TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024143947
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023067468
出願日2023-03-30
発明の名称微細藻類の分離方法と微細藻類の分離装置
出願人株式会社浜松バイオチェスト
代理人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20241003BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の課題は、新たな発想の分離手段により培養液と培養される微細藻類を分離する微細藻類の分離方法と微細藻類の分離装置とを提供することである。
【解決手段】本発明の微細藻類の分離方法と微細藻類の分離装置では、培養液に難溶性を有して沈殿するデンプンを用いたことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
微細藻類を培養液の中で培養後、前記培養液から前記微細藻類を分離するものであって、水又は前記培養液に難溶性を有して沈殿するデンプンを用い、上下方向の途中にフィルタを有する容器である分離筒体に、デンプン層を形成する為の前記デンプンを含む液と前記微細藻類を含む前記培養液を投入し、前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を排出することで、前記培養液から前記微細藻類を分離することを特徴とする微細藻類の分離方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液と前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入した後、前記デンプンを含む液と前記微細藻類を含む前記培養液を攪拌することで、前記水又は前記培養液の前記排出後に、前記微細藻類が前記デンプンの形成する前記デンプン層内にある様になさしめ分離することを特徴とする請求項1記載の微細藻類の分離方法。
【請求項3】
前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液と前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入することにおいて、前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液を入れ、前記デンプンが沈殿して前記フィルタ上に前記デンプン層が形成された後、前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入し、前記水又は前記培養液を前記排出する場合に、前記デンプン層を前記水又は前記培養液が通過でき、前記微細藻類が通過できないことで、前記微細藻類が前記デンプン層の上表面に残ることで分離することを特徴とする請求項1記載の微細藻類の分離方法。
【請求項4】
前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を前記排出する為に吸引手段をもって吸引することで、排出を促進したことを特徴とする請求項2記載の微細藻類の分離方法。
【請求項5】
前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を前記排出する為に吸引手段をもって吸引することで、排出を促進したことを特徴とする請求項3記載の微細藻類の分離方法。
【請求項6】
前記デンプン層の前記微細藻類による目詰まりを攪拌により解消することで、前記デンプンの複数回の使用を可能としたことを特徴とする請求項3に記載の微細藻類の分離方法。
【請求項7】
前記微細藻類が前記デンプンの形成する前記デンプン層内にある様になさしめ分離することで、前記微細藻類を含む前記デンプン層を食品とする食品製造を行うことを特徴とする請求項2記載の微細藻類の分離方法。
【請求項8】
微細藻類を培養液の中で培養後、水又は前記培養液に難溶性を有して沈殿するデンプンを用いて、前記培養液から前記微細藻類を分離する装置であって、
分離による前記水又は前記培養液を受ける液収納室を有する排液槽と、前記排液槽の上側に有する差込口に密着して取付・取外可能な分離筒体とを備え、前記分離筒体は、フィルタを挟んで取付・取外可能な上分離筒体と下分離筒体とを有し、前記下分離筒体の一端は、前記差込口に差し込まれる構造を有し、前記上分離筒体の上端開口から、前記デンプン、又は前記デンプンを含む液と前記微細藻類を含む前記培養液を投入し、前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を排出することで、前記培養液から前記微細藻類を分離することを特徴とする微細藻類の分離装置。
【請求項9】
前記上分離筒体の内部に差込・外し自在の攪拌具を備えたことを特徴とする請求項8記載の微細藻類の分離装置。
【請求項10】
前記排液槽は、吸引口を備え、前記吸引口を介して吸引手段による吸引をさせることで前記排出を効果的にすることを特徴とする請求項8記載の微細藻類の分離装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーグレナ等の微細藻類を培養した後、培養液から微細藻類を分離する分離方法と分離装置に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来のユーグレナ等が培養された後、培養液から微細藻類を分離・濃縮する手段として、主に、凝集手段、沈降促進手段、フィルタ又はろ過手段、遠心分離手段が行われ、特殊な手段もある。
