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公開番号2025095786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212075
出願日2023-12-15
発明の名称空気入りタイヤ及びその製造方法
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 1/00 20060101AFI20250619BHJP(車両一般)
要約【課題】タイヤ内面とシーラント層の接着性を高め、タイヤの耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えた空気入りタイヤにおいて、トレッド部1におけるタイヤ内面Tsにシーラント層20が形成され、シーラント層20のシーラントがシリコーン系組成物から構成され、少なくともシーラント層20の配置領域における離型剤のケイ素の量が10.0%以下である、或いは少なくともシーラント層20の配置領域における離型剤の厚さが100μm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部におけるタイヤ内面にシーラント層が形成され、該シーラント層のシーラントがシリコーン系組成物から構成され、少なくとも前記シーラント層の配置領域における離型剤のケイ素の量が１０．０％以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
続きを表示（約 760 文字）【請求項２】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部におけるタイヤ内面にシーラント層が形成され、該シーラント層のシーラントがシリコーン系組成物から構成され、少なくとも前記シーラント層の配置領域における離型剤の厚さが１００μｍ以下であることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項３】
前記シーラント層の接着強度が０．１Ｎ／ｍｍ～１０．０Ｎ／ｍｍの範囲にあることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項４】
タイヤ径方向最内側に位置するベルト層の全ての箇所において、該ベルト層から前記シーラント層までの距離Ｌが１０ｍｍ以下であることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項５】
前記シーラント層の厚さが２．０ｍｍ～５．０ｍｍの範囲にあることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項６】
前記シーラントを構成するシリコーン系組成物が２液硬化型シリコーンであることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気入りタイヤ。
【請求項７】
請求項１又は２に記載の空気入りタイヤを製造する方法であって、
前記シーラント層を除く空気入りタイヤを製造した後、
前記トレッド部におけるタイヤ内面にシリコーン系組成物からなるシーラントを塗布して前記シーラント層を形成するにあたって、前記タイヤ内面に塗布される前記シーラントの温度を７０℃以下にすることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、トレッド部におけるタイヤ内面にシーラント層を備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤ内面とシーラント層の接着性を高め、タイヤの耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
パンクシール性を有する空気入りタイヤとして、トレッド部におけるタイヤ内面に粘着性シーラントからなるシーラント層を配置したものが提案されている（例えば、特許文献１）。このようなシーラント層を備えた空気入りタイヤにおいては、釘等の異物がトレッド部に突き刺さった際に、粘着性シーラントが異物に纏わり付き、その異物の脱落に伴って粘着性シーラントがパンク穴に導かれてシール効果を発揮する。
【０００３】
一方、空気入りタイヤの製造工程において、ブラダーを用いてグリーンタイヤを加硫する際、ブラダーとグリーンタイヤの内面とはブラダーが貼り付き易いため、グリーンタイヤの内面に離型剤を塗布することにより、グリーンタイヤとブラダーとの貼り付きを防止することが行われている。しかしながら、加硫後のタイヤ内面に離型剤が多量に残存している場合に、タイヤ内面に配置されたシーラント層のシーラントの種類によってはタイヤ内面との接着性が低く、タイヤの耐久性に悪影響を及ぼすという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２００３－０８０９０９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明の目的は、タイヤ内面とシーラント層の接着性を高め、タイヤの耐久性を改善することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部におけるタイヤ内面にシーラント層が形成され、該シーラント層のシーラントがシリコーン系組成物から構成され、少なくとも前記シーラント層の配置領域における離型剤のケイ素の量が１０．０％以下であることを特徴とするものである。
【０００７】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部におけるタイヤ内面にシーラント層が形成され、該シーラント層のシーラントがシリコーン系組成物から構成され、少なくとも前記シーラント層の配置領域における離型剤の厚さが１００μｍ以下であることを特徴とするものである。
【０００８】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、上述の空気入りタイヤを製造する方法であって、前記シーラント層を除く空気入りタイヤを製造した後、前記トレッド部におけるタイヤ内面にシリコーン系組成物からなるシーラントを塗布して前記シーラント層を形成するにあたって、前記タイヤ内面に塗布される前記シーラントの温度を７０℃以下にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明では、少なくともシーラント層の配置領域における離型剤のケイ素の量が１０．０重量％以下である、或いは、離型剤の厚さが１００μｍ以下であることで、タイヤ内面に離型剤が微量に付着している或いは全く付着していない状態であるため、タイヤ内面において離型剤の凝集破壊や離型剤とタイヤとの界面剥離が生じるリスクを低減することができる。しかも、シーラント層のシーラントはシリコーン系組成物からなるため、タイヤ内面に付着した離型剤がシリコーン系組成物を含んでいる場合、互いに接着し易いため、シーラント層の剥離が生じにくい。また、離型剤がタイヤ内面に全く付着していない場合、シーラント層がタイヤ内面に直接的に接着され、強固に固定されるため、シーラント層の剥離が生じにくい。また、シリコーン系組成物からなるシーラントを含むシーラント層が形成されるので、タイヤ内面に塗布されるシーラントの温度を低くすることが可能であるため、タイヤに対する熱の影響を低減し、耐久性の悪化を回避することができる。このようにしてタイヤ内面とシーラント層の接着性を高め、タイヤの耐久性を改善することができる。
【００１０】
本発明の空気入りタイヤにおいて、シーラント層の接着強度は０．１Ｎ／ｍｍ～１０．０Ｎ／ｍｍの範囲にあることが好ましい。使用時におけるシーラント層の接着性を十分に確保する一方で、廃棄時におけるシーラント層とタイヤ内面との分離を可能にし、廃棄作業を容易に行うことができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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