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公開番号2024134207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044400
出願日2023-03-20
発明の名称液体吐出ヘッド
出願人ブラザー工業株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類B41J 2/14 20060101AFI20240926BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】 絞り路の通流抵抗について設定値からのズレを抑制すると共に、使用プレート数を削減して製造コストが高くなることを抑制できる液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 液体吐出ヘッドが備える個別流路は、上流端が供給マニホールドに接続される供給絞り路、および、下流端が帰還マニホールドに接続される帰還絞り路を有し、1枚の帰還絞りプレートと、少なくとも1枚の帰還マニホールドプレートとを含み、帰還絞りプレートには帰還絞り路を構成する貫通溝が形成され、帰還マニホールドプレートには帰還マニホールドを構成する貫通口が形成されており、帰還絞りプレートと帰還マニホールドプレートとが直接貼りあわされて貫通溝と貫通口とが連通している。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数のプレートが積層された積層体を成し、
前記積層体の内部に、ノズルを有する複数の個別流路と、前記個別流路に液体を供給する供給マニホールドと、前記ノズルから吐出されなかった液体が前記個別流路から戻される帰還マニホールドと、を備え、
前記個別流路は、上流端が前記供給マニホールドに接続される供給絞り路、および、下流端が前記帰還マニホールドに接続される帰還絞り路を有し、
前記複数のプレートは、1枚の帰還絞りプレートと、少なくとも1枚の帰還マニホールドプレートとを含み、
前記帰還絞りプレートには前記帰還絞り路を構成する貫通溝が形成され、前記帰還マニホールドプレートには前記帰還マニホールドを構成する貫通口が形成されており、
前記帰還絞りプレートと前記帰還マニホールドプレートとが直接貼りあわされて前記貫通溝と前記貫通口とが連通している、
液体吐出ヘッド。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記複数のプレートは、1枚の供給絞りプレートと、少なくとも1枚の供給マニホールドプレートとを含み、
前記供給絞りプレートには前記供給絞り路を構成する貫通溝が形成され、前記供給マニホールドプレートには前記供給マニホールドを構成する貫通口が形成されており、
前記供給絞りプレートと前記供給マニホールドプレートとが直接貼りあわされて前記貫通溝と前記貫通口とが連通している、
請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記帰還絞り路は、上流端および下流端に、前記上流端と前記下流端との間の中間部分よりも前記プレートの積層方向から見て流路幅の寸法が大きい拡大部を有し、前記帰還絞り路は前記拡大部にて前記帰還マニホールドと連通している、
請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記帰還絞りプレートの一方の面および他方の面における前記帰還絞り路の前記中間部分に対応する開口の全面が、前記帰還絞りプレートの前記一方の面および前記他方の面に貼り合わせられる前記プレートにより塞がれている、
請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記帰還絞り路が有する前記拡大部は、前記帰還絞りプレートを貫通して形成されている、
請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記帰還絞りプレートおよび前記供給絞りプレートのうち少なくとも一方は、厚み寸法が50μm以下である、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記帰還マニホールドは第1方向に沿って長寸を成し、前記帰還絞り路は前記第1方向に直交する第2方向に対して傾斜して延びている、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記供給マニホールドは第1方向に沿って長寸を成し、前記供給絞り路は前記第1方向に直交する第2方向に対して傾斜して延びている、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記帰還絞りプレートの一方の面および他方の面に貼り合わせられる前記プレートにおいて、前記帰還絞り路が有する前記貫通溝の開口に対応する部分には、前記開口を幅方向に横断するような接着剤がない、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記供給絞りプレートの一方の面および他方の面に貼り合わせられる前記プレートにおいて、前記供給絞り路が有する前記貫通溝の開口に対応する部分には、前記開口を幅方向に横断するような接着剤がない、
請求項2に記載の液体吐出ヘッド。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、インクなどの液体を媒体に向けて吐出する液体吐出ヘッドに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
液体吐出ヘッドとして、内部の液体を循環させる構成を備えたものが知られている。例えば特許文献1,2の液体吐出ヘッドは、液体を循環させる構成として、供給マニホールド、供給絞り路、ノズル、帰還絞り路、および帰還マニホールドを含む流路を備えている。このうち供給絞り路および帰還絞り路は、流路の他の部分よりも断面積が小さくて通流抵抗が高くなっている。従って、この通流抵抗を適宜設定することで、ノズル近傍の液体を所望の圧力とすることができ、液体の吐出の安定化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-014744号公報
特開2021-088117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の場合、供給絞り路(42)および帰還絞り路(45)は何れも、プレート(29,21)に形成された有底の溝により実現されている。一般的に、特許文献1のように複数のプレートの積層体から成る液体吐出ヘッドの場合、各プレートにおける溝の形成にはエッチングが用いられ、特許文献1の絞り路のように有底の溝にはハーフエッチングが用いられる。しかしながら、ハーフエッチングは、エッチング条件のぶれが、溝の幅方向および深さ方向の誤差を招来する。従って、絞り路における通流抵抗が設定値から大きく異なってしまう可能性がある。
【0005】
また、特許文献2の場合、供給絞り路はハーフエッチングにより形成されているため、特許文献1と同様の課題が生じる。一方、帰還絞り路はプレートを貫通するフルエッチングで形成されているが、その場合、帰還絞り路の開口面を覆うべく、帰還絞り路と帰還マニホールドとの間に1枚のプレート(109)が介在する構成となっている。そのため、液体吐出ヘッドの製造コストが高くなってしまう。
【0006】
そこで本開示は、絞り路の通流抵抗について設定値からのズレを抑制すると共に、使用プレート数を削減して製造コストが高くなることを抑制できる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様に係る液体吐出ヘッドは、複数のプレートが積層された積層体を成し、前記積層体の内部に、ノズルを有する複数の個別流路と、前記個別流路に液体を供給する供給マニホールドと、前記ノズルから吐出されなかった液体が前記個別流路から戻される帰還マニホールドと、を備え、前記個別流路は、上流端が前記供給マニホールドに接続される供給絞り路、および、下流端が前記帰還マニホールドに接続される帰還絞り路を有し、前記複数のプレートは、1枚の帰還絞りプレートと、少なくとも1枚の帰還マニホールドプレートとを含み、前記帰還絞りプレートには前記帰還絞り路を構成する貫通溝が形成され、前記帰還マニホールドプレートには前記帰還マニホールドを構成する貫通口が形成されており、前記帰還絞りプレートと前記帰還マニホールドプレートとが直接貼りあわされて前記貫通溝と前記貫通口とが連通している。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、帰還絞り路を例えばフルエッチングにより貫通溝として形成するので、少なくとも深さ方向の寸法誤差が生じず、設定値に対する通流抵抗の誤差を抑制することができる。また、帰還絞りプレートと帰還マニホールドプレートとを直接貼り合わせるため、帰還絞り路と帰還マニホールドとの間に別のプレートが介在することがなく、プレート数を少なくして製造コストの向上を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本開示に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置の概略構成を示す平面図である。
図2は、液体吐出ヘッドの断面図である。
図3は、帰還絞り路の詳細構成を説明するための模式図である。
図4は、帰還絞り路の変形例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では、全ての図面を通じて同一又は対応する要素には同一の参照符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、本開示は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、および、変更が可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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