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公開番号
2024142653
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023054892
出願日
2023-03-30
発明の名称
チョコレート風味菓子の製造方法
出願人
味の素株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A23G
1/32 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】チョコレート風味菓子の原料として、チョコレートの原料をチョコレートまで加工することなく(換言すると、チョコレートの原料からチョコレートを製造することなく)用いても、高品質なチョコレート風味菓子を製造し得る、チョコレート風味菓子の製造方法の提供。
【解決手段】チョコレート風味菓子の製造方法であって、前記菓子の原料が、(A)カカオマス、(B)ココアバター類似脂、(C)糖類、(D)卵及び/又はクリーム、(E)穀物粉及び/又はゲル化剤、並びに(F)乳化剤を含み、かつ前記製造方法は、前記(A)及び(B)を含有する組成物を、コンチングすること及び/又はテンパリングすることを含まない、製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
チョコレート風味菓子の製造方法であって、
前記菓子の原料が、下記(A)乃至(F)を含み、かつ
前記製造方法は、下記(A)及び(B)を含有する組成物を、コンチングすること及び/又はテンパリングすることを含まない、製造方法。
(A)カカオマス
(B)ココアバター類似脂
(C)糖類
(D)卵及び/又はクリーム
(E)穀物粉及び/又はゲル化剤
(F)乳化剤
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記菓子の原料の総量に占める前記(A)の割合が、5~30重量%であり、
前記菓子の原料の総量に占める前記(B)の割合が、0.05~20重量%である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記(B)を35~80℃の加温条件で溶融させることを含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
前記(B)の融点が、25~45℃である、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
前記(B)が、CBE、CBR及びCBSからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
前記(A)を油に分散させて測定される個数基準の粒度分布における最頻粒径が、0.01~60μmである、請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
前記菓子の原料が、チョコレートを実質的に含まない、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
前記菓子の原料が、バターを更に含み、
前記(E)が、穀物粉であり、かつ
前記製造方法が、前記(A)乃至(F)及びバターを含有する混合物を焼成することを含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
前記混合物が、(i)前記(A)、(B)、(F)及びバターを加熱溶融して溶融物を得ること、並びに(ii)当該溶融物に前記(C)、(D)及び(E)を加えて混合することを含む方法で製造されるものである、請求項8記載の製造方法。
【請求項10】
前記(A)乃至(F)及びバターを含有する混合物の焼成が、120~220℃の温度で10~50分間実施される、請求項8記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チョコレート風味菓子の製造方法に関する。また、本発明は、冷凍チョコレート風味菓子の製造方法にも関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
チョコレートを原料に用いて製造された菓子は消費者の人気が高く、従来より様々なチョコレート菓子やチョコレート加工品等が提案、販売されている(例えば、特許文献1~5等)。
【0003】
チョコレートは通常、カカオマス、ココアバター等を原料とし、コンチング(精錬)、テンパリング(調温)等の特定の工程を経て製造される。これらの製造工程を適切に実施し、品質の高いチョコレートを製造するには、熟練した技術や特殊な設備が必要となる場合があり、そのため、チョコレート菓子の製造において、カカオマス、ココアバター等からチョコレートを製造し(すなわち、カカオマス、ココアバター等をチョコレートまで加工し)、当該チョコレートを用いてチョコレート菓子を製造すると、市販のチョコレートを購入して用いた場合に比べて、却って製造コストが増加したり、チョコレート菓子の品質が低下したりすることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-83817号公報
特開昭62-239948号公報
特表2019-533471号公報
特開2018-201530号公報
特開2015-202083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、チョコレート風味菓子の原料として、カカオマス等のチョコレートの原料を、チョコレートまで加工することなく(すなわち、チョコレートを製造することなく)用いても、高品質なチョコレート風味菓子を製造し得る、チョコレート風味菓子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上述の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の原料を用いて製造されたチョコレート風味菓子は、チョコレートの原料をチョコレートまで加工することなく(換言すると、チョコレートの原料からチョコレートを製造することなく)用いても、チョコレートを原料に用いて製造された菓子と遜色のない品質を有し得ることを見出し、更に研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0007】
