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公開番号2024109047
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023216555
出願日2023-12-22
発明の名称ポリオレフィンフィルムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 7/00 20060101AFI20240805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、蒸発させたアルミニウムやシリカなどの金属をフィルムの表面に薄膜化する蒸着工程での優れたフィルム加工性、フィルムコンデンサとして優れた耐電圧特性を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、処理ロール上で、電極により搬送フィルムにコロナ放電処理を施す工程において、前記処理ロールと前記電極との距離が1.5mm以上2.5mm以下であり、前記搬送フィルムの走行速度が200m/min以上300m/mim以下であり、かつ前記電極の放電電力値が3.5kW以上11.9kW以下であることを特徴とする、ポリオレフィンフィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
処理ロール上で、電極により搬送フィルムにコロナ放電処理を施す工程(コロナ放電工程)を有する、ポリオレフィンフィルムの製造方法であって、前記コロナ放電工程において、前記処理ロールと前記電極との距離が1.5mm以上2.5mm以下であり、前記搬送フィルムの走行速度が200m/min以上300m/mim以下であり、かつ前記電極の放電電力値が3.5kW以上11.9kW以下であることを特徴とする、ポリオレフィンフィルムの製造方法。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記コロナ放電工程において、下記式1で表される前記搬送フィルムが受ける放電量が0.0018kW・min/m

以上0.0068kW・min/m

以下である、請求項1に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
式1:搬送フィルムが受ける放電量(kW・min/m

)=電極の放電電力値(kW)/電極長(m)×搬送フィルムの走行速度(m/min)
【請求項3】
前記コロナ放電工程において、下記式2で表される前記搬送フィルムへ放電される放電度(kW/m

)が13.6kW/m

以上51.0kW/m

以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
式2:搬送フィルムへ放電される放電度(kW/m

)=電極の放電電力値(kW)/電極面積(m


【請求項4】
前記ポリオレフィンフィルムの耐電圧が500v/μm以上700v/μm以下であり、かつ、前記コロナ放電工程において放電を受けた面の濡れ張力が45.0mN/m以上51.0mN/m以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
【請求項5】
前記ポリオレフィンフィルムの厚みが1.0μm以上4.0μm以下ある、請求項1又は請求項2に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサの誘電体として用いた際に、高温・高電圧環境下において高い耐電圧性を有するポリオレフィンフィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリオレフィンフィルムは、透明性、機械特性、及び電気特性などに優れるため、包装用途、テープ用途、及びケーブルラッピングやフィルムコンデンサをはじめとする電気用途などの様々な用途に用いられている。
【0003】
中でもフィルムコンデンサ用途においては、その優れた高耐電圧特性、低損失特性から、フィルムコンデンサの誘電体として特に好ましく用いられている。最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いフィルムコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まってきている。さらに、特に自動車(ハイブリッドカーや電気自動車を含む。)や太陽光発電、風力発電等の用途では使用環境の高温化(85℃以上125℃以下を示す。)が進んでおり、フィルムコンデンサに対する耐熱化要求が高まっている。
【0004】
フィルムコンデンサの耐熱化とは高温下での耐電圧向上を意味するものであり、これと小型化を同時に実現するには、フィルムコンデンサに用いるポリオレフィンフィルムの薄膜化と耐電圧性を両立することが必要となる。これまで、このようなポリオレフィンフィルムを製造する製造方法として、フィルム製造工程におけるフィルムへの温度調整および、縦横の延伸比と延伸倍率および延伸速度を調整する方法が知られている(例えば、特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-191059号公報
特表2012-511446号公報
特開2021-152131号公報
特開2022-088132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の製造方法では、フィルムの表面に薄膜化する蒸着工程での優れたフィルム加工性、フィルムコンデンサとして優れた耐電圧特性に優れるポリオレフィンフィルムを製造することが困難であった。そこで本発明は、上記課題を解決し、蒸着工程での加工性と耐電圧特性を両立したポリオレフィンフィルムを製造することができる、ポリオレフィンフィルムの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のポリオレフィンフィルムの製造方法は以下の構成よりなる。
(1) 処理ロール上で、電極により搬送フィルムにコロナ放電処理を施す工程(コロナ放電工程)を有する、ポリオレフィンフィルムの製造方法であって、前記コロナ放電工程において、前記処理ロールと前記電極との距離が1.5mm以上2.5mm以下であり、前記搬送フィルムの走行速度が200m/min以上300m/mim以下であり、かつ前記電極の放電電力値が3.5kW以上11.9kW以下であることを特徴とする、ポリオレフィンフィルムの製造方法。
(2) 前記コロナ放電工程において、下記式1で表される前記搬送フィルムが受ける放電量が0.0018kW・min/m

以上0.0068kW・min/m

以下である、(1)に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
式1:搬送フィルムが受ける放電量(kW・min/m

)=電極の放電電力値(kW)/電極長(m)×搬送フィルムの走行速度(m/min)
(3) 前記コロナ放電工程において、下記式2で表される前記搬送フィルムへ放電される放電度(kW/m

)が13.6kW/m

以上51.0kW/m

以下である、(1)又は(2)に記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
式2:搬送フィルムへ放電される放電度(kW/m

)=電極の放電電力値(kW)/電極面積(m


(4) 前記ポリオレフィンフィルムの耐電圧が500v/μm以上700v/μm以下であり、かつ、前記コロナ放電工程において放電を受けた面の濡れ張力が45.0mN/m以上51.0mN/m以下である、(1)から(3)のいずれかに記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
(5) 前記ポリオレフィンフィルムの厚みが1.0μm以上4.0μm以下ある、(1)から(4)のいずれかに記載のポリオレフィンフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、蒸着工程での加工性と耐電圧特性を両立することができる、ポリオレフィンフィルムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のポリオレフィンフィルムの製造方法における処理ロールの一態様を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のポリオレフィンフィルムの製造方法は、処理ロール上で、電極により搬送フィルムにコロナ放電処理を施す工程(コロナ放電工程)を有する、ポリオレフィンフィルムの製造方法であって、前記コロナ放電工程において、前記処理ロールと前記電極との距離が1.5mm以上2.5mm以下であり、前記搬送フィルムの走行速度が200m/min以上300m/mim以下であり、かつ前記電極の放電電力値が3.5kW以上11.9kW以下であることを特徴とする。以下、本発明のポリオレフィンフィルムの製造方法について、さらに詳しく説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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