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公開番号
2025086632
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-09
出願番号
2023200737
出願日
2023-11-28
発明の名称
ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
出願人
横浜ゴム株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
9/00 20060101AFI20250602BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】氷雪路面では、一般路面に比べて摩擦係数が低下し、滑りやすくなる。そこで従来、スタッドレスタイヤの氷上性能(氷上での制動性)を向上させるために数多くの手法が提案されているが、さらなる改善が求められる。
【解決手段】ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、および外殻が多孔質である中空シリカを0.5~30質量部含有することを特徴としているので、従来技術よりも氷上性能をさらに高めたゴム組成物を提供できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、および外殻が多孔質である中空シリカを0.5~30質量部含有することを特徴とするゴム組成物。
続きを表示(約 250 文字)
【請求項2】
前記外殻が多孔質である中空シリカの平均粒子径が、1μm~1000μmであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項3】
前記外殻が多孔質である中空シリカの全体積に対し、中空部の割合が30%以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項4】
前記ジエン系ゴムが、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のゴム組成物を用いてなる冬用タイヤ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものであり、詳しくは、氷上性能に優れるゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
氷雪路面では、一般路面に比べて摩擦係数が低下し、滑りやすくなる。そこで従来、スタッドレスタイヤの氷上性能(氷上での制動性)を向上させるために数多くの手法が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、ジエン系ゴムと、多孔質の発泡ガラス粒子とを含み、前記発泡ガラス粒子の空隙率は80%以下である、タイヤ用ゴム組成物が開示されている。
また下記特許文献2には、ゴムにシリカ質の中空微粒子を該中空微粒子の一部が露出するように含有することを特徴とするゴム組成物が開示されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1~2にはいずれも、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤、並びに、外殻が多孔質である中空シリカを特定量で配合し、氷上性能を高めようとする技術思想は何も開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-100342号公報
特開2010-150483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、従来技術よりも氷上性能をさらに高めたゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムに対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤、並びに、外殻が多孔質である中空シリカを特定量で配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、および外殻が多孔質である中空シリカを0.5~30質量部含有することを特徴とするゴム組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/または白色充填剤を30~100質量部、および外殻が多孔質である中空シリカを0.5~30質量部含有することを特徴としているので、従来技術よりも氷上性能をさらに高めたゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することを提供することができる。
【0008】
外殻が多孔質である中空シリカは、外殻の多孔質部分と内部の空洞をなす中空部が共に路面の水を吸水する能力が高く、摩擦係数の低下を抑制し、これにより氷上性能を高める効果を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等を挙げることができる。また本発明で使用されるジエン系ゴムは、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
上記ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、100,000~5,000,000であることが好ましく、200,000~3,000,000であることがより好ましく、300,000~2,000,000であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値である。
また、氷上性能を向上させるという観点から、ジエン系ゴムは、天然ゴムおよびブタジエンゴムを含むことが好ましく、ジエン系ゴム100質量部中、ブタジエンゴムが30質量部以上であるのが好ましく、40質量部以上であるのがさらに好ましい。
なお本発明で言う天然ゴム(NR)は、合成イソプレンゴム(IR)を含むものとする。
また、ジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が-50℃以下であることが好ましい。このようにTgを規定することにより、氷上性能が向上する。
なおジエン系ゴムが複数種類含まれる場合において、本明細書で言うTgは、各ゴムのガラス転移温度に、各ゴムの重量分率を乗じた積の合計、すなわち加重平均に基づき算出される値とする。なお計算時には各成分の重量分率の合計を1.0とする。本発明で言うガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度を指すものとする。
さらに好ましい前記平均Tgは、-60℃以下である。
(【0011】以降は省略されています)
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