以下記述する。
凝集手段では、培養液中に凝集の促進剤を添加するもので、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4があり、沈降促進手段では、特許文献5があり、フィルタ(又はろ過)手段では、フィルタを使う特許文献6、特許文献7、特許文献8、中空糸膜を使う特許文献9、特許文献10があり、特殊な手段として、特許文献11、特許文献12に記述がある。
以下、簡単にそれぞれの特徴を記述する。
1)凝集手段において、
特許文献1では、好塩性微細藻類を、塩を含む培養液中で培養する工程と、培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液を添加、混合して静置し、混合溶液を、沈殿物と上澄液とに分離する物である。
特許文献2では、培養した液体にアンモニア水を添加して微細藻類を凝集させるものである。
特許文献3では、微生物を含む溶液に、界面活性剤と親水性有機溶媒とを加え均一溶液を形成し、次いで、上記溶液のpHを低下させ、上記溶液を、微生物と界面活性剤と親水性有機溶媒と水とが混合している析出相と、上澄み相との二相に分離するものである。
特許文献4では、培養後に浮遊性微細藻類の培養槽に、粘性物質を分泌する性質を持つ粘性物質分泌性微細藻類を加えることで分離するものである。
この結果、特許文献1から特許文献4による凝集手段に特徴となるのは、培養液中に、タンパク質を含む有機物溶液やアンモニア水や界面活性剤と親水性有機溶媒や粘性物質を分泌する性質を持つ粘性物質分泌性微細藻類を添加することで分離させるので、これらの手間とこれらと培養微生物や藻類との分離浄化処理が後工程で必要である。
2)沈降促進手段において
特許文献5では、培養液の溶存酸素濃度を低減する溶存酸素低減手段が示され、具体的には、散気管から窒素を培養槽に導入し、培養液内を低酸素濃度にし、鞭毛活動を抑制、光遮断により、光合成もさせないことで沈降性を上げるものである。
この結果、分離は可能となるが、分離反応の速さが大きく取れないことと分離反応の速さの制御は難しいと思われる。
3)フィルタ又はろ過手段において
特許文献6では、多孔質フィルタを使用するものである。
特許文献7では、支持体2の上に固定した微生物の粒径よりも小さい孔径を有し、親水性かつ表面が平滑な平膜(フィルタ)を使用するものである。
特許文献8では、微細藻類を含む培地を互いに異なる細孔径を持つ複数の分離手段(複数フィルタ)に順番に適用するものである。
特許文献9では、クロスフロー濾過方式の中空糸膜を用いて水中の対象微生物を分離するものである。
特許文献10では、中空糸膜を用いて試料水中の対象微生物を分離、濃縮し、中空糸膜によって分離、濃縮された対象微生物を試料水よりも少ない量の溶液によって逆洗するものである。
この結果、特許文献6から特許文献10のフィルタや中空糸膜を用いた分離手段の特徴は、多数の孔を持つ膜を介して微細藻類と培養液を分離する場合に、これらの孔が微細藻類で塞がれてしまう結果、孔詰まりが必然となり、新たなフィルタや中空糸膜への交換が必要で面倒であることである。
4)遠心分離手段の例は、他数あるが、特許文献に上げるまでもない。欠点は、大量の微細藻類を濃縮分離するためには、大型かつ複数の遠心分離機等が必要となりコストなどを考えると現実的でない。更に、作動の電力消費があるので、安価な処理にならないことである。
5)特殊な分離手段
特許文献11では、試料とアミノ基被覆キトサンとを、SH基含有化合物の存在下に水性媒体中で接触させる第一の接触工程を有し、特定の微生物のアミノ基被覆キトサンとの吸着率及び脱離率が、他の微生物とは異なることを利用して微生物を分離するものである。この結果、凝集手段と同様に、アミノ基被覆キトサンとSH基含有化合物の添加と、これらと培養微生物や藻類との分離浄化処理が後工程で必要である。
更に、特許文献12では、微細藻類の分離を目的にしていないが、汚染物質を含む汚水の浄化目的で、牡蠣殻、サンゴなどのカルシウム材を敷き詰めて汚水を通過させ、同時に通過する汚染物質、特に、硫化水素を例えば牡蠣殻上に生息する嫌気性微生物で消化又は牡蠣殻の炭酸カルシウムで分解して汚染水を浄化するものであるが、汚染物の通過を遮断し水のみ通過させるフィルタの作用や、牡蠣殻自体は、常時、沈んだ状態で使用されるので、水中に浮遊から沈殿に移行することはなく、沈殿の際に、汚染物を吸着して捕獲する作用の記述もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-102158
特開2017-63769
特開2006-141351
特開2012-200250
特開2015-53863
特開2014-150768
特開2008-221058
特開2013-27378
特開2005-143379
特開2004-97087
特開2005-333830
特開S54-37354
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、上記の先行技術の欠点を克服するべく、新たな発想の分離手段により培養液と培養される微細藻類を分離する微細藻類の分離方法と微細藻類の分離装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、微細藻類の分離方法であって、
微細藻類を培養液の中で培養後、前記培養液から前記微細藻類を分離するものであって、水又は前記培養液に難溶性を有して沈殿するデンプンを用い、上下方向の途中にフィルタを有する容器である分離筒体に、デンプン層を形成する為の前記デンプンを含む液と前記微細藻類を含む前記培養液を投入し、前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を排出することで、前記培養液から前記微細藻類を分離することを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の微細藻類の分離方法において、
