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公開番号2024132983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024038216
出願日2024-03-12
発明の名称二液硬化型エポキシ樹脂組成物
出願人三洋化成工業株式会社
代理人
主分類C08G 59/40 20060101AFI20240920BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、低温下でも十分な可使時間と良好な施工性とを有し、かつ保管安定性に優れ、耐熱性に優れる硬化物を与えることができる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)、無機充填剤(D)及び疎水化度が55以上75以下であるヒュームドシリカ(E1)を含有する主剤と、ポリアルキレンポリアミン1モルとビスフェノールAジグリシジルエーテル0.05~0.35モルとの反応物(B)、無機充填剤(D)及び疎水化度が0以上55未満であるヒュームドシリカ(E2)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記硬化剤中の前記(B)の含有量が前記主剤中の前記(A)100重量部に対して10~40重量部である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)、無機充填剤(D)及び疎水化度が55以上75以下であるヒュームドシリカ(E1)を含有する主剤と、ポリアルキレンポリアミン1モルとビスフェノールAジグリシジルエーテル0.05~0.35モルとの反応物(B)、無機充填剤(D)及び疎水化度が0以上55未満であるヒュームドシリカ(E2)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記硬化剤中の前記(B)の含有量が前記主剤中の前記(A)100重量部に対して10~40重量部である二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記(B)の25℃における粘度が500~400000mPa・sである請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
前記(B)がペンタエチレンヘキサミンとビスフェノールAジグリシジルエーテルとの反応物を含有する請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
前記硬化剤が更に脂肪族ポリアミン(C)を含有し、前記(C)の数平均分子量が100~1500であり、かつ前記(C)の活性水素当量が30~200g/eqである請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
土木建築用接着剤である請求項1に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の二液硬化型エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は二液硬化型エポキシ樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、その優れた化学的、物理的特性により土木、注型材料、接着剤等の広範な用途に使用されている。土木建築分野では、加熱の必要のない常温硬化性の二液硬化型エポキシ樹脂組成物が多く用いられており、例えば、木造建築の接合工法の1つであるGIR(グルードインロッド)工法においては、木材に開けた穴に鋼棒等の接合具を挿入し、空隙部に樹脂接着剤を注入ガン等を用いて注入・充填後、硬化させることにより木材同士を接合する。
GIR工法は屋外で施工されるため、用いられる樹脂接着剤は、冬期あるいは寒冷地等の低温下においても十分な可使時間及び施工性(注入性及び充填性等)を確保できることが求められる。
また近年、環境保全等の観点から木造高層建築が注目されている。木造高層建築に使用される部材には、建築基準に応じて従来の低層建築に比べ高い耐熱性及び耐火性が必要であり、GIR工法用接着剤用途等の木造建築用に使用されるエポキシ樹脂組成物においては、硬化物の耐熱性及び耐火性の向上が望まれている。
【0003】
土木建築分野に使用されるエポキシ樹脂組成物として、特許文献1では、スチレン化フェノールを含むことを特徴とする2液型エポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献1に記載の組成物は0℃以下でも硬化し実用強度に到達し、可使時間を有し、低温でも注入可能な粘度であるが、硬化物の耐熱性は不足していた。
特許文献2では、オキシラン環を分子内に少なくとも2つ以上有するエポキシ樹脂と、アミン系化合物、及びその変性物よりなる群から選ばれた1種以上の化合物と、ハロゲン化ホウ素又はその錯体からなる化合物の少なくとも一方から選ばれた1種以上の化合物と、フェノール系化合物とを必須成分として含有してなる常温硬化性エポキシ樹脂組成物が提案されている。特許文献2に記載の組成物では、硬化物の力学的性質と、低温下における硬化性及び十分な可使時間を両立可能だが、硬化物の耐熱性については考慮されておらず、また組成物の保管安定性が不足していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-88348号公報
特開2017-105995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低温下でも十分な可使時間と良好な施工性とを有し、かつ保管安定性に優れ、耐熱性に優れる硬化物を与えることができる二液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
なお、本発明において「良好な施工性」とは、使用時の注入性及び充填性に優れることを意味する。「硬化物の耐熱性に優れる」とは、硬化物の高温下での強度保持率が高く、かつエポキシ樹脂組成物で接合した部材間の接着強度が高温下でも維持されることを意味する。
上記「高温」とは、例えば、後述する耐熱性試験の温度(T

)であり、木造建築用途に使用する場合は100℃前後である。「低温」とは、冬季又は寒冷地の外気温を想定しており、5~10℃程度である。
また、本発明におけるTgとは、動的粘弾性の温度依存性測定を後述の条件で行った際の損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)が最大になる温度を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)、無機充填剤(D)及び疎水化度が55以上75以下であるヒュームドシリカ(E1)を含有する主剤と、ポリアルキレンポリアミン1モルとビスフェノールAジグリシジルエーテル0.05~0.35モルとの反応物(B)、無機充填剤(D)及び疎水化度が0以上55未満であるヒュームドシリカ(E2)を含有する硬化剤とからなる二液硬化型エポキシ樹脂組成物であり、前記硬化剤中の前記(B)の含有量が前記主剤中の前記(A)100重量部に対して10~40重量部である二液硬化型エポキシ樹脂組成物;該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、低温下でも十分な可使時間と良好な施工性(注入性及び充填性等)とを有し、かつ保管安定性に優れ、硬化物の耐熱性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の二液硬化型エポキシ樹脂組成物は、5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)、無機充填剤(D)及び疎水化度が55以上75以下であるヒュームドシリカ(E1)を含有する主剤と、ポリアルキレンポリアミン1モルとビスフェノールAジグリシジルエーテル0.05~0.35モルとの反応物(B)、無機充填剤(D)及び疎水化度が0以上55未満であるヒュームドシリカ(E2)を含有する硬化剤とからなる。
【0009】
<5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)>
本発明における5℃において液状である多価エポキシ化合物(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有する5℃において液状の化合物、または分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物を混合してなる5℃において液状の混合物であり、多価エポキシ化合物(A)としては、下記ポリグリシジルエーテル(A1)、ポリグリシジルエステル(A2)、ポリアミンのポリグリシジルアミン(A3)、その他の多価エポキシ化合物(A4)、及びこれらの2種又はそれ以上の混合物等が挙げられる。
多価エポキシ化合物(A)が2種以上の混合物である場合、混合物として5℃において液状であれば、単独では5℃において固状のものを含んでいてもよい。
なお、5℃において液状であるかの判定は、試験温度を20℃から5℃に変更する以外は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行うことができる。
【0010】
(A1)ポリグリシジルエーテル
ポリグリシジルエーテル(A1)は、ポリオール化合物が有する2個以上の水酸基から水素原子を除いた残基とグリシジル基とからなるエーテル化合物であり、以下の(A11)~(A16)のポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
(A11)2価フェノール[炭素数(以下Cと略記することがある)6~30]のジグリシジルエーテル
ビスフェノール(ビスフェノールF、-A、-B、-AD及び-S等)ジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールA(テトラクロロビスフェノールA等)ジグリシジルエーテル、単環2価フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)ジグリシジルエーテル、縮合多環2価フェノール[1,5-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、オクタクロロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル、9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン等]のジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
(【0011】以降は省略されています)

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