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公開番号
2024137651
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-07
出願番号
2023195268
出願日
2023-11-16
発明の名称
樹脂組成物の製造方法及び樹脂組成物の製造装置
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
トヨタ紡織株式会社
,
豊田合成株式会社
代理人
弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類
B29B
7/48 20060101AFI20240927BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】揮発性有機化合物の残存量が十分に低い樹脂組成物を効率よく製造することが可能な樹脂組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】脱揮助剤供給口11A及びBと揮発成分排出用の脱揮口12A及びBとが特定の条件を満たすように設けられたシリンダ1と、特定の位置にシールリングSR
1~4
を配置した特定のスクリュ構成を有するスクリュ2とを備える特定の混練押出機を準備する工程と;その混練押出機を用いてシリンダ1内に供給された原料を搬送、混練する搬送混練工程と;を含み、シリンダ1内の特定の領域A
1
及びA
2
のうちの少なくとも1箇所の領域において原料の充満率を70%以上とし、脱揮助剤供給口11A及びBからシリンダ1内の原料に対して脱揮助剤DAを供給し、かつ、脱揮口12A及びBから原料中に含まれていた揮発成分を排出させて樹脂組成物を得る、樹脂組成物の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シリンダと、前記シリンダ内に配置されたスクリュとを備えるものであり、
前記シリンダが、少なくとも1つの脱揮助剤供給口と少なくとも1つの揮発成分排出用の脱揮口とを開口部として有し、かつ、前記脱揮助剤供給口と前記脱揮口が上流側から順に間隔を空けて並んで設けられている構造部分を少なくとも1つ有するものであり、
前記スクリュが、少なくとも1つの前記構造部分の前記脱揮助剤供給口が設けられた位置よりも上流側に位置する前記シリンダ内の供給口上流部と、該構造部分の前記脱揮助剤供給口及び前記脱揮口の間に位置する供給口下流部とにそれぞれシールリングが配置されたスクリュ構成を少なくとも1つ有するものであり、かつ、
前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の領域に、前記供給口上流部と前記供給口下流部の位置の基準となる前記脱揮助剤供給口以外に前記領域と前記シリンダの外部とが連通するような開口部が設けられていない、
混練押出機を準備する混練押出機準備工程と、
前記混練押出機を用い、前記スクリュにより前記シリンダ内に供給された樹脂組成物の原料を上流側から下流側に搬送しつつ混練する搬送混練工程と、
を含み、
前記搬送混練工程において、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の前記シリンダ内の領域のうちの少なくとも1箇所の領域における前記原料の充満率を70%以上とし、前記脱揮助剤供給口から前記シリンダ内の前記原料に対して脱揮助剤を供給し、かつ、前記脱揮口から前記原料中に含まれていた揮発成分を排出させることにより樹脂組成物を得ることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
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【請求項2】
前記搬送混練工程において、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の前記シリンダ内の領域の前記原料の充満率を80%以上とすることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記脱揮助剤が水であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
シリンダと、
前記シリンダ内に配置されたスクリュと、
前記スクリュを駆動させるためのスクリュ駆動装置と、
前記シリンダ内に原料を供給するための原料供給装置と、
前記シリンダ内に脱揮助剤を供給するための脱揮助剤供給装置と、
前記シリンダの温度を調節するための温度調節装置と、
前記スクリュ駆動装置、前記原料供給装置、前記脱揮助剤供給装置及び前記温度調節装置に電気的に接続されかつ前記各装置の運転を制御するための制御装置と、
