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公開番号2025153522
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024056050
出願日2024-03-29
発明の名称タイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 11/00 20060101AFI20251002BHJP(車両一般)
要約【課題】膨出した踏面を有する陸部を設けた場合と同等のウェット性能を維持しながら操舵力を低減することを可能にしたタイヤを提供する。
【解決手段】ショルダー陸部31を除く少なくとも1列の陸部30を、タイヤ周方向に沿って連続して延在し、タイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向内側に窪んだ凹部32aを含む凹リブ32とし、正規リムに装着し正規内圧を付与した無負荷状態におけるタイヤ子午断面視において、凹部32aのタイヤ幅方向の端点P1,P2と凹部32aの最深部(点P3)とに基づき、点P1と点P2を結ぶ直線A、直線Aと直交し点P3を通る直線Bを引いたとき、直線Aと直線Bとの交点と点P3との距離Lが、凹リブ32の幅Wとトレッドゴムの硬度Hsとに対して0<(L/W)×100≦6、0<((L/W)×100)/Hs≦0.06、且つHsが55以上78以下の関係を満たすようにする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備えたタイヤにおいて、
前記トレッド部は、タイヤ周方向に沿って延在する少なくとも２本の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画された複数列の陸部を備え、
前記複数の陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対のショルダー陸部を除く少なくとも１列の陸部はタイヤ周方向に沿って連続して延在する凹リブであり、
前記凹リブは、タイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向内側に窪んだ凹部を含み、
正規リムに装着し正規内圧を付与した無負荷状態におけるタイヤ子午断面視において、前記凹部のタイヤ幅方向一方側の端点を点Ｐ１、前記凹部のタイヤ幅方向他方側の端点を点Ｐ２、前記凹部の最深部を点Ｐ３とし、前記点Ｐ１と前記点Ｐ２を結ぶ直線Ａと、前記直線Ａと直交し点Ｐ３を通る直線Ｂを引いたとき、
前記直線Ａと前記直線Ｂとの交点と前記点Ｐ３との距離Ｌは、前記凹リブの幅Ｗと前記トレッド部を構成するトレッドゴムの硬度Ｈｓとに対して０＜（Ｌ／Ｗ）×１００≦６、且つ０＜（（Ｌ／Ｗ）×１００）／Ｈｓ≦０．０６の関係を満たし、前記トレッドゴムの硬度Ｈｓが５５以上７８以下であることを特徴とするタイヤ。
続きを表示（約 990 文字）【請求項２】
前記直線Ａと前記直線Ｂとの交点と前記点Ｐ３との中点を通り前記直線Ａと平行な直線と前記凹部の輪郭線との交点を点Ｐ４としたときに前記点Ｐ４と前記点Ｐ１とを結ぶ直線が前記直線Ａに対して成す角度Ｘと、前記凹リブに隣接する周方向主溝の溝壁角度Ｙとが、０．０２≦Ｘ／Ｙ＜１の関係を満たすことを特徴とする請求項１に記載のタイヤ。
【請求項３】
前記点Ｐ３が、前記凹リブのタイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向両側に前記凹リブの幅Ｗの１５％以内の範囲に配置されたことを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ。
【請求項４】
前記凹部の輪郭線が、前記点Ｐ１および前記点Ｐ３を結んだ直線と前記点Ｐ２および前記点Ｐ３を結んだ直線の両方よりもタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ。
【請求項５】
前記凹リブに隣接する一対の周方向主溝の最深点どうしを結んだ直線Ｍと平行であり前記点Ｐ３を通る直線Ｔを引いたとき、前記点Ｐ１と前記直線Ｔとの距離Ｔ１が前記点Ｐ２と前記直線Ｔとの距離Ｔ２と０．７≦Ｔ１／Ｔ２≦１．５の関係を満たすことを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ。
【請求項６】
前記凹リブのタイヤ幅方向両側のエッジに面取り部が設けられ、
前記点Ｐ１側の前記面取り部のタイヤ径方向内側端Ｗ１と前記点Ｐ２側の前記面取り部のタイヤ径方向内側端Ｗ２とを結んだ直線を直線Ｗ’とし、前記凹リブに隣接する一対の周方向主溝の最深点どうしを結んだ直線を直線Ｍとしたとき、
前記点Ｐ１と前記直線Ｗ’との距離Ｃ、前記点Ｐ２と前記直線Ｗ’との距離Ｄ、前記面取り部のタイヤ径方向内側端Ｗ１と前記直線Ｍとの距離Ｎ、前記面取り部のタイヤ径方向内側端Ｗ２と前記直線Ｍとの距離Ｕとが、０．０５≦Ｃ／Ｎ≦０．９８且つ０．０５≦Ｄ／Ｕ≦０．９８の関係を満たし、更に前記点Ｐ１と前記点Ｐ２との距離Ｑと、前記凹リブの幅Ｗとが０．７≦Ｑ／Ｗ≦０．９７の関係を満たすことを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ。
【請求項７】
前記複数の陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対のショルダー陸部を除くすべての陸部が前記凹リブであることを特徴とする請求項１または２に記載のタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、タイヤ周方向に沿って連続的に延在するリブ状の陸部を備えたタイヤに関し、更に詳しくは、停止時の操舵力（据え切り時）を増大させることなくウェット性能の向上を可能にしたタイヤに関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
