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公開番号2024136698
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047893
出願日2023-03-24
発明の名称発光素子およびその製造方法
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類H01L 33/40 20100101AFI20240927BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】電力効率の高いUVCの発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】発光波長が200~280nmのAlを含むIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法において、p層14上に、p層14に接するRu層を有するp電極15を形成するp電極形成工程と、孔23の底面に露出するn層11上に、n層11に接し厚さ5nm以上15nm以下のVであるV層と、V層上に接するAlであるAl層と、を有したn電極16を形成するn電極形成工程と、温度500~650℃、1~10分間の熱処理を行い、p電極15およびn電極16のコンタクト抵抗を低減するとともに、p層14のp型不純物の活性化を行う熱処理工程と、を有し、孔23とp層14の面積の合計に対するp電極15の面積の割合が70%以上となるように、孔23およびp電極15のパターンを設定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
発光波長が200~280nmのAlを含むIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法において、
基板上にn層、発光層、p層の順に積層する半導体層形成工程と、
前記p層表面の所定の領域に、前記n層に達する深さの孔を形成する孔形成工程と、
前記p層上に、前記p層に接するRu層を有するp電極を形成するp電極形成工程と、
前記孔の底面に露出する前記n層上に、前記n層に接し厚さ5nm以上15nm以下のVまたはVを主成分とする金属であるV層と、前記V層上に接するAlまたはAlを主成分とする金属であるAl層と、を有したn電極を形成するn電極形成工程と、
温度500~650℃、1~10分間の熱処理を行い、前記p電極および前記n電極のコンタクト抵抗を低減するとともに、前記p層のp型不純物の活性化を行う熱処理工程と、を有し、
前記孔と前記p層の面積の合計に対する前記p電極の面積の割合が70%以上となるように、前記孔および前記p電極のパターンを設定する、発光素子の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記孔は、複数形成し、前記孔の配列パターンは正方格子状、正三角格子状、またはハニカム状とし、前記n電極は、各前記孔の底面に形成する、請求項1に記載の発光素子の製造方法。
【請求項3】
前記熱処理工程後、前記p電極および前記n電極上にそれぞれ第1pn電極および第2pn電極を形成するpn電極形成工程と、
絶縁体である保護膜を、素子上面全体を覆うように形成する保護膜形成工程と、
前記保護膜の所定位置に孔を設け、前記保護膜上に孔を介して前記第1pn電極と接続するpパッド電極と、孔を介して前記第2pn電極と接続し、前記pパッド電極から離間するnパッド電極と、を形成するパッド電極形成工程と、
をさらに有する請求項1または請求項2に記載の発光素子の製造方法。
【請求項4】
発光波長が200~280nmのAlを含むIII族窒化物半導体からなる発光素子において、
基板と、
基板上にn層、発光層、p層の順に積層された半導体層と、
前記p層表面の所定の領域に設けられ、前記n層に達する深さの孔と、
前記p層上に接して設けられたRu層を有するp電極と、
前記孔の底面に露出する前記n層上に設けられ、前記n層上に接して位置し、AlN

または前記n層よりもAl組成の高いAl

Ga
1-y


からなり、厚さが1nm以上3nm以下である第1層と、前記第1層上に接して位置し、Alを主としVを含む金属からなり、厚さが50nm以上500nm以下である第2層と、を有したn電極と、を有し、
前記孔と前記p層の面積の合計に対する前記p電極の面積の割合が70%以上となるように、前記孔および前記p電極のパターンが設定されている、発光素子。
【請求項5】
前記孔は、複数形成され、前記孔の配列パターンは格子状であり、前記n電極は、各前記孔の底面に形成されている、請求項4に記載の発光素子。
【請求項6】
前記p電極および前記n電極上にそれぞれ設けられた第1pn電極および第2pn電極と、
素子上面全体を覆う絶縁体である保護膜と、
前記保護膜上に設けられ、前記保護膜に設けられた孔を介して前記第1pn電極と接続されたpパッド電極と、
前記保護膜上に設けられ、前記保護膜に設けられた孔を介して前記第2pn電極と接続され、前記pパッド電極から離間して設けられたnパッド電極と、
をさらに有する請求項4または請求項5に記載の発光素子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、紫外線LEDを水や空気などの殺菌、消毒に使用することが注目されており、紫外線LEDの高効率化に向けた研究、開発が盛んに行われている。
【0003】
従来のIII族窒化物半導体からなる発光素子では、p層と接触するp電極としてITOやNi/Auが広く用いられている。それらの材料はUVC(200~280nm)では反射率が低い。そこでUVCの発光素子では反射率が高いRhやRuをp電極として用いることが検討されている(特許文献1)。また、n層と接触するn電極としてはTi/Alが広く用いられており、特許文献2のようにVを用いることも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-64955号公報
特開2003-77862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、UVCの発光素子は電力効率が低く、向上が求められていた。電力効率を高くするためには、光取り出し効率の向上と順方向電圧Vfの低減を両立する必要があり、実現は困難であった。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、電力効率の高いUVCの発光素子およびその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
発光波長が200~280nmのAlを含むIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法において、
基板上にn層、発光層、p層を順に積層する半導体層形成工程と、
前記p層表面の所定の領域に、前記n層に達する深さの孔を形成する孔形成工程と、
前記p層上に、前記p層に接するRu層を有するp電極を形成するp電極形成工程と、
前記孔の底面に露出する前記n層上に、前記n層に接し厚さ5nm以上15nm以下のVまたはVを主成分とする金属であるV層と、前記V層上に接するAlまたはAlを主成分とする金属であるAl層と、を有したn電極を形成するn電極形成工程と、
温度500~650℃、1~10分間の熱処理を行い、前記p電極および前記n電極のコンタクト抵抗を低減するとともに、前記p層のp型不純物の活性化を行う熱処理工程と、を有し、
前記孔と前記p層の面積の合計に対する前記p電極の面積の割合が70%以上となるように、前記孔および前記p電極のパターンを設定する、発光素子の製造方法にある。
【0008】
本発明の他の一態様は、
発光波長が200~280nmのAlを含むIII族窒化物半導体からなる発光素子において、
基板と、
基板上にn層、発光層、p層の順に積層された半導体層と、
前記p層表面の所定の領域に設けられ、前記n層に達する深さの孔と、
前記p層上に接して設けられたRu層を有するp電極と、
前記孔の底面に露出する前記n層上に設けられ、前記n層上に接して位置し、AlN

または前記n層よりもAl組成の高いAl

Ga
1-y


からなり、厚さが1nm以上3nm以下である第1層と、前記第1層上に接して位置し、Alを主としVを含む金属からなり、厚さが50nm以上500nm以下である第2層と、を有したn電極と、を有し、
前記孔と前記p層の面積の合計に対する前記p電極の面積の割合が70%以上となるように、前記孔および前記p電極のパターンが設定されている、発光素子にある。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、Ruからなるp電極の面積を広く取ることにより、p電極による紫外線の反射を増やし、光取り出し効率を向上させることができる。また、p電極、n電極のいずれもコンタクト抵抗が低く、順方向電圧を低減することができる。そのため、UVCの発光素子の電力効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施形態における発光素子の構成を示した図であって、基板に垂直な断面図。
電極の平面パターンを示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態における発光素子の製造工程を示した図。
発光素子のI-V特性を示したグラフ。
発光素子の発光波長と電力効率を示したグラフ(散布図)。
変形例1の電極パターンを示した図。
実施形態における発光素子の変形例2の構成を示した図であって、基板に垂直な断面図。
変形例2の電極パターンを示した図。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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