を備える混練押出機からなり、
前記シリンダが、少なくとも1つの脱揮助剤供給口と少なくとも1つの揮発成分排出用の脱揮口とを開口部として有し、かつ、前記脱揮助剤供給口と前記脱揮口が上流側から順に間隔を空けて並んで設けられている構造部分を少なくとも1つ有するものであり、
前記スクリュが、少なくとも1つの前記構造部分の前記脱揮助剤供給口が設けられた位置よりも上流側に位置する前記シリンダ内の供給口上流部と、該構造部分の前記脱揮助剤供給口及び前記脱揮口の間に位置する供給口下流部とにそれぞれシールリングが配置されたスクリュ構成を少なくとも1つ有するものであり、
前記混練押出機は、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の領域に、前記供給口上流部と前記供給口下流部の位置の基準となる前記脱揮助剤供給口以外に前記領域と前記シリンダの外部とが連通するような開口部が設けられていないという条件を満たすものであり、
前記混練押出機は、前記スクリュにより前記シリンダ内に供給された樹脂組成物の原料を上流側から下流側に搬送しつつ混練することで樹脂組成物を製造するために用いられる装置であり、
前記制御装置が、樹脂組成物の製造時に前記原料を上流側から下流側に搬送しつつ混練する際に、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の前記シリンダ内の領域のうちの少なくとも1箇所の領域における前記原料の充満率を70%以上としながら、前記脱揮助剤供給口から前記シリンダ内の前記原料に対して脱揮助剤を供給し、かつ、前記脱揮口から前記原料中に含まれていた揮発成分を排出するように、前記スクリュ駆動装置、前記原料供給装置、前記脱揮助剤供給装置及び前記温度調節装置の運転を制御するものであること、
を特徴とする樹脂組成物の製造装置。
【請求項5】
前記混練押出機が前記脱揮口に接続された減圧装置を更に備えており、
前記制御装置は前記減圧装置にも電気的に接続されており、かつ、
前記制御装置が、樹脂組成物の製造時に、前記スクリュ駆動装置、前記原料供給装置、前記脱揮助剤供給装置及び前記温度調節装置の運転を制御するとともに前記減圧装置の運転を制御するものであること、
を特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物の製造装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物の製造方法並びに樹脂組成物の製造装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂組成物の分野においては、その組成物中に含まれる残留溶媒や残留モノマー等の揮発性有機化合物(VOC)を揮発させて除去するために、脱揮処理が可能な混練押出機を用いて、樹脂組成物を製造することが提案されている。なお、近年においては、環境保護の観点等から、樹脂組成物を再生利用することが社会的に強く要請されており、樹脂組成物をリサイクルして利用することが求められているが、このようなリサイクル樹脂組成物を製造する際にも、樹脂組成物中に含まれる揮発性有機化合物を除去するために、脱揮処理が可能な混練押出機を用いて、樹脂組成物を製造(再生)することが提案されている。
【0003】
このような脱揮処理が可能な混練押出機を用いて樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、特許文献1(特開2021-62552号公報)に、(a)シリンダと、前記シリンダ内に回転自在に配備されたスクリュと、前記スクリュを回転させる回転駆動機構とを有し、上流側から溶融混練部、脱揮部が順次配置された押出機を準備する工程;(b)前記押出機の前記溶融混練部において熱可塑性樹脂を溶融させた溶融樹脂と添加剤とを混練する工程;(c)前記押出機の脱揮部の第1部において脱揮助剤を添加し混練することにより前記熱可塑性樹脂に前記脱揮助剤を分散させる工程、(d)前記押出機の脱揮部の第2部において減圧状態とすることにより前記脱揮助剤とともに前記熱可塑性樹脂と前記添加剤の混練物から揮発成分を除去する工程;を有する樹脂組成物の製造方法が開示されている。また、非特許文献1(株式会社日本製鋼所 広島製作所 樹脂機械事業部のリーフレット(NL-J0014-02)、「TEX水添加脱揮効果の紹介」、インターネット<URL:https://www.jsw.co.jp/ja/product/news/details/20211001000006.html>)においては、低粘度の樹脂に適したスクリュデザインとして、水添部分の前後にシールリングを設けた混練押出機を用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-62552号公報
