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公開番号2024146910
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024057104
出願日2024-03-29
発明の名称転写式硬化性樹脂シート、車両及び車両部品
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B44C 1/165 20060101AFI20241004BHJP(装飾技術)
要約【課題】塗料層を傷つけずに転写層を剥離することができる転写式硬化性樹脂シート、並びにその転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品を提供する。
【解決手段】本発明は、熱、活性エネルギー線又は湿気により硬化可能な硬化性樹脂組成物を含む塗料層10と塗料層10の一方の面に設けられ、熱可塑性樹脂を含む転写層20とを備える転写式硬化性樹脂シート1であり、転写式硬化性樹脂シート1は、本体部2と、本体部2から面方向に突出した突起部3とを備え、突起部3の塗料層10が積層方向に転写層20まで切り抜かれた切欠き部4を有し、切欠き部4が少なくとも突起部3の本体部2側に形成されている。車両及び車両部品は、本発明の転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装されたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱、活性エネルギー線又は湿気により硬化可能な硬化性樹脂組成物を含む塗料層と、前記塗料層の一方の面に設けられ、熱可塑性樹脂を含む転写層とを備える転写式硬化性樹脂シートであって、
前記転写式硬化性樹脂シートは、本体部と、前記本体部から面方向に突出した突起部とを備え、
前記突起部の塗料層が積層方向に転写層まで切り抜かれた切欠き部を有し、前記切欠き部が少なくとも突起部の本体部側に形成されている、転写式硬化性樹脂シート。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記切欠き部が幅方向全体にわたって連続的に形成される請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項3】
前記突起部は前記塗料層を備えない請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項4】
前記突起部は、前記塗料層側に、180°折り曲げられている請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項5】
鋼板試験片と前記塗料層との界面の剥離強度B(N/25mm)に対する前記転写層と前記塗料層との界面の剥離強度A(N/25mm)の比(A/B)が0.5以下である請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項6】
前記転写層と前記塗料層との界面の剥離強度Aが2N/25mm以下である請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項7】
前記塗料層が、着色剤を含まないクリア層と、前記クリア層の前記転写層側とは反対側に設けられ、着色剤を含むカラー層とを含む請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項8】
前記硬化性樹脂組成物が、(メタ)アクリル樹脂(A)とブロックイソシアネート(B)を含む請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項9】
ゲル分率が50%以下である請求項1に記載の転写式硬化性樹脂シート。
【請求項10】
前記転写層が、環状オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む請求項1項に記載の転写式硬化性樹脂シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装に使用する転写式硬化性樹脂シート、並びにその転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
家具や鋼板、車両のボディーなどには、意匠性や耐久性の観点から塗装や装飾が施される。装飾は、例えば、加飾フィルムなどのフィルムを用いて行われることが知られている。加飾フィルムは、一般的に、加飾用の樹脂層を保護するための保護層や、樹脂層を転写する際に基材となる離型層などが設けられ、これら離型層、保護層を剥離しながら、樹脂層を対象物に転写させる。また、意匠性、耐久性を高めるために、樹脂層が、2層以上の多層構造を有することもある。
【0003】
上記の通り、加飾フィルムは、多くの層で構成されるために、保護層や離型層を剥離する際に意図しない界面で剥離され施工が難しいことがある。また、立体形状を有する物品に対して貼り付ける際に、対象物の形状に十分に追従できないことがある。さらには、加飾フィルムは、対象物に対する接着が一般的に粘着層で行われることが多く、対象物からの剥がれや浮き等が発生することも多い。
【0004】
例えば、特許文献1には、加飾フィルムとして、離型性支持体と、転写層と、装飾層と、粘着層と、剥離フィルムとがこの順に積層される転写シートが開示される。この転写シートでは、転写層が、粘着剤と電離放射線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れかを含有し、かつ離型性支持体と転写層との間の剥離強度が、剥離フィルムと粘着層との間の剥離強度よりも大きいことが示されている。また、転写フィルムは、離型性支持体が剥離される前に、電離放射線が照射され、又は加熱されることで、離型性支持体と転写層との間の剥離強度が低くされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-048426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の加飾フィルムは、離型性支持体と剥離フィルムの剥離強度が上記のように調整されることで、離型性支持体や離型フィルムを剥離する際の意図しない界面での剥離を防止することができる。
しかし、特許文献1の方法によれば、加飾フィルムを被着体に貼り付けた後、離型性支持体と剥離フィルムを剥離する際、装飾層を手で引っ掻いて装飾層を傷つけてしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、塗料層を傷つけずに転写層を剥離することができる転写式硬化性樹脂シート、並びにその転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、転写式硬化性樹脂シートに突起部を設けるとともに、突起部の塗料層を切り欠くことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]熱、活性エネルギー線又は湿気により硬化可能な硬化性樹脂組成物を含む塗料層と、前記塗料層の一方の面に設けられ、熱可塑性樹脂を含む転写層とを備える転写式硬化性樹脂シートであって、前記転写式硬化性樹脂シートは、本体部と、前記本体部から面方向に突出した突起部とを備え、前記突起部の塗料層が積層方向に転写層まで切り抜かれた切欠き部を有し、前記切欠き部が少なくとも突起部の本体部側に形成されている、転写式硬化性樹脂シート。
[2]前記切欠き部が幅方向全体にわたって連続的に形成される上記[1]に記載の転写式硬化性樹脂シート。
[3]前記突起部は前記塗料層を備えない上記[1]又は[2]に記載の転写式硬化性樹脂シート。
[4]前記突起部は、前記塗料層側に、180°折り曲げられている上記[1]又は[2]に記載の転写式硬化性樹脂シート。
[5]鋼板試験片と前記塗料層との界面の剥離強度B(N/25mm)に対する前記転写層と前記塗料層との界面の剥離強度A(N/25mm)の比(A/B)が0.5以下である上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[6]前記転写層と前記塗料層との界面の剥離強度Aが2N/25mm以下である上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[7]前記塗料層が、着色剤を含まないクリア層と、前記クリア層の前記転写層側とは反対側に設けられ、着色剤を含むカラー層とを含む上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[8]前記硬化性樹脂組成物が、(メタ)アクリル樹脂(A)とブロックイソシアネート(B)を含む上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[9]ゲル分率が50%以下である上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[10]前記転写層が、環状オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[11]3次元形状に賦形されている上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シート。
[12]上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両。
[13]上記[1]~[11]のいずれか1つに記載の転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両部品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、塗料層を傷つけずに転写層を剥離することができる転写式硬化性樹脂シート、並びにその転写式硬化性樹脂シートを用いて塗装された車両及び車両部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1(a)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの平面図であり、図1(b)は図1(a)のA-A断面図である。
図2(a)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの変形例の平面図であり、図2(b)は図2(a)のA-A断面図である。
図3(a)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートのさらに好ましい形態の平面図であり、図3(b)は図3(a)のA-A断面図である。
図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートを用いた塗装方法を説明するための図である。
図5は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの変形例を示す図である。
図6(a)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの変形例の平面図であり、図6(b)は図6(a)のA-A断面図である。
図7(a)及び(b)は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの変形例の平面図である。
図8は、本発明の一実施形態の転写式硬化性樹脂シートの変形例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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