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公開番号
2024137954
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2024099903,2021519858
出願日
2024-06-20,2019-10-14
発明の名称
造血幹細胞および造血前駆細胞の増殖システム
出願人
ライフ テクノロジーズ コーポレーション
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
5/00 20060101AFI20240927BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】造血幹細胞(HSC)および他の初代細胞を増殖させるために有用な、化学的に定義された細胞培地を提供する。
【解決手段】幹細胞および/または初代細胞、特に造血幹細胞(HSC)の培養のための成長培地が、本明細書に記載され、この成長培地は、基本培地およびサプリメントを含み、培地および/またはサプリメントが、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、ならびに脂質、アミノ酸もしくはアミノ酸誘導体、抗酸化剤、および無機塩のうちの2つ以上を含む。さらに、成長培地を使用する方法、ならびに成長培地のキットおよび製剤が提供される。
【選択図】図11D
特許請求の範囲
【請求項1】
基本培地およびサプリメントを含む造血幹細胞(HSC)の培養のための成長培地であって、前記培地および/またはサプリメントが、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、ならびに脂質、アミノ酸もしくはアミノ酸誘導体、抗酸化剤、および無機塩のうちの2つ以上を含む、成長培地。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記基本培地が、OPTMIZER(商標)CTS(商標)T細胞増殖無血清培地、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)、イスコフの改変ダルベッコ培地(IMDM)、DMEM/F12、Advanced DMEM/F12、およびKNOCKOUT(商標)DMEM/F12から選択される、請求項1に記載の成長培地。
【請求項3】
前記HAT阻害剤が、2,6-ビス[(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン]シクロヘキサノン、MG149、C646、CPTH2、クルクミン、A-485、アナカルジン酸、MB-3、ならびにカルコン、例えば、ガルシノール、イソガルシノール、キサントフモール、イソキサントフモール、2-ヒドロキシカルコン、4-ヒドロキシカルコン、ヤクチノンA、およびイソリキリチゲニンから選択される、請求項1または2に記載の成長培地。
【請求項4】
前記HAT阻害剤が、0.001グラム/リットル(g/L)~1g/Lの濃度で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項5】
前記HAT阻害剤が、0.001グラム/リットル(g/L)~0.005g/Lの濃度で存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項6】
前記HDAC阻害剤が、アピシジン、ベリノスタット、CI-994、CRA-024781、パノビノスタット、酪酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(ボリノスタット)、トリコスタチンA、バルプロ酸ナトリウム(バルプロ酸)、ギビノスタット、MS-275、MGCD0103、およびスクリプタイドから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項7】
前記HDAC阻害剤が、0.0005g/L~10g/Lの濃度で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項8】
前記HDAC阻害剤が、0.01g/L~0.1g/Lの濃度で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項9】
前記HDAC阻害剤およびHAT阻害剤が、1:1~1:30のHDAC阻害剤:HAT阻害剤の重量比である、請求項1~8のいずれか一項に記載の成長培地。
【請求項10】
前記無機塩が、銅塩、マグネシウム塩、セレナイト塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、鉄塩、ナトリウム塩、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の成長培地。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月29日に出願された米国仮出願第62/854,250号および2018年10月12日に出願された米国仮出願第62/745,208号の優先権および利益を主張するものである。前述の各出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
細胞培養培地は、制御された人工のインビトロ環境で細胞を維持および成長させるために必要な栄養素を提供する。細胞培養培地の特性および製剤は、特定の細胞要件に応じて異なる。重要なパラメータとしては、浸透圧、pH、および栄養素組成が挙げられる。