【非特許文献】
【0005】
株式会社日本製鋼所 広島製作所 樹脂機械事業部のリーフレット(NL-J0014-02)、「TEX水添加脱揮効果の紹介」、インターネット<URL:https://www.ipros.jp/catalog/detail/557129/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や非特許文献1に記載されているような従来の樹脂組成物の製造方法は、得られる樹脂組成物中の揮発性有機化合物の残存量の低減の点で十分なものではなかった。
【0007】
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、揮発性有機化合物の残存量が十分に低い樹脂組成物を効率よく製造することが可能な樹脂組成物の製造方法及びその方法に好適に利用することが可能な樹脂組成物の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、シリンダと、前記シリンダ内に配置されたスクリュとを備え;前記シリンダが、少なくとも1つの脱揮助剤供給口と少なくとも1つの揮発成分排出用の脱揮口とを開口部として有し、かつ、前記脱揮助剤供給口と前記脱揮口が上流側から順に間隔を空けて並んで設けられている構造部分を少なくとも1つ有するものであり;前記スクリュが、少なくとも1つの前記構造部分の前記脱揮助剤供給口が設けられた位置よりも上流側に位置する前記シリンダ内の供給口上流部と、該構造部分の前記脱揮助剤供給口及び前記脱揮口の間に位置する供給口下流部にそれぞれシールリングが配置されたスクリュ構成を少なくとも1つ有するものであり;かつ、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の領域に、前記供給口上流部と前記供給口下流部の位置の基準となる前記脱揮助剤供給口以外に前記領域と前記シリンダの外部とが連通するような開口部が設けられていない;という条件を満たす混練押出機を準備し、樹脂組成物の製造に前記混練押出機を用い、前記スクリュにより前記シリンダ内に供給された樹脂組成物の原料を上流側から下流側に搬送しながら混練する際に、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の前記シリンダ内の領域のうちの少なくとも1箇所の領域における前記原料の充満率を70%以上とし、かつ、前記脱揮助剤供給口から前記シリンダ内の前記原料に対して脱揮助剤を供給しつつ前記脱揮口から前記原料中に含まれていた揮発成分を排出させることにより、揮発性有機化合物の残存量が十分に低い樹脂組成物を効率よくかつ確実に製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下の態様を提供する。
【0010】
[1]シリンダと、前記シリンダ内に配置されたスクリュとを備えるものであり、
前記シリンダが、少なくとも1つの脱揮助剤供給口と少なくとも1つの揮発成分排出用の脱揮口とを開口部として有し、かつ、前記脱揮助剤供給口と前記脱揮口が上流側から順に間隔を空けて並んで設けられている構造部分を少なくとも1つ有するものであり、
前記スクリュが、少なくとも1つの前記構造部分の前記脱揮助剤供給口が設けられた位置よりも上流側に位置する前記シリンダ内の供給口上流部と、該構造部分の前記脱揮助剤供給口及び前記脱揮口の間に位置する供給口下流部とにそれぞれシールリングが配置されたスクリュ構成を少なくとも1つ有するものであり、かつ、
前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の領域に、前記供給口上流部と前記供給口下流部の位置の基準となる前記脱揮助剤供給口以外に前記領域と前記シリンダの外部とが連通するような開口部が設けられていない、
混練押出機を準備する混練押出機準備工程と、
前記混練押出機を用い、前記スクリュにより前記シリンダ内に供給された樹脂組成物の原料を上流側から下流側に搬送しつつ混練する搬送混練工程と、
を含み、
前記搬送混練工程において、前記シールリングが配置されている前記供給口上流部と前記供給口下流部の間の前記シリンダ内の領域のうちの少なくとも1箇所の領域における前記原料の充満率を70%以上とし、前記脱揮助剤供給口から前記シリンダ内の前記原料に対して脱揮助剤を供給し、かつ、前記脱揮口から前記原料中に含まれていた揮発成分を排出させることにより樹脂組成物を得る、樹脂組成物の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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