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公開番号
2024173360
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023091728
出願日
2023-06-02
発明の名称
偏光フィルム、調光装置及び偏光フィルムの製造方法
出願人
豊田合成株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20241205BHJP(光学)
要約
【課題】光の透過の状態の変化に関与しない余分な部分が発生するのを抑制しつつ、光の透過に関し、透過状態と遮蔽状態との中間の状態を作り出す。
【解決手段】偏光フィルム11のフィルム本体12は、それぞれ第2方向へ延び、かつ互いに隣接した状態で第1方向に配列された3種類の単位領域を有する。各単位領域は、フィルム本体12の面に沿って延びる複数の偏光軸をそれぞれ有する。3種類の単位領域は、第1偏光軸PA1を有する第1単位領域A1と、第1偏光軸PA1の延びる方向に対し交差する方向へ延びる第2偏光軸PA2を有する第2単位領域A2と、第1単位領域A1及び第2単位領域A2の間に位置し、かつ中間偏光軸PA3を有する中間単位領域A3とからなる。中間偏光軸PA3は、第2偏光軸PA2の延びる方向が、第1偏光軸PA1の延びる方向に対しなす角度よりも小さな角度で、第1偏光軸PA1の延びる方向に対し交差する方向へ延びている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
光の透過量を調整する調光装置に用いられ、かつ骨格部分がフィルム本体により構成される偏光フィルムであり、
前記フィルム本体の厚み方向に対し直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向及び前記第1方向に対し直交する方向を第2方向とした場合、
前記フィルム本体は、それぞれ前記第2方向へ延び、かつ互いに隣接した状態で前記第1方向に配列された3種類の単位領域を有し、
前記3種類の前記単位領域は、前記フィルム本体の面に沿って延びる複数の偏光軸をそれぞれ有し、
前記3種類の前記単位領域は、第1偏光軸を有する第1単位領域と、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びる第2偏光軸を有する第2単位領域と、前記第1単位領域及び前記第2単位領域の間に位置し、かつ中間偏光軸を有する中間単位領域とからなり、
前記中間偏光軸は、前記第2偏光軸の延びる方向が、前記第1偏光軸の延びる方向に対しなす角度よりも小さな角度で、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びている偏光フィルム。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
前記中間単位領域は、前記第1単位領域及び前記第2単位領域の間に複数設けられており、
複数の前記中間単位領域のそれぞれにおける前記中間偏光軸は、前記第1偏光軸の延びる方向に対し、互いに異なる角度で交差する方向へ延び、
複数の前記中間偏光軸のそれぞれが延びる方向と前記第1偏光軸の延びる方向とがなす角度は、前記第1単位領域から前記第2単位領域側へ遠ざかるに従い、徐々に増加、又は徐々に減少するように設定されている請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項3】
前記第1単位領域、前記第2単位領域及び前記中間単位領域のそれぞれの前記第1方向における寸法である単位幅は、互いに同一に設定されており、
前記第1偏光軸は前記第1方向へ延び、前記第2偏光軸は前記第2方向へ延び、
前記第1偏光軸の延びる方向と隣の前記中間偏光軸の延びる方向とがなす角度、前記中間偏光軸の延びる方向と隣の前記中間偏光軸の延びる方向とがなす角度、及び前記第2偏光軸の延びる方向と隣の前記中間偏光軸の延びる方向とがなす角度は、互いに同一に設定されている請求項2に記載の偏光フィルム。
【請求項4】
前記第1方向における前記第2単位領域の一方側と他方側とには、それぞれ複数かつ同数の前記中間単位領域が設けられ、
前記一方側の複数の前記中間単位領域のそれぞれにおける前記中間偏光軸と、前記他方側の複数の前記中間単位領域のそれぞれにおける前記中間偏光軸とは、前記第2単位領域において前記第2方向へ延びる仮想線を対称軸として線対称の関係を有している請求項3に記載の偏光フィルム。
