TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025122985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018773
出願日2024-02-09
発明の名称タイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 13/00 20060101AFI20250815BHJP(車両一般)
要約【課題】サイドウォール部の外表面に複数の表示物を備え、この表示物の表面を研磨する工程を経て製造されるタイヤにおいて、複数の表示物の研磨後の高さを均一にし、その外観を良好にすることを可能にしたタイヤを提供する。
【解決手段】サイドウォール部2の外表面に複数の表示物10を備え、表示物10が描写する文字、図形、または記号の輪郭線を構成する凸部11の頂面の少なくとも一部がサイドウォール部2の一部に埋設された異色ゴムを露出させることでサイドウォール部2の外表面と異なる色を有するタイヤにおいて、タイヤ周方向に隣り合う一連の表示物10の群を文字列20と定義し、該文字列のタイヤ周方向両端に位置する表示物10を端文字21と定義したとき、端文字21のタイヤ周方向外側部分の壁面の傾斜角度Y1を5°~10°にし、かつ傾斜角度Y1を同じ文字列20の他の部分の壁面の傾斜角度Y2よりも小さくする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部とを備え、前記サイドウォール部の外表面に、前記サイドウォール部の外表面から隆起した凸部の頂面の形状によって文字、図形、または記号を描写する複数の表示物が形成され、前記複数の表示物のそれぞれを構成する前記凸部の頂面の少なくとも一部が前記サイドウォール部の一部に埋設された異色ゴムを露出させることで前記サイドウォール部の外表面と異なる色を有するタイヤにおいて、
前記複数の表示物のうち互いに隣り合う表示物どうしの周方向の間隔が20mm未満の一連の表示物の群を文字列と定義し、該文字列のタイヤ周方向両端に位置する一対の表示物を端文字と定義したとき、
前記端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面が前記端文字の頂面の法線方向に対して成す傾斜角度Y1が5°~10°の範囲であり、
前記傾斜角度Y1は前記端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面が各表示物の頂面の法線方向に対して成す傾斜角度Y2よりも小さいことを特徴とするタイヤ。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記傾斜角度Y2が10°~20°の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部とを備え、前記サイドウォール部の外表面に、前記サイドウォール部の外表面から隆起した凸部の頂面の形状によって文字、図形、または記号を描写する複数の表示物が形成され、前記複数の表示物のそれぞれを構成する前記凸部の頂面の少なくとも一部が前記サイドウォール部の一部に埋設された異色ゴムを露出させることで前記サイドウォール部の外表面と異なる色を有するタイヤにおいて、
前記複数の表示物のうち互いに隣り合う表示物どうしの周方向の間隔が20mm未満の一連の表示物の群を文字列と定義し、該文字列のタイヤ周方向両端に位置する一対の表示物を端文字と定義したとき、
前記端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面は前記サイドウォール部の外表面と円弧状の接続部を介して滑らかに接続し、前記端文字のタイヤ周方向外側部分における接続部の曲率半径R1は1mm~2mmの範囲であり、
前記端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面は前記サイドウォール部の外表面と円弧状の接続部を介して滑らかに接続し、前記曲率半径R1は前記他の部分の壁面における接続部の曲率半径R2よりも小さいことを特徴とするタイヤ。
【請求項4】
前記曲率半径R2が2mm~3mmの範囲であることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】
タイヤ回転軸から前記端文字の周方向両端に引かれた一対の接線が成す角度を前記端文字の文字幅X〔単位:°〕と定義したとき、
前記端文字のタイヤ周方向外側部分は、前記端文字のタイヤ周方向外側の端部から文字幅Xの0.25倍~0.75倍の位置よりもタイヤ周方向外側の部分であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ。
【請求項6】
タイヤ回転軸から前記端文字の周方向両端に一対の接線を引いたとき、前記端文字のタイヤ径方向中心位置における前記一対の接線間の距離が20mm以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドウォール部の外表面に文字、図形、または記号を描写する表示物を備えたタイヤに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
タイヤのサイドウォール部の外表面には、メーカー名やブランド名などを表示するための表示物が形成される場合がある。特に、この表示物の視認性や装飾性を向上する目的で、サイドウォール部の色(一般的に黒色)と異なる色の異色ゴム(例えば白色ゴム)で表示物を形成することが行われている(所謂「ホワイトレター」)。このようなタイヤを製造する際には、グリーンタイヤのサイドウォール部に対応する部分の少なくとも一部(表示物に対応する部分)を異色ゴム層(白色ゴム層)とその異色ゴム層を覆うカバーゴム層(黒色ゴム層)とが積層した構造にし、そのグリーンタイヤを加硫し、表示物をサイドウォール部の表面から隆起した凸部として形成した後に、凸部の表面(カバーゴム層)を研磨して除去することにより白色ゴム層を露出させて、異色ゴムからなる表示物を形成する(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
このようなタイヤにおいて、表示物(凸部)の表面を研磨する工程は、専用の研磨機(バフマシーン)等により行われる。この装置は、架台に装着されて回転するタイヤのサイド部に研磨体(砥石など)を回転させながら当てて、予めタイヤの種類毎に設定された間隔だけ、タイヤのサイドウォール部(表示物)を肉厚方向(凸部の隆起高さ方向)に研磨し、埋設された異色ゴムをタイヤ表面に露出させるように研磨する(例えば特許文献2を参照)。このような装置で研磨工程(バフ工程)を行う場合、特に複数の表示物からなる文字列が研磨(バフ)の対象であると、文字列に含まれる個々の表示物の研磨量(表示物の隆起高さ)を均一にすることが難しく、それに起因して研磨後の表示物(文字列)の外観が悪化する虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018‐114732号公報
