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公開番号
2024133723
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-02
出願番号
2024113362,2020539570
出願日
2024-07-16,2019-08-29
発明の名称
抗体半分子、および抗体半分子のホモ二量体形成を抑制する方法
出願人
中外製薬株式会社
代理人
個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
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個人
主分類
C07K
16/00 20060101AFI20240925BHJP(有機化学)
要約
【課題】抗体半分子、および抗体半分子のホモ二量体形成を抑制する方法を提供する。
【解決手段】ヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含み、前記ヒンジ領域における少なくとも一つのシステイン残基が他のアミノ酸残基に置換されており、前記CH2領域におけるEUナンバリングシステムでの334位のアミノ酸残基がアルギニン残基およびリシン残基以外のアミノ酸残基であり、前記CH3領域における立体構造上の界面が不安定化されている、抗体半分子を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含み、前記ヒンジ領域における少なくとも一つのシステイン残基が他のアミノ酸残基に置換されており、前記CH2領域におけるEUナンバリングシステムでの334位のアミノ酸残基がアルギニン残基およびリシン残基以外のアミノ酸残基であり、前記CH3領域における立体構造上の界面が不安定化されている、抗体半分子。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
ホモ二量体形成が抑制されている、請求項1に記載の抗体半分子。
【請求項3】
EUナンバリングシステムでの334位の前記アミノ酸残基が、ヒスチジン残基、システイン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基、アスパラギン残基、プロリン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、トリプトファン残基、チロシン残基、アラニン残基、ロイシン残基、バリン残基、アスパラギン酸残基、およびグルタミン酸残基からなる群から選択される、請求項1または2に記載の抗体半分子。
【請求項4】
前記の少なくとも一つのシステイン残基が、EUナンバリングシステムでの226位および229位のいずれか一方または両方である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体半分子。
【請求項5】
前記CH3領域における立体構造上の前記界面が、EUナンバリングシステムでの397位および409位のいずれか一方または両方のアミノ酸残基の置換により不安定化されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体半分子。
【請求項6】
さらにH鎖の抗原結合領域を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体半分子。
【請求項7】
さらにCH1領域を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体半分子。
【請求項8】
前記CH1領域、前記ヒンジ領域、前記CH2領域および前記CH3領域からなる群から選択される少なくとも1つがヒトIgG由来である、請求項7に記載の抗体半分子。
【請求項9】
単一ドメイン抗体の抗体半分子である、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体半分子。
【請求項10】
さらに抗体のL鎖を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体半分子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体半分子、および抗体半分子のホモ二量体形成を抑制する方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、Fc領域の二量体形成を阻害するアミノ酸置換であって、Fc領域のCH3領域界面内またはその近傍における1つ以上のアミノ酸置換を有する変異型Fc領域を含むモノマー(単量体)ポリペプチドが、診断または治療目的に使われることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2012/020096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、抗体半分子の製造において、当該抗体半分子がホモダイマー(ホモ二量体)を形成しにくく、より簡便に得られる改変および方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、2つの抗体半分子のヒンジ領域間にジスルフィド結合が形成されない改変、および2つの抗体半分子のCH3領域間の相互作用が減弱されるようその界面を不安定化する改変に加えて、CH2領域におけるEUナンバリングシステムでの334位のアミノ酸残基をアルギニン残基およびリシン残基以外のアミノ酸残基に改変することにより、抗体半分子のホモダイマー形成を抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至った。本発明の一態様として、以下の[1]~[21]が例示される。
【0006】
[1]ヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含み、前記ヒンジ領域における少なくとも一つのシステイン残基が他のアミノ酸残基に置換されており、前記CH2領域におけるEUナンバリングシステムでの334位のアミノ酸残基がアルギニン残基およびリシン残基以外のアミノ酸残基であり、前記CH3領域における立体構造上の界面が不安定化されている、抗体半分子。
[2]ホモ二量体形成が抑制されている、[1]に記載の抗体半分子。
[3]EUナンバリングシステムでの334位の前記アミノ酸残基が、ヒスチジン残基、システイン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基、アスパラギン残基、プロリン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、トリプトファン残基、チロシン残基、アラニン残基、ロイシン残基、バリン残基、アスパラギン酸残基、およびグルタミン酸残基からなる群から選択される、[1]または[2]に記載の抗体半分子。