【請求項5】
前記第1方向における前記第1単位領域の一方側と他方側とには、それぞれ複数かつ同数の前記中間単位領域が設けられ、
前記一方側の複数の前記中間単位領域のそれぞれにおける前記中間偏光軸と、前記他方側の複数の前記中間単位領域のそれぞれにおける前記中間偏光軸とは、前記第1単位領域において前記第2方向へ延びる仮想線を対称軸として線対称の関係を有している請求項3又は4に記載の偏光フィルム。
【請求項6】
前記フィルム本体は、樹脂材料により形成されたフィルム基材を備え、
前記フィルム基材の前記第1単位領域、前記第2単位領域及び前記中間単位領域のそれぞれに対応する箇所には溝が形成され、前記溝に充填されたインクが硬化されることにより前記第1偏光軸、前記第2偏光軸及び前記中間単位領域が形成されている請求項1に記載の偏光フィルム。
【請求項7】
前記厚み方向における前記フィルム本体の両側に配置されて前記フィルム本体を保持する一対の固定フィルムをさらに備え、
前記一対の固定フィルムは、それぞれ樹脂材料により形成されている請求項6に記載の偏光フィルム。
【請求項8】
それぞれ骨格部分がフィルム本体により構成され、かつ前記フィルム本体の厚み方向に対向した状態で配置された2枚の偏光フィルムを備え、
前記フィルム本体の前記厚み方向に対し直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向及び前記第1方向に対し直交する方向を第2方向とした場合、
前記フィルム本体は、それぞれ前記第2方向へ延び、かつ互いに隣接した状態で前記第1方向に配列された3種類の単位領域を有し、
前記3種類の前記単位領域は、前記フィルム本体の面に沿って延びる複数の偏光軸をそれぞれ有し、
前記3種類の前記単位領域は、第1偏光軸を有する第1単位領域と、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びる第2偏光軸を有する第2単位領域と、前記第1単位領域及び前記第2単位領域の間に位置し、かつ中間偏光軸を有する中間単位領域とからなり、
前記中間偏光軸は、前記第2偏光軸の延びる方向が、前記第1偏光軸の延びる方向に対しなす角度よりも小さな角度で、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びており、
前記2枚の偏光フィルムの少なくとも一方が、前記第1方向へスライドされることにより、前記2枚の偏光フィルムの前記厚み方向における光の透過量が調整される調光装置。
【請求項9】
光の透過量を調整する調光装置に用いられ、かつ骨格部分がフィルム本体により構成される偏光フィルムを製造する方法であり、
前記フィルム本体の厚み方向に対し直交する方向を第1方向とし、前記厚み方向及び前記第1方向に対し直交する方向を第2方向とした場合、
前記フィルム本体は、それぞれ前記第2方向へ延び、かつ互いに隣接した状態で前記第1方向に配列された3種類の単位領域を有し、
前記3種類の前記単位領域は、前記フィルム本体の面に沿って延びる複数の偏光軸をそれぞれ有し、
前記3種類の前記単位領域は、第1偏光軸を有する第1単位領域と、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びる第2偏光軸を有する第2単位領域と、前記第1単位領域及び前記第2単位領域の間に位置し、かつ中間偏光軸を有する中間単位領域とからなり、
前記中間偏光軸は、前記第2偏光軸の延びる方向が、前記第1偏光軸の延びる方向に対しなす角度よりも小さな角度で、前記第1偏光軸の延びる方向に対し交差する方向へ延びており、
前記偏光フィルムを、樹脂材料により形成されたフィルム基材を用いて製造する方法であって、
前記フィルム基材のうち、前記第1単位領域、前記第2単位領域及び前記中間単位領域に対応する箇所に、それぞれ溝を形成する溝形成工程と、
各溝にインクを充填するインク充填工程と、
各溝に充填された前記インクを硬化させることにより、前記第1偏光軸、前記第2偏光軸及び前記中間偏光軸を形成する硬化工程と
を備える偏光フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光フィルム、調光装置及び偏光フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
