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公開番号2025119867
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-15
出願番号2024014945
出願日2024-02-02
発明の名称空気入りタイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 9/00 20060101AFI20250807BHJP(車両一般)
要約【課題】カーカスコードに再生PET樹脂を使用した場合であっても高速耐久性を良好に維持することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス層4を備えた空気入りタイヤにおいて、カーカス層4を構成するカーカスコードとして、融点が240℃~260℃であるPET樹脂からなる有機繊維コードを用い、このPET樹脂は再生PET樹脂を含むものとする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、
前記カーカス層を構成するカーカスコードは、融点が240℃~260℃であるPET樹脂からなる有機繊維コードであり、前記PET樹脂は再生PET樹脂を含むことを特徴とする空気入りタイヤ。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記カーカスコードを被覆する被覆ゴムは、ゴム成分100質量部に対して窒素吸着比表面積N
2
SAが25m
2
/g~50m
2
/gであるカーボンブラックを30~80質量部含むゴム組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記再生PET樹脂を含有する前記カーカスコードの引張強度が6.0cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記カーカスコードの撚り数が25回/100mm~50回/100mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記PET樹脂中に占める前記再生PET樹脂の割合が20%~100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機繊維コードからなるカーカス層を備えた空気入りタイヤに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、資源保全や環境保護の観点から、回収された使用済みのPETボトルを再生PET樹脂として衣料用途や産業資材用途に再利用する試みが多数提案されている。タイヤの分野においても、このような再生可能原料を使用することが求められている。タイヤの構成部材のうちカーカス層やベルト補強層を構成する補強コードに有機繊維コード(PETコード)を用いることが知られており、これらコードの材料となる樹脂として前述の再生PET樹脂を用いることが検討されている(例えば特許文献1~2を参照)。但し、再生PET樹脂は、少量の不純物(IPA(イソフタル酸)やDEG(ジエチレングリコール)等)を含み、それにより所望のタイヤ性能が得にくいという問題があった(例えば特許文献1~2では所望の性能を得るために、再生PET樹脂からなる繊維コードを別の樹脂からなる繊維コードと撚り合わせて所謂ハイブリッドコードとして使用している)。そのため、再生PET樹脂を使用した場合であっても、所望のタイヤ性能(例えば耐久性)を十分に確保することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2022‐533443号公報
特開2018‐130974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、有機繊維コードからなるカーカス層を備えた空気入りタイヤにおいて、カーカスコードに再生PET樹脂を使用した場合であっても高速耐久性を良好に維持することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層を有する空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層を構成するカーカスコードは、融点が240℃~260℃であるPET樹脂からなる有機繊維コードであり、前記PET樹脂は再生PET樹脂を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明においては、カーカス層を構成するカーカスコードとして、上述のように再生PET樹脂を含む有機繊維コードを用いているが、このときPET樹脂の融点が240℃~260℃の範囲であるため、再生PET樹脂を用いていても高速耐久性を良好に維持することができる。詳述すると、本発明の発明者は、再生PET樹脂中の不純物(分解前の使用済みPETボトルに含まれていたIPAやDEG等の成分)の含有量が多いほど再生PET樹脂の融点(再生PET樹脂を含んだPET樹脂(混合物)全体としての融点)が低い傾向があり、そのような再生PET樹脂(再生PET樹脂を含んだPET樹脂)をカーカスコードに用いる耐久性が低下することを知見し、再生PET樹脂(再生PET樹脂を含んだPET樹脂)の融点を最適化する(上述の範囲に設定する)ことで、再生PET樹脂の使用に際して耐久性を確保することを可能にした。
【0007】
本発明において、PET樹脂の融点は、再生PET樹脂および他のPET樹脂(石油由来)の混合物としての融点であり、示差走査熱量計(DSC)を用いて25℃~300℃の温度範囲を昇温速度10℃/分の条件で測定して得られるDSC曲線の融解ピークの温度をいう。尚、PET樹脂中に占める再生PET樹脂の割合が100%の場合は、上記のように測定した再生PET樹脂単体の融点である。
【0008】
本発明においては、カーカスコードを被覆する被覆ゴムが、ゴム成分100質量部に対して窒素吸着比表面積N
2
SAが25m
2
/g~50m
2
/gであるカーボンブラックを30~80質量部含むゴム組成物からなることが好ましい。このような被覆ゴムを用いることで、再生PET樹脂を含んだカーカスコードを適切に補強することができ、高速耐久性を良好に維持するには有利になる。また、この被覆ゴムにより発熱が抑制できるので転がり抵抗を低減することもできる。尚、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N
2
SAは、JIS K6217‐2に準拠して測定するものとする。
【0009】
本発明においては、再生PET樹脂を含有するカーカスコードの引張強度が6.0cN/dtex以上であることが好ましい。このような引張強度を有することで、従来の石油由来のPETコードを用いた場合と同程度の性能(耐久性)を得ることができる。尚、引張強度は、JIS L1017に準拠して測定された値である。
【0010】
本発明においては、カーカスコードの撚り数が25回/100mm~50回/100mmであることが好ましい。このような撚り数に設定することで、再生PET樹脂を含有するカーカスコードであっても、コードのバネ性や剛性を良好にすることができ、高速耐久性や荷重耐久性を良好に維持するには有利になる。
(【0011】以降は省略されています)

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