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公開番号2024155375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023070039
出願日2023-04-21
発明の名称熱硬化性樹脂組成物
出願人味の素株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C08G 59/04 20060101AFI20241024BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】室温環境下において低誘電正接を呈すると共に、高温環境下においても誘電正接の上昇が抑えられ良好な誘電正接を呈する硬化物をもたらす、新規な熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記式(1)で表される単官能エポキシ樹脂、及び、(B)ラジカル重合性化合物を含む、熱硬化性樹脂組成物。
【化1】
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024155375000028.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">16</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> (式(1)中、Rは、1価の脂肪族基を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)下記式(1)で表される単官能エポキシ樹脂、及び、(B)ラジカル重合性化合物を含む、熱硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024155375000026.tif
16
170
(式(1)中、Rは、1価の脂肪族基を表す。)
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
さらに(E)無機充填材を含む、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%としたとき、(A)成分の含有量が0.5~20質量%である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%としたとき、(B)成分の含有量が1~70質量%である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(E)成分の含有量が40質量%以上である、請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
式(1)中、Rが、下記式(2)で表される、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024155375000027.tif
11
170
(式(2)中、


は、1価の脂肪族基を表し、


及びR

は、それぞれ独立に、2価の脂肪族基を表し、
Xは、-C(=O)-O-、又は、-O-を表し、
n1は、0~50の数を表し、
n2及びn3は、それぞれ独立に、0又は1を表す。)
【請求項7】
さらに(A)成分以外のエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項8】
エポキシ樹脂の合計を100質量%としたとき、(A)成分の含有量が1質量%以上である、請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項9】
(A)成分と(B)成分との質量比((A)成分/(B)成分)が、0.01以上である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
回路基板の絶縁層用である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物に関する。さらには、樹脂シート、硬化物、回路基板、及び半導体装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
プリント配線板や半導体チップパッケージの再配線基板などの回路基板の絶縁材料には、高周波環境で作動させる際の伝送損失を抑えるべく良好な誘電特性(低誘電率、低誘電正接)を示すことが求められる。良好な誘電特性を呈する絶縁材料としては、ラジカル重合性化合物を含む絶縁材料や(例えば、特許文献1)、エポキシ樹脂の硬化剤として活性エステル樹脂を含む絶縁材料(例えば、特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-71798号公報
特開2009-235165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の通信の高速化に伴い、回路基板の絶縁材料は、更に良好な誘電特性を呈することが求められている。また、高周波環境での作動時など、半導体装置は高温環境下に曝される場合があるが、室温環境下で良好な誘電特性を呈する材料であっても、高温環境下では誘電特性(特に誘電正接)が悪化する場合があり、実使用環境下で所期の誘電特性を達成できない場合があることを見出した。
【0005】
本発明の課題は、室温環境下において低誘電正接を呈すると共に、高温環境下においても誘電正接の上昇が抑えられ良好な誘電正接を呈する硬化物をもたらす、新規な熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記構成を有する熱硬化性樹脂組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
<1>
(A)下記式(1)で表される単官能エポキシ樹脂、及び、(B)ラジカル重合性化合物を含む、熱硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024155375000001.tif
16
170
(式(1)中、Rは、1価の脂肪族基を表す。)
<2>
さらに(E)無機充填材を含む、<1>に記載の熱硬化性樹脂組成物。
<3>
熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%としたとき、(A)成分の含有量が0.5~20質量%である、<1>又は<2>に記載の熱硬化性樹脂組成物。
<4>
熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%としたとき、(B)成分の含有量が1~70質量%である、<1>~<3>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
<5>
熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、(E)成分の含有量が40質量%以上である、<2>~<4>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
<6>
式(1)中、Rが、下記式(2)で表される、<1>~<5>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
TIFF
2024155375000002.tif
11
170
(式(2)中、


は、1価の脂肪族基を表し、


及びR

は、それぞれ独立に、2価の脂肪族基を表し、
Xは、-C(=O)-O-、又は、-O-を表し、
n1は、0~50の数を表し、
n2及びn3は、それぞれ独立に、0又は1を表す。)
<7>
さらに(A)成分以外のエポキシ樹脂を含む、<1>~<6>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
<8>
エポキシ樹脂の合計を100質量%としたとき、(A)成分の含有量が1質量%以上である、<7>に記載の熱硬化性樹脂組成物。
<9>
(A)成分と(B)成分との質量比((A)成分/(B)成分)が、0.01以上である、<1>~<8>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
<10>
回路基板の絶縁層用である、<1>~<9>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
<11>
支持体と、該支持体上に設けられた<1>~<10>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物の層とを含む、樹脂シート。
<12>
支持体が、熱可塑性樹脂フィルム又は金属箔である、<11>に記載の樹脂シート。
<13>
<1>~<10>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物。
<14>
<1>~<10>の何れかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を含む、回路基板。
<15>
<14>に記載の回路基板を含む、半導体装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、室温環境下において低誘電正接を呈すると共に、高温環境下においても誘電正接の上昇が抑えられ良好な誘電正接を呈する硬化物をもたらす、新規な熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<用語の説明>
本明細書において、「脂肪族基」という用語は、脂肪族化合物から水素原子を1個以上除いた基をいう。詳細には、1価の脂肪族基とは、脂肪族化合物から水素原子を1個除いた基をいい、2価の脂肪族基とは、脂肪族化合物から水素原子を2個除いた基をいう。ここで、脂肪族化合物は、炭素原子と水素原子のみから構成されるヘテロ原子非含有の脂肪族化合物であってもよく、炭素原子及び水素原子のほか、ヘテロ原子を含んで構成されるヘテロ原子含有の脂肪族化合物であってもよい。本明細書において、「ヘテロ原子」という用語は、炭素原子及び水素原子以外の原子をいい、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0010】
本明細書において、「脂肪族炭化水素基」という用語は、炭素原子と水素原子のみから構成されるヘテロ原子非含有の脂肪族化合物から水素原子を1個以上除いた基をいう。詳細には、1価の脂肪族炭化水素基とは、ヘテロ原子非含有の脂肪族化合物から水素原子を1個除いた基をいい、2価の脂肪族基とは、ヘテロ原子非含有の脂肪族化合物から水素原子を2個除いた基をいう。1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルケニル基、置換基を有していてもよいアルカポリエニル基(二重結合の数は好ましくは2~10、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2~4、さらにより好ましくは2)が挙げられる。また2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいシクロアルキレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、置換基を有していてもよいシクロアルケニレン基、置換基を有していてもよいアルカポリエニレン基(二重結合の数は好ましくは2~10、より好ましくは2~6、さらに好ましくは2~4、さらにより好ましくは2)が挙げられる。ここで、アルキル基、アルケニル基、アルカポリエニル基、アルキレン基、アルケニレン基、アルカポリエニレン基は何れも、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。本明細書において、脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、特に記載のない限り、好ましくは1以上、より好ましくは2以上又は3以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは60以下、50以下、又は40以下である。該炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。
(【0011】以降は省略されています)

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