特開平05‐277925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、サイドウォール部の外表面に文字、図形、または記号を描写する複数の表示物を備え、これら表示物の表面を研磨する工程を経て製造されるタイヤにおいて、複数の表示物の研磨後の隆起高さを均一にし、その外観を良好にすることを可能にしたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の第一のタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部とを備え、前記サイドウォール部の外表面に、前記サイドウォール部の外表面から隆起した凸部の頂面の形状によって文字、図形、または記号を描写する複数の表示物が形成され、前記複数の表示物のそれぞれを構成する前記凸部の頂面の少なくとも一部が前記サイドウォール部の一部に埋設された異色ゴムを露出させることで前記サイドウォール部の外表面と異なる色を有するタイヤにおいて、前記複数の表示物のうち互いに隣り合う表示物どうしの周方向の間隔が20mm未満の一連の表示物の群を文字列と定義し、該文字列のタイヤ周方向両端に位置する一対の表示物を端文字と定義したとき、前記端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面が前記端文字の頂面の法線方向に対して成す傾斜角度Y1が5°~10°の範囲であり、前記傾斜角度Y1は前記端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面が各表示物の頂面の法線方向に対して成す傾斜角度Y2よりも小さいことを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するための本発明の第二のタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部とを備え、前記サイドウォール部の外表面に、前記サイドウォール部の外表面から隆起した凸部の頂面の形状によって文字、図形、または記号を描写する複数の表示物が形成され、前記複数の表示物のそれぞれを構成する前記凸部の頂面の少なくとも一部が前記サイドウォール部の一部に埋設された異色ゴムを露出させることで前記サイドウォール部の外表面と異なる色を有するタイヤにおいて、前記複数の表示物のうち互いに隣り合う表示物どうしの周方向の間隔が20mm未満の一連の表示物の群を文字列と定義し、該文字列のタイヤ周方向両端に位置する一対の表示物を端文字と定義したとき、前記端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面は前記サイドウォール部の外表面と円弧状の接続部を介して滑らかに接続し、前記端文字のタイヤ周方向外側部分における接続部の曲率半径R1は1mm~2mmの範囲であり、前記端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面は前記サイドウォール部の外表面と円弧状の接続部を介して滑らかに接続し、前記曲率半径R1は前記他の部分の壁面における接続部の曲率半径R2よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明者は、表示物を構成する凸部の表面を研磨する工程を経て製造されるタイヤにおける表示物の外観不良について鋭意研究した結果、研磨対象が複数の表示物からなる文字列である場合、研磨体が最初に当接する表示物と最後に当接する表示物(端文字)においては、研磨体による負荷がかかりやすく、端文字の一部が過剰に研磨(バフ)される傾向があることを知見した。詳述すると、研磨体が端文字に当たり始める時点(或いは端文字から離れる時点)では、端文字の一部(タイヤ周方向外側部分)だけに研磨体が当接する瞬間があるため、当該部位に対する研磨体の負荷が大きくなり、端文字の一部(特にタイヤ周方向外側部分)が過剰に研磨(バフ)されることを知見した(尚、文字列の他の部分については、個々の表示物の全体や、隣り合う表示物を跨ぐように研磨体の全体が当接するため、ほぼ均等に研磨(バフ)されることとなる)。本発明は、この知見に基づくものであり、端文字のタイヤ周方向外側部分の剛性を低くすることで、当該部位に対する研磨体の負荷を分散し、当該部位が過剰に研磨(バフ)されることを抑制しているので、研磨後の表示物の隆起高さを均一にし、その外観を良好にすることができる。尚、本発明の第一のタイヤでは、上記のように端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面の傾斜角度Y1を5°~10°に設定し、かつ傾斜角度Y1を端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面の傾斜角度Y2よりも小さくすることで、端文字のタイヤ周方向外側部分の剛性を低くし、本発明の第二のタイヤでは、上記のように端文字のタイヤ周方向外側部分における接続部の曲率半径R1を1mm~2mmの範囲に設定し、かつ曲率半径R1を端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の接続部の曲率半径R2よりも小さくすることで、端文字のタイヤ周方向外側部分の剛性を低くしている。
【0009】
尚、本発明では、複数の表示物のうち互いに隣り合う表示物どうしの周方向の間隔が20mm未満の一連の表示物の群を便宜的に「文字列」と定義しているが、表示物は、文字、図形、または記号を描写するものであるので、文字の群、図形の群、記号の群、あるいはこれらを組み合わせた表示物の群のいずれも「文字列」に該当する。同様に、表示物が文字、図形、または記号のいずれであっても「文字列」のタイヤ周方向両端に位置するものは「端文字」に該当する。
【0010】
本発明の第一のタイヤにおいては、傾斜角度Y2が10°~20°の範囲であることが好ましい。これにより、端文字のタイヤ周方向外側部分の壁面と、この端文字と同じ文字列に含まれる表示物の他の部分の壁面とで、壁面の傾斜角度Y1,Y2のバランスが良好になり、研磨後の表示物の外観を良好にするには有利になる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

横浜ゴム株式会社
タイヤ
3か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
23日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
13日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
23日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
23日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
23日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
23日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
13日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
13日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
1か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
13日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
9日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
2日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
2日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
3日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
3日前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
2か月前
横浜ゴム株式会社
タイヤ
9日前
横浜ゴム株式会社
音響窓
2か月前
横浜ゴム株式会社
重荷重タイヤ
9日前
横浜ゴム株式会社
空気入りタイヤ
13日前
横浜ゴム株式会社
空気入りタイヤ
10日前
横浜ゴム株式会社
空気入りタイヤ
1か月前
続きを見る