[1]チョコレート風味菓子の製造方法であって、
前記菓子の原料が、下記(A)乃至(F)を含み、かつ
前記製造方法は、下記(A)及び(B)を含有する組成物を、コンチングすること及び/又はテンパリングすることを含まない、製造方法。
(A)カカオマス
(B)ココアバター類似脂
(C)糖類
(D)卵及び/又はクリーム
(E)穀物粉及び/又はゲル化剤
(F)乳化剤
[2]前記菓子の原料の総量に占める前記(A)の割合が、5~30重量%であり、
前記菓子の原料の総量に占める前記(B)の割合が、0.05~20重量%である、[1]記載の製造方法。
[3]前記(B)を35~80℃の加温条件で溶融させることを含む、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4]前記(B)の融点が、25~45℃である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5]前記(B)が、CBE、CBR及びCBSからなる群より選択される少なくとも一つである、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6]前記(A)を油に分散させて測定される個数基準の粒度分布における最頻粒径が、0.01~60μmである、[1]~[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7]前記菓子の原料が、チョコレートを実質的に含まない、[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[8]前記菓子の原料が、バターを更に含み、
前記(E)が、穀物粉であり、かつ
前記製造方法が、前記(A)乃至(F)及びバターを含有する混合物を焼成することを含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9]前記混合物が、(i)前記(A)、(B)、(F)及びバターを加熱溶融して溶融物を得ること、並びに(ii)当該溶融物に前記(C)、(D)及び(E)を加えて混合することを含む方法で製造されるものである、[8]記載の製造方法。
[10]前記(A)乃至(F)及びバターを含有する混合物の焼成が、120~220℃の温度で10~50分間実施される、[8]又は[9]記載の製造方法。
[11]前記製造方法が、前記(A)乃至(F)及びバターを含有する混合物を焼成して焼成物を得た後、当該焼成物を5~30℃の温度で冷却することを更に含む、[8]~[10]のいずれか一つに記載の製造方法。
[12]前記(E)が、ゲル化剤であり、かつ
前記製造方法が、前記(A)乃至(F)を含有する混合物を起泡させることを含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[13]前記混合物が、(i)前記(A)、(B)、(F)、(C)及び(D)を混合し、混合物を得ること、並びに(ii)当該混合物に前記(E)の水溶液を加えて混合することを含む方法で製造されるものである、[12]記載の製造方法。
[14]前記混合物が、(i)前記(A)、(B)及び(F)を加熱溶融して溶融物を得ること、(ii)当該溶融物に前記(C)及び(D)を加えて混合し、混合物を得ること、並びに(iii)当該混合物に前記(E)の水溶液を加えて混合することを含む方法で製造されるものである、[12]又は[13]記載の製造方法。
[15]前記(E)の水溶液が、前記(E)を30~85℃の加温条件で水に溶解させることを含む方法で製造されるものである、[13]又は[14]記載の製造方法。
[16][1]~[15]のいずれか一つに記載の製造方法で製造されるチョコレート風味菓子を凍結することを含む、冷凍チョコレート風味菓子の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のチョコレート風味菓子の製造方法によれば、チョコレート風味菓子の原料として、チョコレートの原料をチョコレートまで加工することなく(換言すると、チョコレートの原料からチョコレートを製造することなく)用いても、チョコレートを原料に用いて製造された菓子と遜色のない高品質なチョコレート風味菓子が得られうる。
本発明のチョコレート風味菓子の製造方法は、チョコレートの原料からチョコレートを製造する工程を含む必要がないため、上述の高品質なチョコレート風味菓子を安価に製造し得る。
また、本発明のチョコレート風味菓子の製造方法は、チョコレート風味菓子の原料に、市販のチョコレートを購入して用いる場合に比べ、原料の配合変更の自由度が高い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「チョコレート風味菓子」とは、チョコレート様の風味が感じられ得る菓子をいう。尚、チョコレート風味菓子は、その原料にチョコレートを必須とするものでなく、チョコレート様の風味が感じられるものであれば、チョコレートが原料に用いられていなくても、チョコレート風味菓子に包含され得る。
本明細書中、本発明のチョコレート風味菓子の製造方法を「本発明の製造方法」と称する場合がある。また、本発明の製造方法によって製造されるチョコレート風味菓子を「本発明の菓子」と称する場合がある。
【0010】
本発明の製造方法は、本発明の菓子の原料が、下記(A)乃至(F)を含むことを特徴の一つとする。換言すると、本発明の製造方法は、本発明の菓子の原料として、少なくとも下記(A)乃至(F)を用いることを特徴の一つとする。
(A)カカオマス
(B)ココアバター類似脂
(C)糖類
(D)卵及び/又はクリーム
(E)穀物粉及び/又はゲル化剤
(F)乳化剤
本明細書中、「カカオマス」、「ココアバター類似脂」、「糖類」、「卵及び/又はクリーム」、「穀物粉及び/又はゲル化剤」及び「乳化剤」を、説明の便宜上それぞれ単に「(A)」、「(B)」、「(C)」、「(D)」、「(E)」及び「(F)」と称する場合がある。
(【0011】以降は省略されています)
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