を通過させる網状のベルトコンベヤと、加熱室で生成した加熱空気を網状のベルトコンベヤの下方から上方へ通過させて乾燥室内に導入する導入機構と、加熱空気を乾燥室から網状のベルトコンベヤの上方から下方へ通過させて加熱室へ返送する返送機構とを備えている。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
加熱空気を生成する加熱室と、
乾燥すべき対象物を乾燥させる乾燥室と、
前記乾燥すべき対象物を載置した状態で前記乾燥室内を通過させる網状のベルトコンベヤと、
前記加熱室で生成した前記加熱空気を前記網状のベルトコンベヤの下方から上方へ通過させて前記乾燥室に導入する導入機構と、
前記加熱空気を前記乾燥室から前記網状のベルトコンベヤの上方から下方へ通過させて前記加熱室へ返送する返送機構と、
を備えていることを特徴とするネット型乾燥装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記網状のベルトコンベヤを摺動支持する支持台をさらに備えており、
前記導入機構は、前記加熱空気を前記支持台に設けた導入貫通口と前記網状のベルトコンベヤとを通過させて前記乾燥室に導入するように構成されており、
前記返送機構は、前記乾燥室の前記加熱空気を前記網状のベルトコンベヤと前記支持台に設けた導出貫通口とを通過させて前記加熱室に送り込むように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のネット型乾燥装置。
【請求項3】
前記導入貫通口と前記導出貫通口とは、前記支持台の互いに異なる位置でありかつ隣接した位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のネット型乾燥装置。
【請求項4】
前記導入貫通口と前記導出貫通口との間に設けられ、前記加熱室から前記導入貫通口まで通じる加熱空気供給用の流路と前記導出貫通口から前記加熱室まで通じる加熱空気返送用の流路とを隔てる隔壁をさらに備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のネット型乾燥装置。
【請求項5】
前記導入機構及び前記返送機構を流れる加熱空気を付勢するファンを備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のネット型乾燥装置。
【請求項6】
前記ファンが、前記返送機構の流路に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のネット型乾燥装置。
【請求項7】
前記返送機構は、前記導出貫通口から前記ファンまで通じる加熱空気の流路に、加熱空気に運ばれる塵を除去するフィルタを備えていることを特徴とする請求項6に記載のネット型乾燥装置。
【請求項8】
前記返送機構は、前記導出貫通口と前記フィルタとの間で前記流路の一部を遮るように前記加熱空気が流通する方向に交差して配置された整流板を備えていることを特徴とする請求項7に記載のネット型乾燥装置。
【請求項9】
前記乾燥室は前記網状のベルトコンベヤ上に載置された前記対象物を掻き上げて撹拌する撹拌部を有し、前記導出貫通口は、前記撹拌部の鉛直方向下方に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載のネット型乾燥装置。
【請求項10】
前記支持台は、前記導入貫通口の下方に複数の風導板を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のネット型乾燥装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物、水産物、粒状化学製品等の乾燥すべき対象物を、移動するネット上で乾燥させるネット型乾燥装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
加工食品の製造にあたっては、農産物や水産物等の食品原料に対し、加熱、冷却又は乾燥等の様々な加工工程が行われる。このうち、食品中の水分を除去する「乾燥工程」は、加工食品の品質、保存性及び輸送性の向上に関わるため、非常に重要な処理工程とされている。たとえば、製茶においては、生の茶葉に含まれる酸化酵素を失活させるために茶葉を加熱し、その後の所定の加工工程に適した水分含量となるように、茶葉を乾燥させていく処理が行われている。他方、製茶の現場では、生産効率向上のため、生の茶葉を速やかに大量に加工することが求められている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2では、荒茶の大量生産を可能にすると共に乾燥効率を向上させて、品質を損なわず生産コストを低減できる乾燥装置として、いわゆる、ネット型乾燥装置が提案されている。このネット型乾燥装置は、乾燥室内に茶葉を搬送する網状のベルトコンベヤ(ネットベルト)が配置され、この乾燥室内に熱風を吹き込む熱風発生装置を有するものであり、茶葉を網状のベルトコンベヤ上に載せて連続的に搬送させながら、熱風発生装置で加熱した空気にさらすことで茶葉を乾燥しているので、連続的な乾燥加工を行うことができ、大量生産に適している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-033408号公報