[4]前記の少なくとも一つのシステイン残基が、EUナンバリングシステムでの226位および229位のいずれか一方または両方である、[1]~[3]のいずれかに記載の抗体半分子。
[5]前記CH3領域における立体構造上の前記界面が、EUナンバリングシステムでの397位および409位のいずれか一方または両方のアミノ酸残基の置換により不安定化されている、[1]~[4]のいずれかに記載の抗体半分子。
[6]さらにH鎖の抗原結合領域を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の抗体半分子。
[7]さらにCH1領域を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の抗体半分子。
[8]前記CH1領域、前記ヒンジ領域、前記CH2領域および前記CH3領域からなる群から選択される少なくとも1つがヒトIgG由来である、[7]に記載の抗体半分子。
[9]単一ドメイン抗体の抗体半分子である、[1]~[8]のいずれかに記載の抗体半分子。
[10]さらに抗体のL鎖を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の抗体半分子。
[11]前記L鎖がヒトIgG由来である、[10]に記載の抗体半分子。
[12]以下の(a)、(b)および(c)を含む、抗体半分子の製造におけるヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含む抗体半分子のホモ二量体形成を抑制する方法。
(a) 前記ヒンジ領域における少なくとも一つのシステイン残基の他のアミノ酸への置換
(b) 前記CH2領域におけるEUナンバリングシステムでの334位のアミノ酸残基のアルギニン残基およびリシン残基以外のアミノ酸残基への置換
(c) 前記CH3領域における立体構造上の界面の不安定化
[13]前記(b)が、EUナンバリングシステムでの334位の前記アミノ酸残基のヒスチジン残基、システイン残基、フェニルアラニン残基、グリシン残基、イソロイシン残基、メチオニン残基、アスパラギン残基、プロリン残基、グルタミン残基、セリン残基、トレオニン残基、トリプトファン残基、チロシン残基、アラニン残基、ロイシン残基、バリン残基、アスパラギン酸残基、およびグルタミン酸残基からなる群から選択されるいずれかのアミノ酸残基への置換である、[12]に記載の方法。
[14]前記(a)における前記の少なくとも一つのシステイン残基が、EUナンバリングシステムでの226位および229位のいずれか一方または両方である、[12]または[13]に記載の方法。
[15]前記(c)が、EUナンバリングシステムでの397位および409位のいずれか一方または両方のアミノ酸残基の置換により行われる、[12]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16]前記抗体半分子がさらにH鎖の抗原結合領域を含む、[12]~[15]のいずれかに記載の方法。
[17]前記抗体半分子がさらにCH1領域を含む、[12]~[16]のいずれかに記載の方法。
[18]前記CH1領域、前記ヒンジ領域、前記CH2領域および前記CH3領域から選択される少なくとも1つがヒトIgG由来である、[17]に記載の方法。
[19]前記抗体半分子が単一ドメイン抗体である、[12]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20]前記抗体半分子がさらに抗体のL鎖を含む、[12]~[18]のいずれかに記載の方法。
[21]前記L鎖がヒトIgG由来である、[20]に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、抗体半分子の製造において、当該抗体半分子がダイマーを形成しにくく、より簡便に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
サイズ排除クロマトグラフィーにより、抗体半分子が二量体(whole抗体)を形成するか否かを確認した結果を示した図である。Wはwhole抗体、Hは抗体半分子の溶出位置をそれぞれ示す。
サイズ排除クロマトグラフィーにより、抗体半分子が二量体(whole抗体)を形成するか否かを確認した結果を示した図である。Wはwhole抗体、Hは抗体半分子の溶出位置をそれぞれ示す。
図2-1の続きを示す図である。
図2-2の続きを示す図である。
図2-3の続きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.定義
本明細書において「ポリペプチド」は、複数のアミノ酸がペプチド結合したペプチドすべてを包含する。本明細書においては、ポリペプチドを「ペプチド」または「タンパク質」と呼ぶことがある。
本明細書において「抗原結合領域」は、抗原に結合する活性を有する化合物を意味する。抗原結合領域は、ペプチド性であってもよく、非ペプチド性であってもよい。
【0010】
本明細書において、「CH1」は、抗体のCH1領域の1鎖のポリペプチドを意味する。具体的には、CH1領域は、EUナンバリングシステムでのH鎖118~215位のアミノ酸残基で示される領域であり、本明細書では野生型のほか、野生型においてアミノ酸残基の置換、付加、または欠失させた改変体も包含する。
本明細書において、「CH2」は、抗体のCH2領域の1鎖のポリペプチドを意味する。具体的には、CH2領域は、EUナンバリングシステムでのH鎖231~340位のアミノ酸残基で示される領域であり、本明細書では野生型のほか、野生型においてアミノ酸残基の置換、付加、または欠失させた改変体も包含する。
本明細書において、「CH3」は、抗体のCH3領域の1鎖のポリペプチドを意味する。具体的には、CH3領域は、EUナンバリングシステムでのH鎖341位からC末端までのアミノ酸残基で示される領域であり、本明細書では野生型のほか、野生型においてアミノ酸残基の置換、付加、または欠失させた改変体も包含する。
本明細書において、「CL」は、抗体のCL領域の1鎖のポリペプチドを意味する。具体的には、CL領域は、EUナンバリングシステムでのL鎖108位からC末端までのアミノ酸残基で示される領域であり、本明細書では野生型のほか、野生型においてアミノ酸残基の置換、付加、または欠失させた改変体も包含する。
(【0011】以降は省略されています)
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