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公開番号2024142514
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054672
出願日2023-03-30
発明の名称嗜好性飲料及びインスタント嗜好性飲料用組成物
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A23L 2/00 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】風味が改善された嗜好性飲料、及び当該嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物の提供。
【解決手段】嗜好性飲料に、Cyclo-(Gly-Pro)を添加することを特徴とする、嗜好性飲料の風味改善方法;前記嗜好性飲料が、コーヒー飲料、ココア飲料、又は抹茶飲料である、前記の嗜好性飲料の風味改善方法;Cyclo-(Gly-Pro)を含有することを特徴とする、嗜好性飲料;液体と混合して、嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、Cyclo-(Gly-Pro)を含有している、インスタント嗜好性飲料用組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
嗜好性飲料に、Cyclo-(Gly-Pro)を添加することを特徴とする、嗜好性飲料の風味改善方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記嗜好性飲料が、コーヒー飲料、ココア飲料、又は抹茶飲料である、請求項1に記載の嗜好性飲料の風味改善方法。
【請求項3】
Cyclo-(Gly-Pro)を含有することを特徴とする、嗜好性飲料。
【請求項4】
可溶性コーヒー固形分を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0~80.0ppmである、請求項3に記載の嗜好性飲料。
【請求項5】
可溶性コーヒー固形分と、乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0ppm以上である、請求項3に記載の嗜好性飲料。
【請求項6】
ココアパウダーを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.03~6.0ppmである、請求項3に記載の嗜好性飲料。
【請求項7】
抹茶粉末を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.06~5.0ppmである、請求項3に記載の嗜好性飲料。
【請求項8】
抹茶粉末と、乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.09~4.0ppmである、請求項3に記載の嗜好性飲料。
【請求項9】
液体と混合して、嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、
Cyclo-(Gly-Pro)を含有している、インスタント嗜好性飲料用組成物。
【請求項10】
さらに、可溶性コーヒー固形分を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0~80.0ppmとなる量である、請求項9に記載のインスタント嗜好性飲料用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー等の嗜好性飲料の風味を改善する方法、及び当該方法により風味が改善された嗜好性飲料に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
コーヒーや紅茶は、日常的に広く親しまれている嗜好性飲料であり、容器詰飲料や、水等の液体に溶解させることにより喫飲可能となるインスタント飲料用組成物が多数上市されている。コーヒー豆は天然物であり、コーヒー抽出液中には、コーヒーらしい味や香気を担う成分以外にも、コーヒーの風味を損なうような雑味成分も含まれている。コーヒー抽出液から雑味成分を除くことにより、より香味に優れた容器詰コーヒー飲料やインスタントコーヒーを製造することができると期待できる。
【0003】
例えば、コーヒーの苦味物質(呈味)としては、カフェインやジケトピペラジン(DKP)、CQL(クロロゲン酸ラクトン)等が知られている。DKPは、ペプチドのN末端アミノ基が環化することで生成される環状ジペプチドであり(特許文献1参照。)、コーヒーでは焙煎により生成し、プロリン(pro)を含んだジペプチドから生じやすいことが知られている(非特許文献1参照。)。焙煎前にコーヒー生豆にペプチドを吸収又は表面に付着させておくことにより、苦味成分であるDKPの含有量が多い焙煎コーヒー豆を製造し、当該焙煎コーヒー豆から、DKP含有量が多く、苦味が強いコーヒー飲料を製造できることも知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5456876号公報
国際公開第2019/189580号
【非特許文献】
【0005】
佐野茂樹ら、化学、2012年、第67巻、第2号、第23~27ページ。
Otsuka et al.,ANALYTICAL SCIENCE,2020,vol.36,p.977-980.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、風味が改善された嗜好性飲料、及び当該嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ジケトピペラジンの一種であるCyclo-(Gly-Pro)を適当量含有させることにより、コーヒー飲料等の嗜好性飲料の風味を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
[1] 嗜好性飲料に、Cyclo-(Gly-Pro)を添加することを特徴とする、嗜好性飲料の風味改善方法。
[2] 前記嗜好性飲料が、コーヒー飲料、ココア飲料、又は抹茶飲料である、前記[1]の嗜好性飲料の風味改善方法。
[3] Cyclo-(Gly-Pro)を含有することを特徴とする、嗜好性飲料。
[4] 可溶性コーヒー固形分を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0~80.0ppmである、前記[3]の嗜好性飲料。
[5] 可溶性コーヒー固形分と、乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0ppm以上である、前記[3]の嗜好性飲料。
[6] ココアパウダーを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.03~6.0ppmである、前記[3]の嗜好性飲料。
[7] 抹茶粉末を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.06~5.0ppmである、前記[3]の嗜好性飲料。
[8] 抹茶粉末と、乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.09~4.0ppmである、前記[3]の嗜好性飲料。
[9] 液体と混合して、嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物であって、
Cyclo-(Gly-Pro)を含有している、インスタント嗜好性飲料用組成物。
[10] さらに、可溶性コーヒー固形分を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0~80.0ppmとなる量である、前記[9]のインスタント嗜好性飲料用組成物。
[11] さらに、可溶性コーヒー固形分と、乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が2.0ppm以上となる量である、前記[9]のインスタント嗜好性飲料用組成物。
[12] さらに、ココアパウダーを含有しており、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.03~6.0ppmとなる量である、前記[9]のインスタント嗜好性飲料用組成物。
[13] さらに、抹茶粉末を含有しており、
乳、クリーミングパウダー、及び植物性ミルクのいずれも含有しておらず、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.06~5.0ppmとなる量である、前記[9]のインスタント嗜好性飲料用組成物。
[14] さらに、抹茶粉末と、粉乳、クリーミングパウダーからなる群より選択される1種以上とを含有しており、
前記Cyclo-(Gly-Pro)の含有量が、前記インスタント嗜好性飲料用組成物を液体と混合して得られる嗜好性飲料のCyclo-(Gly-Pro)の含有量が0.09~4.0ppmとなる量である、前記[9]のインスタント嗜好性飲料用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る嗜好性飲料の風味改善方法により、Cyclo-(Gly-Pro)を含有させる前の嗜好性飲料よりも風味が改善された嗜好性飲料及び当該嗜好性飲料を調製するためのインスタント嗜好性飲料用組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明及び本願明細書において、「ppm」及び「ppb」は、それぞれ、「質量ppm(0.0001質量%)」及び「質量ppb(0.0000001質量%)」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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