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公開番号2024145789
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058287
出願日2023-03-31
発明の名称樹脂シート
出願人三井化学ファイン株式会社
代理人個人
主分類C08J 9/06 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】回復時の過度な負荷を軽減できるストレッチバンドが得られる樹脂シートを提供する。
【解決手段】本発明の樹脂シートは、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、以下の手順で求められる割合(M2/M1×100)(%)が10%以上、80%以下である、樹脂シート。[手順]当該樹脂シートを用いて、長尺方向が当該樹脂シートのMD方向となるように試験片を作成し、初期のチャック間距離30mm、伸長時のチャック間距離45mmとして、環境温度23℃、変形量1000%/分で伸長回復試験をおこなう。横軸を引張歪量(%)、縦軸を引張応力(MPa)とし、引張歪量が30%時の往路の引張応力M1と、復路の引張応力M2の割合(M2/M1×100)(%)を求める。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含むものであり、
以下の手順で求められる割合(M2/M1×100)(%)が10%以上、80%以下である、樹脂シート。
[手順]
当該樹脂シートを用いて、長尺方向が当該樹脂シートのMD方向となるように試験片を作成し、初期のチャック間距離30mm、伸長時のチャック間距離45mmとして、環境温度23℃、変形速度1000%/分で伸長回復試験をおこなう。横軸を引張歪量(%)、縦軸を引張応力(MPa)とし、引張歪量が30%時の往路の引張応力M1と、復路の引張応力M2の割合(M2/M1×100)(%)を求める。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記手順において、引張歪量が10%時の往路の引張応力(MPa)が0.1MPa以上1.0MPa以下である、請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項3】
前記手順において、前記引張応力(MPa)の最大値が0.4MPa以上1.8MPa以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項4】
前記手順において、引張歪量が40%時の復路の引張応力(MPa)が0.1MPa以上1.0MPa以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項5】
以下の条件で測定される当該試験片の永久ひずみが1%以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
<条件>
当該樹脂シートを用いて、長尺方向が当該樹脂シートのMD方向となるように25mm幅の試験片を作成し、標線(初期の標線間距離L0=50mm)を設ける。初期チャック間距離100mm、伸長時のチャック間距離200mm、引張速度300mm/分、環境温度23℃、で引張り、伸長した状態で20分間保持した後、直ちに初期チャック間距離まで300mm/分で戻し、試験片を取り外し、平坦な台上に1時間静置した後の標線間距離L1を測定する。初期の標線間距離L0と前記平坦な台上に1時間静置した後の前記標線間距離L1の変化率(L1-L0)/L0(%)を永久ひずみとする。
【請求項6】
前記樹脂シートの厚みが0.1mm~10mmである、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項7】
前記樹脂シートの密度が0.1g/cm