前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液と前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入した後、前記デンプンを含む液と前記微細藻類を含む前記培養液を攪拌することで、前記水又は前記培養液の前記排出後に、前記微細藻類が前記デンプンの形成する前記デンプン層内にある様になさしめ分離することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の微細藻類の分離方法において、
前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液と前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入することにおいて、前記分離筒体に前記デンプンを含む前記液を入れ、前記デンプンが沈殿して前記フィルタ上に前記デンプン層が形成された後、前記微細藻類を含む前記培養液を前記投入し、前記水又は前記培養液を前記排出する場合に、前記デンプン層を前記水又は前記培養液が通過でき、前記微細藻類が通過できないことで、前記微細藻類が前記デンプン層の上表面に残ることで分離することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の微細藻類の分離方法において、
前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を前記排出する為に吸引手段をもって吸引することで、排出を促進したことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の微細藻類の分離方法において、
前記分離筒体の下側から前記水又は前記培養液を前記排出する為に吸引手段をもって吸引することで、排出を促進したことを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項3に記載の微細藻類の分離方法において、
前記デンプン層の前記微細藻類による目詰まりを攪拌により解消することで、前記デンプンの複数回の使用を可能としたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
1か月前
東レ株式会社
RNAの検出方法
21日前
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
1か月前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
1か月前
東レ株式会社
RNA溶液の製造方法
1か月前
豊田合成株式会社
細胞回収具
1か月前
長谷川香料株式会社
抗菌活性評価方法
1か月前
株式会社 資生堂
融解装置
27日前
株式会社日本バイオデータ
品質管理方法
22日前
株式会社明治
細菌の検出方法
3か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
2か月前
株式会社島津製作所
溶血試薬
3か月前
個人
アルコール飲料の味覚改良方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
2か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
1か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
3か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
3か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
2か月前
株式会社雷神の風
試料採取装置
16日前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
2か月前
株式会社写真化学
菌体観察装置
7日前
メルス ナムローゼ フェンノートシャップ
CLEC12AxCD3二重特異性抗体及び疾患の治療方法
1か月前
新東工業株式会社
培養装置
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
2か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
2か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
2か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
2か月前
イチビキ株式会社
下痢・軟便の予防・軽減素材
3か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
2か月前
横河電機株式会社
観察培養装置
1か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
2か月前
新東工業株式会社
培養システム
29日前
株式会社アテクト
培養シート
1か月前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
1か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
2か月前
続きを見る