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公開番号2024120036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2024099147,2021536664
出願日2024-06-19,2019-08-30
発明の名称ヒト白血球抗原によって提示されるランダム化ペプチドライブラリー
出願人スリーティー バイオサイエンシズ,インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C40B 40/10 20060101AFI20240827BHJP(コンビナトリアル技術)
要約【課題】T細胞受容体(TCR)およびそれらが認識するpHLAを同定する新しい方法を提供する。
【解決手段】複数のヒト白血球抗原(HLA)-抗原ポリペプチド複合体を含む抗原スクリーニングライブラリーであって、HLA-抗原ポリペプチド複合体は、(a)HLAポリペプチドと、(b)特定のアミノ酸配列を含み、かつHLAポリペプチドのペプチド結合溝に特異的に結合するために選択されるランダム化抗原ポリペプチドと、(c)β2-ミクログロブリンポリペプチドとを含む抗原スクリーニングライブラリーが記載されている。これらのライブラリーを使用して、選択されたT細胞受容体(TCR)と相互作用してそれを刺激することができる抗原ポリペプチドを決定することができる。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
明細書または図面に実質的に記載された発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年8月31日に出願された米国仮出願第62/726,060号の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
T細胞は感染および癌への応答に関与する適応免疫応答にとって極めて重要である。T細胞は外来病原体由来ならびに自己免疫の場合のように自己由来のタンパク質を認識する。これらのタンパク質の断片(例えばペプチド)はヒト白血球抗原(HLA)分子によって提示され、かつT細胞受容体(TCR)を介してT細胞によって認識される。
【0003】
主要組織適合性複合体(MHC)クラスIのHLA分子は、主として自己抗原などの細胞によって産生された内因性抗原だけでなくウイルスタンパク質由来のペプチドなどの外来細胞内抗原をもより小さいペプチドに処理することにより生成されたペプチドを提示する。ペプチドがHLAペプチド結合溝に結合すると、MHCクラスIのHLA分子はCD8+細胞傷害性T細胞と相互作用してそれを刺激する。MHCクラスIは3つの主要な遺伝子座A、BおよびCを有し、各遺伝子座は多くの対立遺伝子に分けられている。対立遺伝子は所与の遺伝子座にある遺伝子のDNA配列を指し、通常は少なくとも4桁の数(例えばA

24:02)で表され、最初の文字は遺伝子座を示し、1番目の数字は対立遺伝子群(もしくは種類)を定め、2番目の数字は対立遺伝子群内の特異的タンパク質を定める。2番目および3番目の数字は付加することができ、それらはサイレントコーディングバリアントおよびノンコーディングバリアントをそれぞれ示す。
【0004】
特異的ペプチド-HLA複合体(pHLA)を認識するとT細胞は活性化された状態になり、(1)細胞傷害性になり、(2)サイトカインを分泌し、かつ/または(3)他の免疫細胞を動員することができる。外来もしくは自己ペプチド、HLA分子およびTCR間のこの複雑な相互作用は、免疫系が分子レベルで認識された病原体にどのように応答するかを特定する上で中核となる。免疫応答中のこの複雑な相互作用における最大の難問の1つは、認識されるペプチドの同一性に関するTCRの特異性を理解することである。TCRおよびそれらが認識するpHLAを同定する新しい方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書におけるいくつかの実施形態では、複数のヒト白血球抗原(HLA)-抗原ポリペプチド複合体を含む抗原スクリーニングライブラリーであって、HLA-抗原ポリペプチド複合体は、(a)ペプチド結合溝を含むHLAポリペプチドと、(b)配列番号1~209のいずれか1つに示されているアミノ酸配列を含み、かつHLAポリペプチドのペプチド結合溝に特異的に結合するランダム化抗原ポリペプチドと、(c)ベータ2(β2)ミクログロブリンポリペプチドとを含む抗原スクリーニングライブラリーが提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体は、A3、A11、A23、A24、A26、A30、A31、A33、A68、B7、B8、B15、B27、B40、B44、B51、B53、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8およびEからなるリストから選択されるHLAポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体は、A3、A11、A23、A24、A26、A30、A31、A33、A68、B7、B8、B15、B27、B40、B44、B51、B53、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8およびEからなるリストから選択される少なくとも5、10、15、20または25種の異なるHLAポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体は、A3、A11、A23、A24、A26、A30、A31、A33、A68、B7、B8、B15、B27、B40、B44、B51、B53、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8およびE HLAポリペプチドの全てを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体は、配列番号427~455のいずれか1つに示されているアミノ酸配列と少なくとも87.5%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含むHLAポリペプチドを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原ポリペプチド複合体は、少なくとも約10

