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公開番号2024142371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054488
出願日2023-03-30
発明の名称成形チョコレートの製造方法
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23G 1/30 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】ブルームなどの外観の不具合が無く、歯ごたえのある成形チョコレートを製造すること、およびその製造方法によって製造された成形チョコレートを提供すること。
【解決手段】油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地について、所定の温度調整工程を有し、テンパーインデックスを2以上5未満に調整することで、ブルームなどの外観の不具合が無く、歯ごたえのある成形チョコレートを製造することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
チョコレート油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地について、以下1)の次に2)、その後3)の温度調整工程を経ることで、
温度調整後のテンパーインデックスを2以上5未満に調整する、
成形チョコレートの製造方法。
1)チョコレート生地の品温を42℃以上に保持して融解状態とする融解工程
2)融解状態のチョコレート生地の品温を30~36℃にする冷却工程
3)冷却工程での温度に対して、0~3℃高い温度にする加温工程
ただし、StOStとは、1位及び3位の脂肪酸がSt(ステアリン酸を示す)であり、2位の脂肪酸がO(オレイン酸を示す)であるトリグリセリドを示す。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
成形チョコレートの油分が25~46質量%である、請求項1に記載の成形チョコレートの製造方法。
【請求項3】
連続式のテンパリングマシンを用いて温度調整工程を実施する、請求項1又は請求項2に記載の成形チョコレートの製造方法。
【請求項4】
成形チョコレートが焼成して用いられる、請求項1または請求項2に記載の成形チョコレートの製造方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の製造方法で得られた成形チョコレートと、ベーカリー食品生地を組み合わせて、同時に焼成される、複合食品の製造方法。
【請求項6】
請求項4に記載の製造方法で得られた成形チョコレートと、ベーカリー食品生地を組み合わせて、同時に焼成される、複合食品の製造方法。
【請求項7】
以下の要件を満たす温度調整工程を有する、
油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地を用いた、成形チョコレートの焼成後の食感維持方法。
1)の次に2)、その後3)の温調工程を経ることで、
温度調整後のテンパーインデックスを2以上5未満に調整する、
1)チョコレート生地の品温を42℃以上に保持して融解状態とする融解工程
2)融解状態のチョコレート生地の品温を30~36℃にする冷却工程
3)冷却工程での温度に対して、0~3℃高い温度にする加温工程
ただし、StOStとは、1位及び3位の脂肪酸がSt(ステアリン酸を示す)であり、2位の脂肪酸がO(オレイン酸を示す)であるトリグリセリドを示す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成形チョコレートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
チョコレートは、なめらかな口溶けと濃厚な風味により、広く嗜好品として食される。チョコレートのなめらかな口溶けは、その油脂に特徴がある。チョコレートに用いられる油脂としては、カカオバターやカカオバター代替脂が挙げられ、テンパリングと呼ばれる温度調整が必要とされる。
テンパリングの主な目的は、不安定な結晶状態で固化すること避けて、安定した結晶状態で固化することである。安定した結晶状態で固化することで、チョコレート保存中にブルームと呼ばれる結晶の粗大化を抑止することができる。
製品の多様化を目的に、チョコレートの口溶けや食感を変化させた食品の開発が進められている。特許文献1にはとろりとした滑らかな食感のチョコレートに関する発明が開示されている。特許文献2には、チョコレートに含まれる糖が加熱されることでパリパリした食感を付与することができる発明が開示されている。
また、食感の調整以外に、耐熱性の向上を目的として、油脂種を変更させたチョコレートについて開示されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-165235号公報
国際公報2012/121327号