タイヤのウェット性能を向上させるために、トレッド部に形成された陸部の踏面を、トレッドプロファイルの基準輪郭線からタイヤ径方向外側に部分的に膨出させた形状にする技術が知られている（例えば特許文献１を参照）。このようなタイヤでは、陸部が膨出した踏面を有することにより、当該陸部の接地圧が増加し、ウェット路面走行時における当該陸部の踏面と路面との接地特性が向上してウェット性能を向上することができる。しかしながら、膨出した踏面を有することで接地長が増大し、それによりハンドルの操舵力（特に据え切り時の操舵力）が大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２０‐１００１７０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の目的は、膨出した踏面を有する陸部を設けた場合と同等のウェット性能を維持しながら停止時の操舵力（据え切り時）を低減することを可能にしたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記目的を達成するための本発明のタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部を備えたタイヤにおいて、前記トレッド部は、タイヤ周方向に沿って延在する少なくとも２本の周方向主溝と、前記周方向主溝により区画された複数列の陸部を備え、前記複数の陸部のうちタイヤ幅方向最外側に位置する一対のショルダー陸部を除く少なくとも１列の陸部はタイヤ周方向に沿って連続して延在する凹リブであり、前記凹リブは、タイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向内側に窪んだ凹部を含み、正規リムに装着し正規内圧を付与した無負荷状態におけるタイヤ子午断面視において、前記凹部のタイヤ幅方向一方側の端点を点Ｐ１、前記凹部のタイヤ幅方向他方側の端点を点Ｐ２、前記凹部の最深部を点Ｐ３とし、前記点Ｐ１と前記点Ｐ２を結ぶ直線Ａと、前記直線Ａと直交し点Ｐ３を通る直線Ｂを引いたとき、前記直線Ａと前記直線Ｂとの交点と前記点Ｐ３との距離Ｌは、前記凹リブの幅Ｗと前記トレッド部を構成するトレッドゴムの硬度Ｈｓとに対して０＜（Ｌ／Ｗ）×１００≦６、且つ０＜（（Ｌ／Ｗ）×１００）／Ｈｓ≦０．０６の関係を満たし、前記トレッドゴムの硬度Ｈｓが５５以上７８以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００６】
本発明のタイヤは、上記のように、一対のショルダー陸部を除く少なくとも１列の陸部が上述の特徴を備えた凹リブであるため、凹部によって適度な排水性を発揮して膨出した踏面を有する陸部を設けた場合と同等のウェット性能を確保する一方で、膨出した踏面を有する陸部を設けた場合のように接地長が長くなることを回避して操舵力を低減することができる。特に、凹部のタイヤ幅方向一方側の端点（点Ｐ１）、凹部のタイヤ幅方向他方側の端点（点Ｐ２）、凹部の最深部（点Ｐ３）、点Ｐ１と点Ｐ２を結ぶ直線Ａ、直線Ａと直交し点Ｐ３を通る直線Ｂとから規定される距離Ｌと、凹リブの幅Ｗと、トレッド部を構成するトレッドゴムの硬度Ｈｓとが０＜（Ｌ／Ｗ）×１００≦６、且つ０＜（（Ｌ／Ｗ）×１００）／Ｈｓ≦０．０６の関係を満たし、前記トレッドゴムの硬度Ｈｓが５５以上７８以下であるため、ウェット性能の維持と操舵力の低減をバランスよく高度に両立することができる。
【０００７】
本発明においては、直線Ａと直線Ｂとの交点と点Ｐ３との中点を通り直線Ａと平行な直線と凹部の輪郭線との交点を点Ｐ４としたときに点Ｐ４と点Ｐ１とを結ぶ直線が直線Ａに対して成す角度Ｘと、凹リブに隣接する周方向主溝の溝壁角度Ｙとが、０．０２≦Ｘ／Ｙ＜１の関係を満たすことが好ましい。これにより、凹部の形状（凹部の窪みの程度）と凹リブ全体の形状（凹リブに隣接する周方向主溝の溝壁、即ち凹リブのタイヤ幅方向外側の側面の傾斜の程度）とのバランスが良好になり、ウェット性能の維持と操舵力の低減を両立するには有利になる。
【０００８】
本発明においては、点Ｐ３が、凹リブのタイヤ幅方向中心からタイヤ幅方向両側に凹リブの幅Ｗの１５％以内の範囲に配置されたことが好ましい。これにより、凹リブの形状が凹リブのタイヤ幅方向中心の両側で略均一になり、据え切り時の操舵力の左右差を抑制することができ、操舵力を効果的に低減することができる。
【０００９】
本発明においては、凹部の輪郭線が、点Ｐ１および点Ｐ３を結んだ直線と点Ｐ２および点Ｐ３を結んだ直線の両方よりもタイヤ径方向内側に凸となるように湾曲していることが好ましい。このように凹部を湾曲形状とすることで、凹リブの形状が良好になり、ウェット性能の維持と操舵力の低減を両立するには有利になる。
【００１０】
本発明においては、凹リブに隣接する一対の周方向主溝の最深点どうしを結んだ直線Ｍと平行であり前記点Ｐ３を通る直線Ｔを引いたとき、点Ｐ１と直線Ｔとの距離Ｔ１が点Ｐ２と直線Ｔとの距離Ｔ２と０．７≦Ｔ１／Ｔ２≦１．５の関係を満たすことが好ましい。これにより、点Ｐ１と点Ｐ２の周方向溝の溝底位置からの高さが略均等になり、据え切り時の操舵力の左右差を抑制することができ、操舵力を効果的に低減することができる。
（【００１１】以降は省略されています）

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