種の異なるランダム化抗原ポリペプチドを含む少なくとも約10

種の異なるHLA-抗原ポリペプチド複合体を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、HLAポリペプチド、ランダム化抗原ポリペプチドおよびβ2-ミクログロブリンポリペプチドは単一のポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、単一のポリペプチドは第1の柔軟なポリペプチドリンカーおよび第2の柔軟なポリペプチドリンカーをさらに含む。いくつかの実施形態では、ランダム化抗原ポリペプチドは単一のポリペプチド上のHLAポリペプチドのN末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のβ2-ミクログロブリンポリペプチドのN末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをランダム化抗原ポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをβ2-ミクログロブリンポリペプチドから分離する。いくつかの実施形態では、ランダム化抗原ポリペプチドは単一のポリペプチド上のHLAポリペプチドのC末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のβ2-ミクログロブリンポリペプチドのN末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをランダム化抗原ポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをβ2-ミクログロブリンポリペプチドから分離する。いくつかの実施形態では、ランダム化抗原ポリペプチドは単一のポリペプチド上のHLAポリペプチドのN末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のβ2-ミクログロブリンポリペプチドのC末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはランダム化抗原ポリペプチドをβ2-ミクログロブリンポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはβ2-ミクログロブリンポリペプチドをHLAポリペプチドから分離する。いくつかの実施形態では、ランダム化抗原ポリペプチドは単一のポリペプチド上のHLAポリペプチドのC末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のβ2-ミクログロブリンポリペプチドのC末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをβ2-ミクログロブリンポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはランダム化抗原ポリペプチドをHLAポリペプチドから分離する。いくつかの実施形態では、β2-ミクログロブリンポリペプチドは単一のポリペプチド上のHLAポリペプチドのC末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のランダム化抗原ポリペプチドのN末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはHLAポリペプチドをランダム化抗原ポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはランダム化抗原ポリペプチドをβ2-ミクログロブリンポリペプチドから分離する。いくつかの実施形態では、ランダム化抗原ポリペプチドは単一のポリペプチド上のβ2-ミクログロブリンのC末端にあり、かつHLAポリペプチドは単一のポリペプチド上のランダム化抗原ポリペプチドのC末端にある。これらの実施形態では、第1の柔軟なポリペプチドリンカーはβ2-ミクログロブリンポリペプチドをランダム化抗原ポリペプチドから分離し、かつ第2の柔軟なポリペプチドリンカーはランダム化抗原ポリペプチドをHLAポリペプチドから分離する。
【0010】
いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体の各HLA-抗原複合体はエピトープタグを含んでいない。いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体の少なくとも1つのHLA-抗原複合体はエピトープタグを含む。いくつかの実施形態では、複数のHLA-抗原複合体の少なくとも1つのHLA-抗原複合体はエピトープタグを含んでおらず、かつ複数のHLA-抗原複合体の少なくとも1つのHLA-抗原複合体はエピトープタグを含んでいる。いくつかの実施形態では、エピトープタグはFLAGタグ、c-Mycタグ、HIS-タグ、赤血球凝集素(HA)タグ、VSVgタグまたはV5タグを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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