国際公報2006/064709号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者らはチョコレートの口溶けや食感に変化を与えようと検証を行った。特許文献1や特許文献2とは異なる食感を、油脂の配合を調整することで生み出せないかと考えた。チョコレートに耐熱性を付与する油脂は、チョコレートの食感を調整することができ、その食感は非常に歯ごたえのあるものとなることがわかった。
さらに発明者らは、チョコレートの歯ごたえはベーカリー食品生地と組み合わせて焼成した場合にも感じられることを発見し、その製品化を目指した。
【0005】
当初、発明者らは従来知られたテンパリング技術によって、前述した歯ごたえのあるチョコレートの生地を成形し、作製することができると思われた。特許文献3には、耐熱性を付与する油脂を用いたチョコレート生地の温度調整について、具体的な示唆は無い。
発明者らが目指す歯ごたえのあるチョコレートは、油脂を従来とは異なる組成にすると、従来同様のテンパリング操作を行ってもチョコレートにブルームが発生してしまった。ブルームの発生によって外観の不具合だけでなく、発明者らが目指すような、歯ごたえのある食感の成形チョコレートの連続生産が困難であることが判明した。
【0006】
従って本願発明の目的は、ブルームなどの外観の不具合が無く、歯ごたえのある成形チョコレートを製造すること、およびその製造方法によって製造された成形チョコレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは上記課題を解決すべく更に鋭意検討を重ねた結果、油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地について、所定の温度調整工程を経ることで、テンパーインデックスを2以上5未満に調整し、ブルームなどの外観の不具合が無く、歯ごたえのある成形チョコレートを製造することができることを見出した。
さらに、上記製造方法で製造された成形チョコレートは、ベーカリー食品生地と同時に焼成しても、喫食時に歯ごたえのあるチョコレートの食感を感じることができることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)チョコレート油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地について、以下1)の次に2)、その後3)の温度調整工程を経ることで、温度調整後のテンパーインデックスを2以上5未満に調整する、成形チョコレートの製造方法、
1)チョコレート生地の品温を42℃以上に保持して融解状態とする融解工程、
2)融解状態のチョコレート生地の品温を30~36℃にする冷却工程、
3)冷却工程での温度に対して、0~3℃高い温度にする加温工程、
ただし、StOStとは、1位及び3位の脂肪酸がSt(ステアリン酸を示す)であり、2位の脂肪酸がO(オレイン酸を示す)であるトリグリセリドを示す、
(2)成形チョコレートの油分が25~46質量%である、(1)に記載の成形チョコレートの製造方法、
(3)連続式のテンパリングマシンを用いて温度調整工程を実施する、(1)又は(2)に記載の成形チョコレートの製造方法、
(4)成形チョコレートが焼成して用いられる、(1)または(2)に記載の成形チョコレートの製造方法、
(5)(1)または(2)に記載の製造方法で得られた成形チョコレートと、ベーカリー食品生地を組み合わせて、同時に焼成される、複合食品の製造方法、
(6)(4)に記載の製造方法で得られた成形チョコレートと、ベーカリー食品生地を組み合わせて、同時に焼成される、複合食品の製造方法、
(7)以下の要件を満たす温度調整工程を有する、
油分中のStOSt含量が38~65質量%のチョコレート生地を用いた、成形チョコレートの焼成後の食感維持方法、
1)の次に2)、その後3)の温調工程を経ることで、温度調整後のテンパーインデックスを2以上5未満に調整する、
1)チョコレート生地の品温を42℃以上に保持して融解状態とする融解工程、
2)融解状態のチョコレート生地の品温を30~36℃にする冷却工程 、
3)冷却工程での温度に対して、0~3℃高い温度にする加温工程、
ただし、StOStとは、1位及び3位の脂肪酸がSt(ステアリン酸を示す)であり、2位の脂肪酸がO(オレイン酸を示す)であるトリグリセリドを示す、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、ブルームなどの外観の不具合が無く、歯ごたえのある成形チョコレートを製造すること、およびその製造方法によって製造された成形チョコレートを提供することができる。
特に、ベーカリー食品生地と同時に焼成しても、喫食時に歯ごたえのあるチョコレートの食感を感じることができるような、成形チョコレートを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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