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公開番号2024143645
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056421
出願日2023-03-30
発明の名称作業車両
出願人日立建機株式会社
代理人弁理士法人武和国際特許事務所
主分類E02F 9/20 20060101AFI20241003BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】オペレータに不快感を与えることなく、走行中の作業装置を路面から浮かせた姿勢で保持することが可能な作業車両を提供する。
【解決手段】作業装置2を備えたホイールローダ1において、コントローラ5,5Aは、リフトアーム角度センサ41で検出されたリフトアーム角度θと目標角度θtとの差|θ-θt|をリフトアーム21の姿勢偏差として算出し、姿勢偏差|θ-θt|が第1閾値α以上となった場合に上昇開始制御を実行し、リフトアーム21が上昇動作を開始した場合に上昇維持制御を実行し、上昇維持制御により姿勢偏差|θ-θt|が第2閾値β以下となった場合に上昇維持制御を停止する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
車体に取り付けられた作業装置と、
前記作業装置を操作するための操作装置と、
前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出装置と、
前記作業装置を駆動する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから吐出されて前記油圧シリンダに供給される作動油の流れを制御する方向制御弁と、
前記方向制御弁を制御するコントローラと、
を備えた作業車両において、
前記コントローラは、
前記姿勢検出装置で検出される前記作業装置の姿勢と目標姿勢との差を前記作業装置の姿勢偏差として算出し、
算出した前記姿勢偏差が、所定の第1閾値以上となった場合に、前記作業装置が上昇動作を開始するように前記方向制御弁を制御する上昇開始制御を実行し、
前記上昇開始制御により前記作業装置が上昇動作を開始した場合、上昇中の前記作業装置の上昇速度が維持されるように前記方向制御弁を制御する上昇維持制御を実行し、
前記上昇維持制御により、前記姿勢偏差が、所定の第2閾値以下となった場合、前記上昇維持制御を停止する
ことを特徴とする作業車両。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記操作装置が操作されない状態が所定の規定停止時間以上経過した場合に、前記姿勢検出装置で検出された前記作業装置の姿勢を前記目標姿勢として設定する
ことを特徴とする作業車両。
【請求項3】
請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記姿勢検出装置で検出された前記作業装置の姿勢に移動平均化処理を施し、
前記移動平均化処理が施された前記作業装置の姿勢と前記目標姿勢との差を前記姿勢偏差として算出する
ことを特徴とする作業車両。
【請求項4】
請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記姿勢検出装置で検出された前記作業装置の姿勢に移動平均化処理を施し、
前記移動平均化処理が施される前の前記作業装置の姿勢と前記移動平均化処理が施された後の前記作業装置の姿勢との乖離を補正する補正率を記憶し、
前記第2閾値を前記補正率に基づいて補正し、
前記上昇維持制御により、前記姿勢偏差が、補正した前記第2閾値以下となった場合に、前記上昇維持制御を停止する
ことを特徴とする作業車両。
【請求項5】
請求項1に記載の作業車両において、
前記方向制御弁を制御する電磁制御弁を備え、
前記コントローラは、
前記電磁制御弁を介して前記方向制御弁を制御し、
前記姿勢偏差が前記第1閾値以上となった場合に、前記上昇開始制御として、前記電磁制御弁に対して出力する電流値を、前記方向制御弁のスプールが動き出さない上限であるスタンバイ電流値から徐々に上昇させ、
前記上昇開始制御により前記作業装置が上昇動作を開始した場合、前記上昇維持制御として、上昇中の前記作業装置の上昇速度が維持されるように前記電磁制御弁に対して出力している電流値を固定し、
前記上昇維持制御により前記姿勢偏差が前記第2閾値以下となった場合に、前記電磁制御弁に対して出力している電流値を前記スタンバイ電流値以下に低減する
ことを特徴とする作業車両。
【請求項6】
請求項1に記載の作業車両において、
前記コントローラは、
前記上昇開始制御により、前記姿勢偏差が、前記第1閾値よりも小さく、前記第2閾値よりも大きい所定の第3閾値以下となった場合、前記作業装置が上昇動作を開始したと判定する
ことを特徴とする作業車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、作業装置を備えた作業車両に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、ホイールローダやトラクターなどの作業車両は、作業装置を路面から浮かせた姿勢で保持しながら道路を走行する。このとき、作業装置を駆動する油圧シリンダの動作を制御する制御弁や、油圧シリンダに過度な圧力が掛かることを回避する安全弁などから作動油がリークすると、作業装置が自重により自然降下して路面に衝突してしまう可能性がある。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1に記載のトラクターでは、作業装置の現在の位置とメモリに予め記憶された記憶値との差分が、所定の基準量以上に拡大した場合に、当該差分を所定の基準量以内に収めるように作業装置を上昇させて作業装置の姿勢を自動で保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-189055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のトラクターの場合、オペレータがアクセルペダルを踏み込むとエンジンの回転数が増加し、作業装置を駆動する油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプから吐出される吐出量が増える場合には、作業装置が急に上昇してしまうおそれがある。作業装置が急に上昇することによって車体が振動し、オペレータに不快感を与えることになり得る。
【0006】
そこで、本発明の目的は、オペレータに不快感を与えることなく、走行中の作業装置を路面から浮かせた姿勢で保持することが可能な作業車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、車体に取り付けられた作業装置と、前記作業装置を操作するための操作装置と、前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出装置と、前記作業装置を駆動する油圧シリンダと、前記油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出されて前記油圧シリンダに供給される作動油の流れを制御する方向制御弁と、前記方向制御弁を制御するコントローラと、を備えた作業車両において、前記コントローラは、前記姿勢検出装置で検出される前記作業装置の姿勢と目標姿勢との差を前記作業装置の姿勢偏差として算出し、算出した前記姿勢偏差が、所定の第1閾値以上となった場合に、前記作業装置が上昇動作を開始するように前記方向制御弁を制御する上昇開始制御を実行し、前記上昇開始制御により前記作業装置が上昇動作を開始した場合、上昇中の前記作業装置の上昇速度が維持されるように前記方向制御弁を制御する上昇維持制御を実行し、前記上昇維持制御により、前記姿勢偏差が、所定の第2閾値以下となった場合、前記上昇維持制御を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オペレータに不快感を与えることなく、走行中の作業装置を路面から浮かせた姿勢で保持することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の各実施形態に係るホイールローダの一構成例を示す外観側面図である。
第1実施形態における作業装置の駆動システムの一構成例を示すシステム構成図である。
リフトアームの駆動に係る油圧回路および電気回路を示す図である。
第1実施形態に係るコントローラが有する機能を示す機能ブロック図である。
第1実施形態に係るコントローラで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
第1実施形態に係るコントローラから電磁制御弁に対して出力される出力電流値の時間推移を示したグラフである。
第2実施形態に係るコントローラが有する機能を示す機能ブロック図である。
第2実施形態に係るコントローラで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態に係る作業車両の一態様として、例えば土砂や鉱物などを掘削してダンプトラックやホッパーといった積込み先へ積み込む荷役作業を行うホイールローダについて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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