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公開番号2024144902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057074
出願日2023-03-31
発明の名称サイフォン式ろ過装置およびサイフォン式ろ過システム
出願人水道機工株式会社
代理人個人
主分類B01D 24/00 20060101AFI20241004BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】サイフォンを迅速に生起させる新規なサイフォン式ろ過装置を提供する。
【解決手段】ろ過水室2bは、ろ過室2aにてろ過されたろ過水を集水する。洗浄水室2cは、ろ過水室2bに集水されたろ過水を逆洗水として貯留する。排水槽3は、ろ過室2aの洗浄によって生じた排水を集水する。逆洗排水管4は、洗浄水室2cからろ過水室2bを介してろ過室2aに流入した逆洗水を排水槽3に排出する。逆洗起動機構5は、圧縮空気が所定圧力に到達した場合、この圧縮空気に由来したエアリフトを用いて逆洗排水管4の内封圧縮空気を噴出させることによって、逆洗排水管4内にサイフォンを形成して逆洗を起動する。この圧縮空気は、逆洗排水管4の内封圧縮空気とは別に生成され、かつ、ろ過損失水頭の上昇に応じて加圧される。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
サイフォン式ろ過装置において、
ろ層を通過させることによって原水をろ過するろ過室と、
前記ろ過室にてろ過されたろ過水を集水するろ過水室と、
前記ろ過水室に集水されたろ過水を逆洗水として貯留する洗浄水室と、
前記ろ過室の洗浄によって生じた排水を集水する排水槽と、
前記ろ過室内に臨んだ一端から上方に向かって延在する流入部と、前記排水槽内に臨んだ他端から上方に向かって延在する流出部と、前記流入部および前記流出部が屈曲して接続された管頂部とを有し、前記洗浄水室から前記ろ過水室を介して前記ろ過室に流入した逆洗水を、前記排水槽に排出する逆洗排水管と、
前記逆洗排水管の内封圧縮空気とは別に生成され、かつ、ろ過損失水頭の上昇に応じて加圧される圧縮空気が所定圧力に到達した場合、前記圧縮空気に由来したエアリフトを用いて前記逆洗排水管の内封圧縮空気を噴出させることによって、前記逆洗排水管内にサイフォンを形成して逆洗を起動する逆洗起動機構と
を有することを特徴とするサイフォン式ろ過装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記逆洗起動機構は、
前記圧縮空気の加圧によって管内水位が徐々に押し下げられる逆洗起動管と、
下端が前記逆洗排水管の流出部および前記逆洗起動管の下端側の双方に接続され、上端が大気中に開放されるように上方に向かって起立した脱気管とを有し、
前記逆洗起動管内の水位が所定水深に低下した時点で、前記圧縮空気に由来したエアリフトを前記脱気管内に生じさせることによって、前記逆洗排水管の内封圧縮空気を噴出させることを特徴とする請求項1に記載されたサイフォン式ろ過装置。
【請求項3】
前記逆洗起動機構は、
空気を貯留する内部空間に前記逆洗起動管の上端が臨んだ空気タンクと、
下端が前記ろ過室内に臨んでおり、上端が前記空気タンク内に臨んでおり、ろ過損失水頭を検出する損失水頭検出管とをさらに有し、
前記空気タンク内に貯留された空気は、前記損失水頭検出管の上端を超えた水位の上昇によって徐々に加圧され、前記圧縮空気として前記逆洗起動管に供給されることを特徴とする請求項2に記載されたサイフォン式ろ過装置。
【請求項4】
前記脱気管の上端開口は、前記排水槽の静止水位から所定の突出高だけ突出していることを特徴とする請求項2に記載されたサイフォン式ろ過装置。
【請求項5】
前記逆洗排水管の管頂部は、最大ろ過損失水頭よりも低い高さに設置され、
前記空気タンクは、最大ろ過損失水頭よりも低い高さに設置されていることを特徴とする請求項3に記載されたサイフォン式ろ過装置。
【請求項6】
前記逆洗起動管より分岐して前記脱気管にそれぞれが接続されている共に、それぞれの下端水深が互いに異なる複数の分岐管と、
前記複数の分岐管のそれぞれに対応して設けられ、前記複数の分岐管のいずれかを選択するために用いられる複数の選択弁と
をさらに有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載されたサイフォン式ろ過装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載され、かつ、前記排水槽が共用された複数のサイフォン式ろ過装置を有し、
前記排水槽の越流壁の上部には、前記排水槽に集水された排水を放出する放出口が設けられており、
前記放出口は、前記逆洗排水管による水の流入能力よりも低い放出能力を有し、かつ、前記逆洗排水管による流入が行われていない状態において、前記脱気管の上端が露出するまで前記排水槽内の水位を低下させることを特徴とするサイフォン式ろ過システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サイフォン式ろ過装置およびサイフォン式ろ過システムに係り、特に、貯留水を用いた逆洗(逆流洗浄)に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、水処理施設などで使用されるろ過装置の一種として、サイフォンの原理を利用して、内部に貯留した水にて逆洗を行うサイフォン式ろ過装置が知られている。例えば、特許文献1には、水の流下によって生成された負圧を用いてサイフォンの生起を促進するサイフォン式ろ過装置が開示されている。