図11及び図12に示すように、それぞれ骨格部分がフィルム本体52により構成され、かつフィルム本体52の厚み方向に対向した状態で配置された2枚の偏光フィルム51A,51Bを備える調光装置50が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、図10に示すように、フィルム本体52の厚み方向(紙面に直交する方向)に対し直交する方向を第1方向とし、厚み方向及び第1方向に対し直交する方向を第2方向とする。
【0004】
フィルム本体52は、それぞれ第2方向へ延び、かつ互いに隣接した状態で第1方向に交互に配列された2種類の単位領域を有する。
2種類の単位領域は、フィルム本体52の面に沿って延びる複数の第1偏光軸PA1を有する第1単位領域A1と、同じくフィルム本体52の面に沿って延びる複数の第2偏光軸PA2を有する第2単位領域A2とからなる。各第1偏光軸PA1は、上記第1方向及び第2方向の双方に対して交差している。各第2偏光軸PA2は、上記第1方向及び第2方向の双方に対して交差し、かつ第1偏光軸PA1とは反対側に交差している。各第2偏光軸PA2の延びる方向は、各第1偏光軸PA1の延びる方向に対し直交している。
【0005】
そして、図11及び図12に示すように、上記構成の調光装置50において、2枚の偏光フィルム51A,51Bの少なくとも一方が、第1方向へスライドされることにより、2枚の偏光フィルム51A,51Bの厚み方向における光の透過量が切り替えられる。
【0006】
図11は、偏光フィルム51Aの第1単位領域A1と、偏光フィルム51Bの第1単位領域A1とが重なり合った状態を示している。この状態では、偏光フィルム51Aの第2単位領域A2と、偏光フィルム51Bの第2単位領域A2とが重なり合っている。なお、図11では、2枚の偏光フィルム51A,51Bが重なり合っていることを表現するために、2枚の偏光フィルム51A,51Bを第1方向において僅かにずらして図示している。
【0007】
図11の上記状態では、偏光フィルム51Bの第1単位領域A1において第1偏光軸PA1の延びる方向と、偏光フィルム51Aの第1単位領域A1において第1偏光軸PA1の延びる方向とが平行になる。また、偏光フィルム51Bの第2単位領域A2において第2偏光軸PA2の延びる方向と、偏光フィルム51Aの第2単位領域A2において第2偏光軸PA2の延びる方向とが平行になる。
【0008】
従って、偏光フィルム51Bに入射した光のうち、その偏光フィルム51Bを透過したものは、全て偏光フィルム51Aを透過する。
これに対し、図12は、偏光フィルム51Bの第1単位領域A1と、偏光フィルム51Aの第2単位領域A2とが重なり合った状態を示している。この状態では、偏光フィルム51Bの第2単位領域A2と、偏光フィルム51Aの第1単位領域A1とが重なり合っている。この状態では、偏光フィルム51Bの第1単位領域A1において第1偏光軸PA1の延びる方向と、偏光フィルム51Aの第2単位領域A2において第2偏光軸PA2の延びる方向とが直交する。また、偏光フィルム51Bの第2単位領域A2において第2偏光軸PA2の延びる方向と、偏光フィルム51Aの第1単位領域A1において第1偏光軸PA1の延びる方向とが直交する。そのため、偏光フィルム51Bを透過した光の全てが、偏光フィルム51Aによって遮断(遮蔽)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平9-310567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記従来の調光装置50では、2枚の偏光フィルム51A,51Bの少なくとも一方を第1方向へスライドさせることで、第1偏光軸PA1及び第2偏光軸PA2の第1方向における各位置を変えている。表現を変えると、上記スライドにより、各第1偏光軸PA1の延びる方向と各第2偏光軸PA2の延びる方向とが平行となる状態、又は直交する状態のいずれかの状態にしている。そのため、上記従来の調光装置50では、透過状態と遮断(遮蔽)状態とを切り替えることはできるものの、途中の透過状態(半透過状態)にすることができない。また、半透過状態のときに、光の透過度合いを徐々に変化させることができない。
(【0011】以降は省略されています)
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