【0003】
細胞培養培地製剤は、文献に十分に文書化されており、多数の培地が市販されている。細胞培養培地の典型的な構成要素には、アミノ酸、有機および無機塩、ビタミン、微量金属、糖、脂質、および核酸が含まれ、それらの種類および量は、所与の種、細胞、または組織の種類の特定の要件に応じて異なる場合がある。
【0004】
多能性ヒト造血幹細胞/造血前駆細胞(HSPC、HSCとも呼ばれる)は、実験的移植、移植片研究の様々な用途に必要であり、骨髄系細胞(赤血球、マクロファージ、血小板)およびリンパ系細胞(例えば、T細胞およびB細胞)を含む全ての血液系統にさらに分化させるために必要である。CD34は、HSCの特定および単離に日常的に使用されるHSCのマーカーである。初代HSCの使用に対する主な制限は、HSCの単離に一般的に使用される臍帯血および末梢血などの組織に存在するCD34
+
細胞数が少ないことである。例えば、Bhattacharya et al.(2008)European Journal of Immunology 38(8):2060-2067;Notta et al.(2011)Science 333(6039):218-221;Doulatov et al.(2012)Cell Stem Cell 10(2):120-136を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
HSCおよび他の初代細胞を増殖させるために、特にHSCを長期的に再増殖させるとみなされる系統
-
CD34
+
CD90
+
CD45RA
-
CD49f
+
(CD34
+
CD90
+
CD45RA
-
)細胞の高比率を有するHSCの集団を取得するために有用な、化学的に定義された細胞培地が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
現在、エクスビボでCD34
+
細胞の数を増殖させる培地システムがある。しかしながら、市販の培地システムでは、造血幹細胞(HSC)の増殖は、結果として生じる細胞の大部分が短期HSCであり、存在する長期HSCが限られているという点で不均衡に発生する。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、エクスビボで長期および短期の両方のヒトHSCを効果的に増殖させることができる培地システムに関する。加えて、本開示のいくつかの実施形態は、臍帯血、動員末梢血、および骨髄などの異なる組織源からのヒトHSCの増殖を可能にすることができる。製剤の実施形態は完全に開発されており、様々な具体化された培地で誘導または増殖されたHSCは、例えば、生化学的研究、トランスクリプトームを扱う研究、エピジェネティックな研究、および移植研究のうちの1つ以上に使用され得る。
【0007】
一態様では、成長培地が、基本培地およびサプリメントを含む造血幹細胞(HSC)の培養のために提供され、培地および/またはサプリメントは、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤、ならびに脂質、アミノ酸もしくはアミノ酸誘導体、抗酸化剤、および無機塩のうちの2つ以上を含む。
【0008】
実施形態では、基本培地は、OPTMIZER(商標)CTS(商標)T細胞増殖無血清培地、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)、イスコフの改変ダルベッコ培地(IMDM)、DMEM/F12、Advanced DMEM/F12、およびKNOCKOUT(商標)DMEM/F12から選択される。
【0009】
実施形態では、HAT阻害剤は、2,6-ビス[(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチレン]シクロヘキサノン、MG149、C646、CPTH2、クルクミン、A-485、アナカルジン酸、MB-3、ならびにカルコン、例えば、ガルシノール、イソガルシノール、キサントフモール、イソキサントフモール、2-ヒドロキシカルコン、4-ヒドロキシカルコン、ヤクチノンA、およびイソリキリチゲニンから選択される。ある特定の実施形態では、HAT阻害剤は、0.001グラム/リットル(g/L)~1g/Lの濃度で存在する。ある特定の実施形態では、前述のHAT阻害剤のそれぞれは、独立して、本明細書に記載される培地および/またはサプリメントから除外されてもよい。
【0010】
実施形態では、HDAC阻害剤は、アピシジン、ベリノスタット、CI-994、CRA-024781、パノビノスタット、酪酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(ボリノスタット)、トリコスタチンA、バルプロ酸ナトリウム(バルプロ酸;VPA)、ギビノスタット、MS-275、MGCD0103、およびスクリプタイドから選択される。ある特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、0.0005g/L~10g/Lの濃度で存在する。ある特定の実施形態では、前述のHDAC阻害剤のそれぞれは、独立して、本明細書に記載される培地および/またはサプリメントから除外されてもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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