図9に示すように、このろ過装置20において、ろ過部21aは、原水を収容しつつ、収容した原水をろ過する。集水部21bは、ろ過部21aと連通しており、ろ過部21aでろ過されることにより得られるろ過水を集水する。貯留部21cは、逆洗水を貯留するとともに、集水部21bと連通しており、逆洗水を集水部21b経由でろ過部21aに供給する。逆洗サイフォン管22は、ろ過部21aに接続されており、ろ過部21a内の原水を排出することで逆洗水をろ過部21aに流入させて、ろ過部21aを洗浄する。また、ろ過装置20は、サイフォン促進機構23を備えており、このサイフォン促進機構23は、原水を放出するサイフォン促進管23aを有する。このサイフォン促進管23aは、逆洗サイフォン管22における管頂部C直下の上流側より分岐し、排水槽24に向かって立ち下がった後、その開口下端が排水槽24内に臨んでいる。サイフォン促進管23aは、逆洗サイフォン管22より供給された水が自己の流出部を流下する際に生じるエジェクタ効果によって負圧化され、この負圧によって、逆洗サイフォン管の管頂部近傍の空気が徐々に吸引される。これにより、逆洗サイフォン管22内の水位が管頂部Cに到達し易くなるため、サイフォンの生起が促進・補助される。
【0003】
また、ろ過装置20において、サイフォン促進管23aには、原水の水質に応じて開閉が選択される開閉弁25が設けられている。具体的には、原水の水質が比較的不良の場合には、開閉弁25が閉状態に設定される。したがって、サイフォン促進機構23による負圧補助は機能しない。これに対して、原水の水質が比較的良好の場合には、開閉弁25が開状態に設定される。これにより、サイフォン促進管23aを経由した水の排出が促進され、サイフォン促進機構23による負圧補助を機能させることで、ろ過部21aの洗浄が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-134595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1のろ過装置20では、開閉弁25の開状態時において、逆洗サイフォン管22内を上昇する水位がサイフォン促進管23aの分岐レベルの高さに到達した後、逆洗サイフォン管22より流入した水がサイフォン促進管23a内を流下することによって負圧を発生させる。この負圧は、水の流下時間の経過に伴って緩やかに増大していく。そのため、サイフォンを生起させるのに必要な負圧に達するまで、換言すれば、逆洗サイフォン管22内の水が管頂部Cを乗り越えるまでに時間を要するといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、サイフォンを迅速に生起させる新規なサイフォン式ろ過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決すべく、本発明は、ろ過室と、ろ過水室と、洗浄水室と、逆洗排水管と、逆洗起動機構とを有するサイフォン式ろ過装置を提供する。ろ過室は、ろ層を通過させることによって原水をろ過する。ろ過水室は、ろ過室にてろ過されたろ過水を集水する。洗浄水室は、ろ過水室に集水されたろ過水を逆洗水として貯留する。排水槽は、ろ過室の洗浄によって生じた排水を集水する。逆洗排水管は、ろ過室内に臨んだ一端から上方に向かって延在する流入部と、排水槽内に臨んだ他端から上方に向かって延在する流出部と、流入部および流出部が屈曲して接続された管頂部とを有する。この逆洗排水管は、洗浄水室からろ過水室を介してろ過室に流入した逆洗水を排水槽に排出する。逆洗起動機構は、圧縮空気が所定圧力に到達した場合、圧縮空気に由来したエアリフトを用いて逆洗排水管の内封圧縮空気を噴出させることによって、逆洗排水管内にサイフォンを形成して逆洗を起動する。この圧縮空気は、逆洗排水管の内封圧縮空気とは別に生成され、かつ、ろ過損失水頭の上昇に応じて加圧される。
【0008】
ここで、本発明において、上記逆洗起動機構は、逆洗起動管と、脱気管とを有することが好ましい。逆洗起動管は、圧縮空気の加圧によって管内水位が徐々に押し下げられる。脱気管の下端は、逆洗排水管の流出部および逆洗起動管の下端側の双方に接続され、その上端は、大気中に開放されるように上方に向かって起立している。そして、逆洗起動管内の水位が所定水深に低下した時点で、圧縮空気に由来したエアリフトを脱気管内に生じさせることによって、逆洗排水管の内封圧縮空気を噴出させる。この場合、上記逆洗起動機構は、空気タンクと、損失水頭検出管とをさらに設けてもよい。空気タンクは、空気を貯留する内部空間を備え、この内部空間には逆洗起動管の上端が臨んでいる。損失水頭検出管は、下端がろ過室内に臨んでおり、上端が空気タンク内に臨んでおり、ろ過損失水頭を検出する。ここで、空気タンク内に貯留された空気は、損失水頭検出管の上端を超えた水位の上昇によって徐々に加圧され、圧縮空気として逆洗起動管に供給される。
【0009】
本発明において、上記脱気管の上端開口は、排水槽の静止水位から所定の突出高だけ突出していることが好ましい。また、本発明において、上記逆洗排水管の管頂部は、最大ろ過損失水頭よりも低い高さに設置され、上記空気タンクは、最大ろ過損失水頭よりも低い高さに設置されていることが好ましい。
【0010】
本発明において、複数の分岐管と、複数の選択弁とを設けてもよい。複数の分岐管は、逆洗起動管より分岐して脱気管にそれぞれが接続されている共に、それぞれの下端水深が互いに異なる。複数の選択弁は、複数の分岐管のそれぞれに対応して設けられ、複数の分岐管のいずれかを選択するために用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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