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公開番号2024160499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-14
出願番号2023075563
出願日2023-05-01
発明の名称オリゴ糖組成物及びマンノオリゴ糖含有水
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A23L 2/52 20060101AFI20241107BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】マンノオリゴ糖を含有するが、味や臭いは水と同等の機能性水を調製するためのオリゴ糖組成物、当該オリゴ糖組成物の製造方法、当該オリゴ糖組成物からマンノオリゴ糖を含有する水を製造する方法の提供。
【解決手段】固形分当たりのマンノオリゴ糖の含有率が70質量%以上であり、イオン交換水に溶解させることにより、420nmの吸光度がBrix10%換算で0.05以下、電気伝導度が200mS/m以下である水溶液が得られることを特徴とする、オリゴ糖組成物、及び、焙煎コーヒー豆の粉砕物の抽出残渣の加水分解物を、活性炭処理した後、両イオン交換処理することにより、固形分当たりのマンノオリゴ糖の含有率が70質量%以上であり、かつ固形分当たりの糖質の含有率が90質量%以上であるオリゴ糖組成物を調製することを特徴とする、オリゴ糖組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
固形分当たりのマンノオリゴ糖の含有率が70質量%以上であり、
イオン交換水に溶解させることにより、420nmの吸光度がBrix10%換算で0.05以下、電気伝導度が200mS/m以下である水溶液が得られることを特徴とする、オリゴ糖組成物。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
固形分当たりの糖質の含有率が90質量%以上である、請求項1に記載のオリゴ糖組成物。
【請求項3】
前記マンノオリゴ糖がコーヒー豆由来である、請求項1に記載のオリゴ糖組成物。
【請求項4】
焙煎コーヒー豆の粉砕物の抽出残渣を分解して得られたマンノオリゴ糖を含有する組成物を、活性炭処理した後、両イオン交換処理することにより得られる、請求項1に記載のオリゴ糖組成物。
【請求項5】
焙煎コーヒー豆の粉砕物の抽出残渣の加水分解物を、活性炭処理した後、両イオン交換処理することにより、固形分当たりのマンノオリゴ糖の含有率が70質量%以上であり、かつ固形分当たりの糖質の含有率が90質量%以上であるオリゴ糖組成物を調製することを特徴とする、オリゴ糖組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載のオリゴ糖組成物を、水に溶解させることによって、コーヒー豆マンノオリゴ糖の濃度が0.25g~2.0g/L、420nmの吸光度がBrix10%換算で0.05以下、電気伝導度が200mS/m以下であるマンノオリゴ糖含有水を調製することを特徴とする、マンノオリゴ糖含有水の製造方法。
【請求項7】
前記水が、イオン交換水又はRO水である、請求項6に記載のマンノオリゴ糖含有水の製造方法。
【請求項8】
コーヒー豆マンノオリゴ糖の濃度が0.25g~2.0g/L、420nmの吸光度がBrix10%換算で0.05以下、電気伝導度が200mS/m以下であることを特徴とする、マンノオリゴ糖含有水。
【請求項9】
pHが3.0~4.6である、請求項8に記載のマンノオリゴ糖含有水。
【請求項10】
色、味、及び臭いが、イオン交換水と同等である、請求項8に記載のマンノオリゴ糖含有水。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性成分であるマンノオリゴ糖を含有する水、及び当該水を製造するためのオリゴ糖組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ヒト腸内にある腸内細菌の集団は、腸内細菌叢と呼ばれており、腸内細菌叢の維持及び健全化が、ヒトの健康に重要と考えられている。腸内細菌叢の維持及び健全化に有効な方法として、プレバイオティクスの摂取が挙げられる。プレバイオティクスとしては、イヌリンなどの食物繊維や、ガラクトオリゴ糖やフラクトオリゴ糖などのオリゴ糖が知られている。
【0003】
プレバイオティクスの1つとして、D-マンノースを主たる構成とするオリゴ糖が挙げられる(特許文献1)。コーヒー抽出残渣には不溶性のマンナンが多く含まれており、酵素加水分解法(非特許文献1)、熱加水分解法(非特許文献2)などを用いて、当該オリゴ糖を産生する方法が開発されている。さらに、D-マンノースを主たる構成とするオリゴ糖を被験者に長期間摂取させた場合、当該オリゴ糖の摂取量に比例して、試験期間中の排便回数及び排便日数において増加する傾向が見られ、ビフィドバクテリウム属菌における占有率も有意に上昇していることが報告されている(非特許文献3)。
【0004】
また、人間の糖タンパク質の糖鎖の重要な部分構造にはD-マンノースがβ-1,4結合したオリゴ糖が含まれており、飲食品原料としてのみならず、医薬品の原料としての応用も期待されている。例えば、マンノースを構成糖とするオリゴ糖類を経口摂取することにより、血清中の総コレステロールや中性脂肪の量が低下することが報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
プレバイオティクスをはじめとする健康機能性素材による健康促進効果を得るためには、習慣的な毎日の摂取が重要である。しかし、健康機能性素材の多くは、原料自体に味や香りがあるために摂取の形態や機会が限定されてしまう問題がある。
【0006】
飲料水(直接飲むものに限らず、飲料を調製するための湯や水を含む)や調理用水の中に健康機能性素材を含有させることによって、日常生活の中で機能性成分が自然な形で摂取できる。例えば、整腸作用等を有する難消化性デキストリンを溶解させた機能性水として、特許文献3には、イオン交換又は電気分解で生成させた酸性イオン水に溶解させて低温殺菌処理を施した機能性水が開示されており、特許文献4には、着色を防ぐために還元タイプの難消化性デキストリンを用い、更に海洋深層水を利用した機能性水が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第3553866号公報
特開2006-169256号公報
特許第3545742号公報
特開2009-286697号公報
【非特許文献】
【0008】
Sachslehner, et al., Journal of Biotechnology, 2000,vol.80, p.127-134.
浅野一朗ら、日本農芸化学会誌、2001年、第75巻、第10号、第1077~1083ページ。
Asano, et al., Food Science and Technology Research, 2004, vol.10(1), p.93-97.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、マンノオリゴ糖を含有するが、味や臭いは水と同等の機能性水を調製するためのオリゴ糖組成物、当該オリゴ糖組成物の製造方法、当該オリゴ糖組成物からマンノオリゴ糖を含有する水を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、コーヒー抽出残渣を分解して得られたマンノオリゴ糖を含有する組成物を固形分当たりの糖質の含有率が90質量%以上となるまで精製して得られたオリゴ糖組成物は、イオン交換水に溶解させることで、味や臭いに影響を与えることなく、マンノオリゴ糖を含有する水が得られることを見出し、本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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