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公開番号2024123752
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023031402
出願日2023-03-01
発明の名称昇華転写接着シート
出願人個人,個人
代理人個人
主分類B44C 1/17 20060101AFI20240905BHJP(装飾技術)
要約【課題】昇華染料で描画された原画を、被着物、特に天然繊維製品の所望の位置に正確に転写することができる昇華転写接着シートを提供すること。
【解決手段】熱可塑性芳香族ポリエステルとポリアクリル酸塩とが、重量比3:1~64:1の比率で混合して形成された樹脂層からなる被着面に対して接着可能な厚み10~50μmの接着シートの、一方の面に昇華性の染料又は顔料を用いた描画等が転写されてなることを特徴とする昇華転写接着シート。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性芳香族ポリエステルとポリアクリル酸塩とが、重量比3:1~64:1の比率で混合して形成された樹脂層からなる被着面に対して接着可能な厚み10~50μmの接着シートの、一方の面に昇華性の染料又は顔料を用いた描画等が転写されてなることを特徴とする昇華転写接着シート。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記熱可塑性芳香族ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ1,4-ジメチルシクロヘキサンテレフタレートから選択される少なくとも1つの成分であることを特徴とする請求項1に記載の昇華性転写接着シート。
【請求項3】
前記ポリアクリル酸塩が、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、スルホン酸変性ポリアクリル酸ナトリウム、架橋型ポリアクリル酸ナトリウムから選択される少なくとも1つの成分であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の昇華性転写接着シート。
【請求項4】
前記樹脂層が、
前記熱可塑性ポリエステルと、ポリアクリル酸ナトリウムとが重量比3:1~64:1の比率で混合して形成された厚み10~35μmの第一樹脂層と、
前記熱可塑性ポリエステルと、架橋型ポリアクリル酸ナトリウムとが重量比3:1~64:1の比率で混合して形成された厚み10~35μmの第二樹脂層との、
二層構造を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の昇華性転写接着シート。
【請求項5】
前記昇華転写接着シートの昇華性の染料又は顔料で染色していない面側に、着色顔料を含み融点が250~300℃の耐熱ポリウレタン系樹脂で形成された厚み15~30μmの下地隠蔽層を形成し、
前記下地隠蔽層の上に被着面に対して接着可能な厚み20~50μmで、融点が80~110℃のポリウレタン系樹脂の接着層を形成した、三層構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の昇華転写接着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、予め昇華性の染料又は顔料により所望の絵柄を転写した合成樹脂製シートであって、当該シートを被着物の被転写領域に加熱・加圧処理することにより、前記絵柄を転写・形成することができる昇華転写接着シートに関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
Tシャツ、スポーツウエア、ユニフォーム等の衣類に種々のデザインパターンを描画する方法として、昇華転写染色方法が知られている。昇華転写染色方法とは、昇華転写用シートに昇華可能な染料で反転画像を印刷して原画マーキングシートを作成し、次いで該原画マーキングシートと被転写物を重ね合わせて加熱・加圧処理することで、前記シートに形成された原画が染料の昇華によって被転写物に転写され、顧客の好みに合わせた色・柄・模様などのデザインが付与されるというものである。
【0003】
昇華転写染色方法に用いる転写用シートへの原画形成方法としては、スクリーン印刷やグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷などのいわゆる版を用いた方法や、多品種の小生産に適したインクジェット記録方式によりデジカメ写真やパソコンで作成した画像をプリンタに送信して形成する方法がある。
【0004】
インクジェット記録方式による例としては、原画信号からミラーイメージ画像を作成する工程と、熱昇華性染料を含有させた微粒子を分散させたインクをインクジェットプリントヘッドによりインク受容性シート面に噴射させて画像を形成することで昇華転写捺染原版を作成する工程と、任意のプリント媒体(被転写物)と前記原版を重ね合わせて加熱し、昇華染料をプリント媒体に熱昇華転写させる工程とを具備する方法(特許文献1)がある。この方法によれば、小部数のプリント媒体に簡易な方法で高精細な画像を形成することができる。
【0005】
従来、熱昇華性染料による転写の対象(被転写物)としてはポリエステル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維(ナイロンなど)、セルロース系合成繊維(アセテートなど)などの化学繊維で形成された衣類に限定されている。熱昇華性染料は、基本的に親油性であるため、染料とこれらの化学繊維との親和性が高く、接着性・染色性に優れているからである。
【0006】
近年、スポーツウエア、ユニフォーム等衣類の素材は、肌触りの良さや環境等を考慮して、木綿、麻、絹、羊毛などのいわゆる天然繊維製品が用いられ、これらを被転写物とした簡易な染色方法が求められている。
【0007】
天然繊維製品への染色方法としては、富士桜の葉から得られる色素を染着して、ポリアミン系化合物の溶液中に浸漬させることによって染色する方法(特許文献2)や、天然繊維と化学繊維を混合織物とした製品を分散染料などにより染色する方法(特許文献3)などが例示される。前者は昇華性染料によるものではなく、また後者は分散染料や昇華性染料による染色可能な化学繊維を混合したことで、「天然繊維を含む」製品を染色することができるようにしたものであり、いわゆる天然繊維100%の製品に昇華性染料で染色する技術ではない。
【0008】
ところで、昇華転写プリントは、転写紙上に描画された図案を、加熱・加圧することで、転写紙から被転写物に直接染料を昇華させてプリントする技術であり、他の染色方法と比べて省力化、加工時間の短縮、環境負荷の低減など多くの利点がある。しかし用いられる昇華性染料との親和性において適応可能な繊維素材がほぼ限定されており、親水性の天然繊維を素材とした製品への適用には、親油性の染料が馴染みにくいこともあって、充分な検討がされてきたとは言い難い。
【0009】
この点について例えば、天然繊維の布地表面に予め転写ラッカーを塗布して前処理を行う技術(特許文献4)や、予め水溶性アクリル樹脂を用いてパディング処理した綿繊維を用いて染色する技術(非特許文献1)などが開発されている。これらは染料と馴染ませるための前処理を必要としている。また、加熱溶融性の粉体を転写シートの表面に振りかけて付着させたのち、被転写物を重ね合わせて転写する技術(特許文献5)も提案された。
【0010】
前記各提案は、天然繊維製品に対して昇華転写技術を適用した点で優れたものであるが、昇華転写の利点を生かした、より簡便・簡易な適用方法については、さらに検討を進め、多様なニーズに対応できる新たな提案が求められており、本発明者らは、先に、ポリエステル系樹脂とポリウレタン系樹脂を重量比30:70~70:30の比率で混合して形成された被着面に対して接着可能な厚み10~30μmの接着シートの一方の面に昇華性染料を用いた描画等が転写されてなる昇華転写接着シートを提案している。
(【0011】以降は省略されています)

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