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公開番号
2024114299
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-23
出願番号
2023019974
出願日
2023-02-13
発明の名称
アロイ樹脂
出願人
信越ポリマー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
27/06 20060101AFI20240816BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、流動性が高く、射出成形性が良好なアロイ樹脂を提供することを目的とする。
【解決手段】平均重合度が600以上1000以下である第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、平均重合度が300以上600未満である第二の塩化ビニル系樹脂(B)と、メチルメタクリレート系樹脂(C)と、を含み、前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の、JIS K7210-1に従って、温度230℃、荷重37.3Nの条件で測定されるメルトフローレートが2.0g/10分以上15.0g/10分以下である、アロイ樹脂。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
平均重合度が600以上1000以下である第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、
平均重合度が300以上600未満である第二の塩化ビニル系樹脂(B)と、
メチルメタクリレート系樹脂(C)と、を含み、
前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の、JIS K7210-1に従って、温度230℃、荷重37.3Nの条件で測定されるメルトフローレートが2.0g/10分以上15.0g/10分以下である、アロイ樹脂。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の重量平均分子量が10,000以上200,000以下であり、前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の数平均分子量が5,000以上100,000以下である、請求項1に記載のアロイ樹脂。
【請求項3】
前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)との合計100質量部に対して、
前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の配合割合が20質量部以上65質量部以下である、請求項1又は2に記載のアロイ樹脂。
【請求項4】
前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)の配合割合が20質量部以上70質量部以下である、請求項3に記載のアロイ樹脂。
【請求項5】
前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)とを含む塩化ビニル系樹脂の、JIS K7210-1に従って、温度200℃、荷重98.1Nの条件で測定されるメルトフローレートが10.0g/10分以上30.0g/10分以下である、請求項4に記載のアロイ樹脂。
【請求項6】
JIS K7210-1に従って、温度200℃、荷重98.1Nの条件で測定されるメルトフローレートが7.0g/10分以上20.0g/10分以下である、請求項1又は2に記載のアロイ樹脂。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロイ樹脂に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
塩化ビニル系樹脂は、一般に難燃性及び耐薬品性に優れるため、パイプ、一般建材等の用途に広く用いられている。また、塩化ビニル系樹脂の特性を改善する目的で、メチルメタクリレート系樹脂やアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂等をアロイとして添加することも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭61-014246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塩化ビニル系樹脂とメチルメタクリレート系樹脂とのアロイ樹脂を射出成形した成形品は、表面硬度が高く、耐傷付き性に優れ、耐候性や耐衝撃性にも優れる。
しかしながら、塩化ビニル系樹脂とメチルメタクリレート系樹脂とのアロイ樹脂は、流動性が低く、射出成形性に劣るという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、流動性が高く、射出成形性が良好なアロイ樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の態様を有する。
[1]平均重合度が600以上1000以下である第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、
平均重合度が300以上600未満である第二の塩化ビニル系樹脂(B)と、
メチルメタクリレート系樹脂(C)と、を含み、
前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の、JIS K7210-1に従って、温度230℃、荷重37.3Nの条件で測定されるメルトフローレートが2.0g/10分以上15.0g/10分以下である、アロイ樹脂。
[2]前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の重量平均分子量が10,000以上200,000以下であり、前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の数平均分子量が5,000以上100,000以下である、[1]に記載のアロイ樹脂。
[3]前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)との合計100質量部に対して、
前記メチルメタクリレート系樹脂(C)の配合割合が20質量部以上65質量部以下である、[1]又は[2]に記載のアロイ樹脂。
[4]前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)100質量部に対して、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)の配合割合が20質量部以上70質量部以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のアロイ樹脂。
[5]前記第一の塩化ビニル系樹脂(A)と、前記第二の塩化ビニル系樹脂(B)とを含む塩化ビニル系樹脂の、JIS K7210-1に従って、温度200℃、荷重98.1Nの条件で測定されるメルトフローレートが10.0g/10分以上30.0g/10分以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のアロイ樹脂。
[6]JIS K7210-1に従って、温度200℃、荷重98.1Nの条件で測定されるメルトフローレートが7.0g/10分以上20.0g/10分以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のアロイ樹脂。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、流動性が高く、射出成形性が良好なアロイ樹脂を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[アロイ樹脂]
本発明のアロイ樹脂は、第一の塩化ビニル系樹脂(A)(以下、「PVC系樹脂(A)」ともいう。)と、第二の塩化ビニル系樹脂(B)(以下、「PVC系樹脂(B)」ともいう。)と、メチルメタクリレート系樹脂(C)(以下、「MMA系樹脂(C)」ともいう。)と、を含むアロイ樹脂である。
本発明のアロイ樹脂は、MMA系樹脂(C)の、JIS K7210-1に従って、温度230℃、荷重37.3Nの条件で測定されるメルトフローレートが2.0g/10分以上15.0g/10分以下である。
【0009】
アロイ樹脂の、JIS K7210-1に従って、温度200℃、荷重98.1Nの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)は、例えば、7.0g/10分以上20.0g/10分以下が好ましく、8.0g/10分以上17.0g/10分以下がより好ましく、9.0g/10分以上14.0g/10分以下がさらに好ましい。アロイ樹脂のMFRが上記下限値以上であると、射出成形性をより高められる。アロイ樹脂のMFRが上記上限値以下であると、成形品の表面硬度をより高められる。
アロイ樹脂のMFRは、PVC系樹脂(A)の平均重合度と含有量、PVC系樹脂(B)の平均重合度と含有量、MMA系樹脂(C)の種類と含有量、添加剤の種類と含有量、及びこれらの組合せによって調節できる。
【0010】
アロイ樹脂のビカット軟化温度は、例えば、75℃以上100℃以下が好ましく、80℃以上95℃以下がより好ましい。アロイ樹脂のビカット軟化温度が上記下限値以上であると、熱安定性が良好で、成形品の変形を小さくできる。アロイ樹脂のビカット軟化温度が上記上限値以下であると、流動性が良好で、射出成形性をより高められる。
アロイ樹脂のビカット軟化温度は、PVC系樹脂(A)の平均重合度と含有量、PVC系樹脂(B)の平均重合度と含有量、MMA系樹脂(C)の種類と含有量、及びこれらの組合せによって調節できる。
アロイ樹脂のビカット軟化温度は、JIS K7206に記載のB50法に準じて測定できる。
(【0011】以降は省略されています)
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