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公開番号2024143462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056167
出願日2023-03-30
発明の名称サーマルプリンタ装置
出願人イーデーエム株式会社
代理人個人
主分類B41J 15/04 20060101AFI20241003BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】印字位置の位置ずれを抑制できるサーマルプリンタ装置を提供すること。
【解決手段】サーマルプリンタ装置1は、プリントヘッド111と、印字受けローラ12と、印字受けローラ12の下流側において長尺フィルムFの弛みを吸収するように基準位置から移動する下流側バッファ移動ローラ142と、制御部18と、を備え、制御部18は、印字時において、(i)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に下流側バッファ移動ローラ142が基準位置から移動して長尺フィルムFの弛みを吸収した場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムFが基準遅延距離から長尺フィルム吸収長さを減算した実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
上流側から下流側に向けて移送される長尺状の長尺フィルムに印刷を行うサーマルプリンタ装置であって、
前記サーマルプリンタ装置の系外から長尺フィルムが導入されると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外に長尺フィルムが排出され、
プリントヘッドと、
前記プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な印字受けローラと、
前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させることが可能なフィルム移送駆動部と、
前記印字受けローラから移送される長尺フィルムを前記印字受けローラの下流側においてガイドすると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させるように前記フィルム移送駆動部が駆動された場合に、前記印字受けローラの下流側において長尺フィルムの弛みを吸収するように基準位置から移動する下流側バッファ移動ローラと、
前記フィルム移送駆動部の駆動を制御すると共に前記プリントヘッドによる印字動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印字時において、(i)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが前記基準位置から移動して長尺フィルムの弛みを吸収した場合に、前記下流側バッファ移動ローラの前記基準位置からの移動距離に応じた長尺フィルムの弛み分の長尺フィルム吸収長さを算出すると共に、前記基準遅延距離から前記長尺フィルム吸収長さを減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムが前記実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する、サーマルプリンタ装置。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記印字受けローラに向けて移送される長尺フィルムを前記印字受けローラの上流側においてガイドすると共に、前記下流側バッファ移動ローラと一体的に移動可能に前記下流側バッファ移動ローラに連結して配置される上流側バッファ移動ローラを備え、
前記上流側バッファ移動ローラ及び前記下流側バッファ移動ローラは、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように前記フィルム移送駆動部により長尺フィルムが移送された場合に、前記印字受けローラから前記上流側バッファ移動ローラまでの長尺フィルムの長さが短くなる方向で且つ前記印字受けローラから前記下流側バッファ移動ローラまでの長さが長くなる方向に、一体的に移動される、請求項1に記載のサーマルプリンタ装置。
【請求項3】
上流側から下流側に向けて移送される長尺状の長尺フィルムに印刷を行うサーマルプリンタ装置であって、
前記サーマルプリンタ装置の系外から長尺フィルムが導入されると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外に長尺フィルムが排出され、
第1プリントヘッドと、
前記第1プリントヘッドの下流側に配置される第2プリントヘッドと、
前記第1プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な第1印字受けローラと、
前記第2プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な第2印字受けローラと、
前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させることが可能なフィルム移送駆動部と、
前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラから移送される長尺フィルムを前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラの下流側においてガイドすると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させるように前記フィルム移送駆動部が駆動された場合に、前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラの下流側において長尺フィルムの弛みを吸収するように基準位置から移動する下流側バッファ移動ローラと、
前記フィルム移送駆動部の駆動を制御すると共に前記第1プリントヘッド及び前記第2プリントヘッドによる印字動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、印字時において、(i)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが前記基準位置から移動して長尺フィルムの弛みを吸収した場合に、前記下流側バッファ移動ローラの前記基準位置からの移動距離に応じた長尺フィルムの弛み分の長尺フィルム吸収長さを算出すると共に、前記基準遅延距離から前記長尺フィルム吸収長さを減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムが前記実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する、サーマルプリンタ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2プリントヘッドにより印字動作を実行する場合の印字時において、前記第2プリントヘッドの印字動作を開始する場合に、印字信号を受信してから、前記基準遅延距離又は前記実際遅延距離に、前記第1プリントヘッドから前記第2プリントヘッドまでの間に移送される長尺フィルムの長さ分のプリントヘッド間遅延距離を加えた距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する、請求項3に記載のサーマルプリンタ装置。
【請求項5】
前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラに向けて移送される長尺フィルムを前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラの上流側においてガイドすると共に、前記下流側バッファ移動ローラと一体的に移動可能に前記下流側バッファ移動ローラに連結して配置される上流側バッファ移動ローラを備え、
前記上流側バッファ移動ローラ及び前記下流側バッファ移動ローラは、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように前記フィルム移送駆動部により長尺フィルムが移送された場合に、前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラから前記上流側バッファ移動ローラまでの長尺フィルムの長さが短くなる方向で且つ前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラから前記下流側バッファ移動ローラまでの長さが長くなる方向に、一体的に移動される、請求項3又は4に記載のサーマルプリンタ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1プリントヘッドによる印字動作及び前記第2プリントヘッドによる印字動作を交互に実行するように制御する、請求項3又は4に記載のサーマルプリンタ装置。
【請求項7】
