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公開番号2025095784
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212073
出願日2023-12-15
発明の名称空気入りタイヤ及びその製造方法
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 5/00 20060101AFI20250619BHJP(車両一般)
要約【課題】タイヤのバランスを改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部1におけるタイヤ内面Tsにタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材10が貼り付けられ、吸音材10がタイヤ周方向の一箇所に欠落部11を有し、欠落部11のタイヤ周方向の長さA[mm]とリム径RD[mm]とタイヤの外径OD[mm]とタイヤの総厚さGa[mm]と吸音材10の密度d[kg/m³]と吸音材10の幅w[mm]と吸音材10の厚さu[mm]とは式(1)を満たす。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部におけるタイヤ内面にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材が貼り付けられ、該吸音材がタイヤ周方向の一箇所に欠落部を有し、記欠落部のタイヤ周方向の長さＡ［ｍｍ］とリム径ＲＤ［ｍｍ］とタイヤの外径ＯＤ［ｍｍ］とタイヤの総厚さＧａ［ｍｍ］と前記吸音材の密度ｄ［ｋｇ／ｍ
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］と前記吸音材の幅ｗ［ｍｍ］と前記吸音材の厚さｕ［ｍｍ］とが下記式（１）を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
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2025095784000006.tif
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続きを表示（約 980 文字）【請求項２】
前記タイヤ内面にタイヤ周方向に沿ってシーラント層が形成され、前記吸音材が前記シーラント層により前記タイヤ内面に固定されていることを特徴とする請求項１に記載の空気入りタイヤ。
【請求項３】
前記シーラント層のシーラントのガラス転移温度と前記吸音材のガラス転移温度との差の絶対値が６０℃以下であることを特徴とする請求項２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項４】
前記欠落部のタイヤ周方向の長さＡ［ｍｍ］と前記吸音材の厚さｕ［ｍｍ］との比Ａ／ｕが０．５～６．０の範囲にあることを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項５】
前記シーラント層のシーラントのガラス転移温度が前記吸音材のガラス転移温度と同等又はそれよりも低く、前記吸音材のガラス転移温度が－６０℃～－４０℃の範囲にあることを特徴とする請求項２又は３に記載の空気入りタイヤ。
【請求項６】
前記吸音材の温度ｔ［℃］が少なくとも－２０℃～８０℃の範囲にあるときに前記吸音材の破断伸度ｙ［％］が該吸音材の温度ｔ［℃］に対してｙ≧ｔ＋１００かつｙ≦２ｔ＋４４０の関係を満たすことを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項７】
前記シーラント層のシーラントがシリコーン系組成物から構成されることを特徴とする請求項２又は３に記載の空気入りタイヤ。
【請求項８】
前記タイヤ内面にシリコーン系組成物を含む離型層を有し、前記トレッド部における前記離型層のタイヤ径方向内側に前記シーラント層が形成され、前記離型層に対する水の接触角と前記シーラント層に対する水の接触角との差の絶対値が３０°以下であることを特徴とする請求項７に記載の空気入りタイヤ。
【請求項９】
前記シーラント層のシーラントを構成するシリコーン系組成物が２液硬化型シリコーンであることを特徴とする請求項７に記載の空気入りタイヤ。
【請求項１０】
タイヤ径方向最内側に位置するベルト層の全ての箇所において、該ベルト層から前記シーラント層までの距離Ｌが１０ｍｍ以下であることを特徴とする請求項２又は３に記載の空気入りタイヤ。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤのバランスを改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
タイヤ騒音を発生させる原因の一つにタイヤ空洞部に充填された空気の振動による空洞共鳴音がある。この空洞共鳴音は、車両走行時に路面と接地するタイヤのトレッド部が路面の凹凸によって振動し、この振動がタイヤ空洞部内の空気を振動させることによって生じる。この空洞共鳴音の中でも特定の周波数帯域の音が騒音として知覚されるので、その周波数帯域の音圧レベル（騒音レベル）を低下させることが空洞共鳴音を低減するうえで重要である。
【０００３】
このような空洞共鳴現象による騒音を低減させる方法として、スポンジ等の多孔質材料からなる吸音材をタイヤ内面に直接接着することが行われている。更に、吸音材に対して、タイヤ周方向の少なくとも１箇所に欠落部（隙間）を設けることが提案されている（例えば、特許文献１参照）。しかしながら、吸音材のタイヤ周方向の一部に隙間を設けた場合、タイヤサイズや吸音材の各種寸法等との関係で、隙間のタイヤ周方向の長さが過大であるとタイヤのバランスが悪化するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開第２０１５／０７６３８０号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明の目的は、タイヤのバランスを改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部におけるタイヤ内面にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材が貼り付けられ、該吸音材がタイヤ周方向の一箇所に欠落部を有し、記欠落部のタイヤ周方向の長さＡ［ｍｍ］とリム径ＲＤ［ｍｍ］とタイヤの外径ＯＤ［ｍｍ］とタイヤの総厚さＧａ［ｍｍ］と前記吸音材の密度ｄ［ｋｇ／ｍ
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］と前記吸音材の幅ｗ［ｍｍ］と前記吸音材の厚さｕ［ｍｍ］とが下記式（１）を満たすことを特徴とするものである。
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【０００７】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上述の空気入りタイヤを製造する方法であって、前記吸音材及びシーラント層を除く空気入りタイヤを製造した後、前記トレッド部におけるタイヤ内面にシーラントを塗布して前記シーラント層を形成するにあたって、前記タイヤ内面に塗布される前記シーラントの温度を７０℃以下に設定し、前記シーラント層のタイヤ径方向内側にタイヤ周方向に沿って吸音材を設置することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００８】
本発明者は、動的バランスと静的バランスとモーメントバランスの関係性を考慮して、吸音材によるタイヤのバランスへの影響について鋭意研究した結果、吸音材の影響が静的バランスに顕在化していることを知見した。これに基づいて、本発明者は、静的バランスに着目して吸音材の構成を特定することが重要であることを知見し、本発明に至ったのである。
【０００９】
本発明では、吸音材の欠落部のタイヤ周方向の長さＡが上記式（１）を満たすように設定されることで、タイヤサイズ及び吸音材の各種寸法等に応じてタイヤ周方向の長さＡが適正化され、バランスに優れたタイヤを得ることができる。
【００１０】
本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面にタイヤ周方向に沿ってシーラント層が形成され、吸音材はシーラント層によりタイヤ内面に固定されていると良い。
（【００１１】以降は省略されています）

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