~1.0g/cm

である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項8】
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し、40~80質量%であり、
熱可塑性エラストマー(B)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し20~60質量%である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項9】
熱可塑性エラストマー(B)が、熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性アミド系エラストマー、熱可塑性ウレタン系エラストマー、および熱可塑性エステル系エラストマーの中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項10】
熱可塑性エラストマー(B)のショアA硬度がA20~A80である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートに関する。より詳細には、樹脂シート、樹脂シートを用いた生地積層体および運動器具に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
4-メチル-1-ペンテンを主たる構成モノマーとする4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた樹脂シートは、優れた柔軟性や伸縮性を有し、良好な肌触りが得られることなどから、衛生材料、衣料用材料、医療用材料など、各種用途に広く使用されることが期待されている。例えば、特許文献1(国際公開第2018/143411号)には、4-メチル-1-ペンテン系重合体を発泡させたシートをそのまま着圧サポーターに用いる例が開示されている。
【0003】
一方、健康増進などの点から行われる軽度な運動やストレッチ運動では、筋肉や関節に適度な負荷をかけることが望ましいとされている。例えば、特許文献2(特開2020-028689号公報)には、ゴム素材を用いたストレッチバンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/143411号
特開2020-028689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示されるような従来のゴム素材を用いたストレッチバンドは、力を加えて伸長した際少しでも力を弱めると急速に収縮してしまうため、関節に負荷がかかったり、ゆっくり戻すために過剰な力が必要になるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者は、4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた樹脂シートの新たな用途に関し、特許文献1などでは開示されていないストレッチバンドとしての用途に着目した。そして、特許文献2に開示されるような従来のゴム素材を用いたストレッチバンドにおける回復時の過度な負担を軽減する鋭意検討を行い、樹脂シートの引張応力の往路と復路に関する新たな指標を考案した。すなわち、引張応力の往路と復路を同時に制御するように樹脂シートを作製することで、回復時の過度な負荷を軽減できるストレッチバンドが得られることを見出し、本発明を完成させた
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂シートおよびこれに関する技術が提供される。
【0008】
[1] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含むものであり、
以下の手順で求められる割合(M2/M1×100)(%)が10%以上、80%以下である、樹脂シート。
[手順]
当該樹脂シートを用いて、長尺方向が当該樹脂シートのMD方向となるように試験片を作成し、初期のチャック間距離30mm、伸長時のチャック間距離45mmとして、環境温度23℃、変形速度1000%/分で伸長回復試験をおこなう。横軸を引張歪量(%)、縦軸を引張応力(MPa)とし、引張歪量が30%時の往路の引張応力M1と、復路の引張応力M2の割合(M2/M1×100)(%)を求める。
[2] 前記手順において、引張歪量が10%時の往路の引張応力(MPa)が0.1MPa以上1.0MPa以下である、[1]に記載の樹脂シート。
[3] 前記手順において、前記引張応力(MPa)の最大値が0.4MPa以上1.8MPa以下である、[1]または[2]に記載の樹脂シート。
[4] 前記手順において、引張歪量が40%時の復路の引張応力(MPa)が0.1MPa以上1.0MPa以下である、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[5] 以下の条件で測定される当該試験片の永久ひずみが1%以下である、[1]乃至[4]いずれか一つに記載の樹脂シート。
<条件>
当該樹脂シートを用いて、長尺方向が当該樹脂シートのMD方向となるように25mm幅の試験片を作成し、標線(初期の標線間距離L0=50mm)を設ける。初期チャック間距離100mm、伸長時のチャック間距離200mm、引張速度300mm/分、環境温度23℃、で引張り、伸長した状態で20分間保持した後、直ちに初期チャック間距離まで300mm/分で戻し、試験片を取り外し、平坦な台上に1時間静置した後の標線間距離L1を測定する。初期の標線間距離L0と前記平坦な台上に1時間静置した後の前記標線間距離L1の変化率(L1-L0)/L0(%)を永久ひずみとする。
[6] 前記樹脂シートの厚みが0.1mm~10mmである、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[7] 前記樹脂シートの密度が0.1g/cm

~1.0g/cm

である、[1]乃至[6]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[8] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し、40~80質量%であり、
熱可塑性エラストマー(B)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し20~60質量%である、[1]乃至[7]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[9] 熱可塑性エラストマー(B)が、熱可塑性スチレン系エラストマー、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、および熱可塑性ポリエステル系エラストマーの中から選ばれる1種または2種以上である、[1]乃至[8]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[10] 熱可塑性エラストマー(B)のショアA硬度がA20~A80である、[1]乃至[9]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[11] 鉱油の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し5質量%以上20質量%以下である、[1]乃至[10]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[12] [1]乃至[10]いずれか一つに記載の樹脂シートの少なくとも一方の面に生地が貼り合わされた、生地積層体。
[13] [1]乃至[10]いずれか一つに記載の樹脂シートを用いた、運動器具。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回復時の過度な負荷を軽減できるストレッチバンドが得られる樹脂シート、およびこれに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1~5の各引張回復試験の結果を示すグラフ図である。
比較例1、2の各引張回復試験の結果を示すグラフ図である。
比較例3、4の各引張回復試験の結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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