特開2020-080666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、茶葉をはじめ、農産物や水産物といった食品原料は多量の水分を含んでいるため、その乾燥工程では多量のエネルギを消費する。さらに、特許文献2に示されているように、従来のネット型乾燥装置においては、乾燥室内に常に大量の熱風が熱風発生装置から供給され、その供給熱風は、ベルトコンベヤ上の茶葉と接触し茶葉の水分を奪った後、乾燥室の上部に設けられた排気ダンパから装置外に放出される構造となっている。この構造によると、排気ダンパから乾燥室内の空気が装置外に放出される分だけ熱効率が低下するため、熱効率の改善が望まれていた。また、近年、気候変動による人類社会への影響が問題視されており、食品加工においても、乾燥加工で使用される燃料の使用量を低減して二酸化炭素の排出量を抑制する等、地球環境への影響をより考慮した製造装置が求められている。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、その目的は、乾燥室内の加熱空気を効率的に利用することで、熱効率が向上した省エネルギタイプのネット型乾燥装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、ネット型乾燥装置の熱効率の改善のため、乾燥室内の加熱空気を効率的に利用し得る構造について研究開発を進めてきた。より具体的には、例えば、特許文献2に示されているネット型乾燥装置について、乾燥室の上部に設けられている排気ダンパの上側に排気された加熱空気の集約部を設け、ここに集約させた加熱空気をダクトを介して熱風発生装置側に循環させる熱風循環構造が提案された。しかし、このような循環構造においては、乾燥装置上部が大型化する上、加熱空気がダクトを循環している間にせっかくの熱が奪われて熱エネルギを損失してしまうことがわかった。そこで、本発明者は、乾燥装置自体の大型化を回避しつつ、乾燥室内の加熱空気を効率的に利用し得る循環構造に係る研究開発を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るネット型乾燥装置は、加熱空気を生成する加熱室と、乾燥すべき対象物を乾燥させる乾燥室と、乾燥すべき対象物を載置した状態で乾燥室内を通過させる網状のベルトコンベヤと、加熱室で生成した加熱空気を網状のベルトコンベヤの下方から上方へ通過させて乾燥室内に導入する導入機構と、加熱空気を乾燥室から網状のベルトコンベヤの上方から下方へ通過させて加熱室へ返送する返送機構とを備えている。
【0009】
このように構成することで、対象物を乾燥させる加熱空気は、加熱室と乾燥室との間で循環することとなる。加熱空気は乾燥室内に導入された後でも高い温度を有しており、返送機構によって再び加熱室に送られた加熱空気を加熱することで、加熱室が消費する熱量を低減でき、熱効率が向上する。また、対象物が載置されている網状のベルトコンベヤに加熱空気が下方から上方へ、上方から下方へ通過するので、対象物を非常に効率的に乾燥させることができる。さらに、加熱空気を、網状のベルトコンベヤの下方から上方へ通過させて乾燥室内に導入し、乾燥室から網状のベルトコンベヤの上方から下方へ通過させて加熱室へ返送するように構成することで、加熱空気の循環経路を短くすることが可能になる。その結果、加熱空気が循環する際に失われる熱エネルギを低減することができると共に、装置の小型化を実現することも可能になる。さらにまた、乾燥室を通過した加熱空気は、対象物から水分を奪うことで水蒸気を含むため、加熱室で再加熱することで加湿熱風となる。加湿熱風は単なる熱風(加熱空気)と比べて熱伝達率が極めて高いものとされており、対象物を短時間で高い温度まで昇温させることができる。本発明に係るネット型乾燥装置は、乾燥装置内に蒸気ボイラを備えなくとも、加湿熱風を生成させることができる。この加湿熱風を対象物の乾燥に使用することで、対象物の温度を効果的に上昇させることができるため、対象物を十分に乾燥させることができると共に品質の低下を回避できる。
【0010】
網状のベルトコンベヤを摺動支持する支持台をさらに備えており、導入機構は、加熱空気を支持台に設けた導入貫通口と網状のベルトコンベヤとを通過させて乾燥室に導入するように構成されており、返送機構は、乾燥室の加熱空気を網状のベルトコンベヤと支持台に設けた導出貫通口とを通過させて加熱室に送り込むように構成されていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社クレブ
ブーツ乾燥装置
4か月前
東レ株式会社
塗膜付きシートの加熱装置
1か月前
クリーン・テクノロジー株式会社
乾燥装置
4か月前
アントム株式会社
搬送式乾燥炉
2か月前
株式会社ワカミヤ商会
乾燥装置
19日前
高砂工業株式会社
凍結乾燥装置
3か月前
セイコーエプソン株式会社
乾燥機
1か月前
株式会社大川原製作所
乾燥システム
3か月前
株式会社大川原製作所
乾燥システム
3か月前
クリーン・テクノロジー株式会社
熱風式乾燥装置
4か月前
特殊電極株式会社
塗装乾燥装置および塗装乾燥方法
3か月前
株式会社アサヒテクノ
乾燥装置及び乾燥方法
1か月前
カワサキ機工株式会社
ネット型乾燥装置
4日前
株式会社ショウワテクノ
コンテナ容器脱水装置
4か月前
株式会社大気社
熱風発生装置
4か月前
三菱電機株式会社
浴室乾燥機
4日前
京セラドキュメントソリューションズ株式会社
乾燥装置
4か月前
京セラドキュメントソリューションズ株式会社
乾燥装置
4か月前
株式会社リコー
加熱装置、画像形成装置及び液体吐出装置
3か月前
株式会社SCREENホールディングス
減圧乾燥装置
9日前
株式会社SCREENホールディングス
減圧乾燥装置
9日前
トヨタ車体株式会社
ガス処理装置
2か月前
セイコーエプソン株式会社
乾燥装置及び記録装置
3か月前
株式会社大川原製作所
乾燥システムおよび乾燥方法
3か月前
株式会社大川原製作所
乾燥システムおよび乾燥方法
3か月前
株式会社大川原製作所
横型連続伝導伝熱式乾燥機の運転方法
1か月前
BELLMATIC株式会社
非接触型送気処理システム
2か月前
BELLMATIC株式会社
非接触型送気処理システム
2か月前
BELLMATIC株式会社
非接触型送気処理システム
2か月前
株式会社ハーモ
樹脂材料除湿乾燥装置
1か月前
井関農機株式会社
穀物乾燥機
3か月前
株式会社大阪冷研
合成樹脂成形材料の乾燥装置
3か月前
ブラザー工業株式会社
乾燥装置、乾燥制御方法、および乾燥制御プログラム
2か月前
月島機械株式会社
微粒子粉末の製造装置および製造方法
3か月前
井関農機株式会社
穀物乾燥機の乾燥システム
1か月前
株式会社スギノマシン
遠心乾燥方法および遠心乾燥機
2か月前
続きを見る