前記制御部は、1つの印字信号を受信した場合に、前記第1プリントヘッド及び前記第2プリントヘッドにより、長尺フィルムの移送方向における所定範囲内の2箇所に印字動作を実行するように制御する、請求項3又は4に記載のサーマルプリンタ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタ装置に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、プリントヘッドと、プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な印字受けローラと、を備えるサーマルプリンタ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。包装機に組み込まれるサーマルプリンタ装置において、包装機により移送される長尺フィルムの速度が遅い場合には、サーマルプリンタ装置の印字品質を保つことができないことがある。サーマルプリンタ装置において、印字受けローラの回転速度を速い回転速度に変更することで、包装機により移送される長尺フィルムの速度に対応可能なものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6313098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装機により移送される長尺フィルムの速度を包装機により移送される長尺フィルムの速度に対応させて速い速度に変更できるサーマルプリンタ装置において、長尺フィルムが最初に想定していた位置よりも先に進んでしまって、実際の印字位置が狙いの印字位置からずれてしまうことがある。そのため、印字位置の位置ずれを抑制できるサーマルプリンタ装置が望まれている。
【0005】
本発明は、系外から導入される長尺フィルムに印字動作を行うサーマルプリンタ装置において、系外の長尺フィルムの移送速度よりも速い移送速度で長尺フィルムを移送させて印字動作を行う場合に、印字位置の位置ずれを抑制できるサーマルプリンタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上流側から下流側に向けて移送される長尺状の長尺フィルムに印刷を行うサーマルプリンタ装置であって、前記サーマルプリンタ装置の系外から長尺フィルムが導入されると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外に長尺フィルムが排出され、プリントヘッドと、前記プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な印字受けローラと、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させることが可能なフィルム移送駆動部と、前記印字受けローラから移送される長尺フィルムを前記印字受けローラの下流側においてガイドすると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させるように前記フィルム移送駆動部が駆動された場合に、前記印字受けローラの下流側において長尺フィルムの弛みを吸収するように基準位置から移動する下流側バッファ移動ローラと、前記フィルム移送駆動部の駆動を制御すると共に前記プリントヘッドによる印字動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、印字時において、(i)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが前記基準位置から移動して長尺フィルムの弛みを吸収した場合に、前記下流側バッファ移動ローラの前記基準位置からの移動距離に応じた長尺フィルムの弛み分の長尺フィルム吸収長さを算出すると共に、前記基準遅延距離から前記長尺フィルム吸収長さを減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムが前記実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する、サーマルプリンタ装置に関する。
【0007】
また、本発明は、上流側から下流側に向けて移送される長尺状の長尺フィルムに印刷を行うサーマルプリンタ装置であって、前記サーマルプリンタ装置の系外から長尺フィルムが導入されると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外に長尺フィルムが排出され、第1プリントヘッドと、前記第1プリントヘッドの下流側に配置される第2プリントヘッドと、前記第1プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な第1印字受けローラと、前記第2プリントヘッドとの間に長尺フィルムを配置した状態で長尺フィルムの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能な第2印字受けローラと、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させることが可能なフィルム移送駆動部と、前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラから移送される長尺フィルムを前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラの下流側においてガイドすると共に、前記サーマルプリンタ装置の系外を移送される長尺フィルムの速度よりも前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラを移動される長尺フィルムの速度が速くなるように長尺フィルムを移送させるように前記フィルム移送駆動部が駆動された場合に、前記第1印字受けローラ又は前記第2印字受けローラの下流側において長尺フィルムの弛みを吸収するように基準位置から移動する下流側バッファ移動ローラと、前記フィルム移送駆動部の駆動を制御すると共に前記第1プリントヘッド及び前記第2プリントヘッドによる印字動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、印字時において、(i)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが基準位置に位置する場合に、印字信号を受信してから、長尺フィルムが予め設定された基準遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行し、(ii)印字信号の受信時に前記下流側バッファ移動ローラが前記基準位置から移動して長尺フィルムの弛みを吸収した場合に、前記下流側バッファ移動ローラの前記基準位置からの移動距離に応じた長尺フィルムの弛み分の長尺フィルム吸収長さを算出すると共に、前記基準遅延距離から前記長尺フィルム吸収長さを減算した実際遅延距離を算出し、印字信号を受信してから、長尺フィルムが前記実際遅延距離だけ移送された後に印字動作を開始する制御を実行する、サーマルプリンタ装置に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、系外から導入される長尺フィルムに印字動作を行うサーマルプリンタ装置において、系外の長尺フィルムの移送速度よりも速い移送速度で長尺フィルムを移送させて印字動作を行う場合に、印字位置の位置ずれを抑制できるサーマルプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置の全体構成図であって、1台のプリンタを用いた場合を示す図である。
第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置において、印字動作中に長尺フィルムの移送速度を上昇させた場合を示す図である。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置において、印字動作を終了した場合を示す図である。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置の制御ブロック図である。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置の第1制御例を示すタイミングチャートである。
第1実施形態のサーマルプリンタ装置の第2制御例を示すタイミングチャートである。
第2実施形態に係るサーマルプリンタ装置の全体構成図であって、1台のプリンタを用いた他の形態を示す図である。
第3実施形態に係るサーマルプリンタ装置の全体構成図であって、2台のプリンタを用いた場合を示す図である。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第1制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第2制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第3制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第4制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第5制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第6制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第7制御例を示すタイミングチャートである。
第3実施形態のサーマルプリンタ装置の第7制御例において、2箇所印字を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置1の全体構成図であって、1台のプリンタ11を用いた場合を示す図である。図2は、第1実施形態に係るサーマルプリンタ装置1において、印字動作中に長尺フィルムFの移送速度を上昇させた場合を示す図である。図3は、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1において、印字動作を終了した場合を示す図である。図4は、第1実施形態のサーマルプリンタ装置1の制御ブロック図である。
(【0011】以降は省略されています)

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