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公開番号2025169529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-14
出願番号2024074279
出願日2024-05-01
発明の名称音響材
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人
主分類G10K 11/16 20060101AFI20251107BHJP(楽器;音響)
要約【課題】剛性を確保しつつ製造コストの低減を図る上で有利な音響材を提供する。
【解決手段】音響材10は、板状の音響材本体12と、繊維強化樹脂で形成された補強板14とを備え、補強板14は、音響材本体12に接合される板状の補強板本体16と、補強板本体16の厚さ方向の一方の面1602から突出しつつ延在し音響材本体12に埋設される凸条壁部18とを有し、凸条壁部18には、音響材料が充填される貫通孔20が凸条壁部18の厚さ方向に貫通して設けられている。凸条壁部18の両側に位置する音響材本体12の箇所1202が貫通孔20内に充填された音響材本体12により連結され、凸条壁部18の両側に位置する音響材本体12の箇所1202と補強板14とが強固に一体化され、すなわち、音響材本体12と補強板14とが強固に一体化されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
音響材料で形成された厚さを有する板状の音響材本体と、
繊維強化樹脂で形成され前記音響材本体よりも高い剛性を有する補強板とを備え、
前記補強板は、前記音響材本体の厚さ方向の一方の面に接合される板状の補強板本体と、前記補強板本体の厚さ方向の一方の面から突出しつつ延在し前記音響材本体に埋設される凸条壁部とを有し、
前記凸条壁部に設けられた前記凸条壁部の厚さ方向に貫通する貫通孔には、前記音響材料が充填されている、
ことを特徴とする音響材。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記音響材本体は音響性能が異なる複数種類が積層して設けられ、
前記補強板は、隣り合う前記音響材本体の間に前記補強板本体が接合することで設けられ、
前記凸条壁部は、前記補強板本体の厚さ方向の両面にそれぞれ設けられ、
前記厚さ方向の両面にそれぞれ設けられた前記凸条壁部は、隣り合う前記音響材本体にそれぞれ埋設され、前記貫通孔には前記音響材料が充填されている、
ことを特徴とする請求項1記載の音響材。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記凸条壁部の長さ方向に間隔をおいて複数設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の音響材。
【請求項4】
前記凸条壁部は、前記一方の面上で互いに直交する2方向に延在形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の音響材。
【請求項5】
前記繊維強化樹脂は、前記音響材本体を形成する音響材料と音響性能が近い材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の音響材。
【請求項6】
前記音響材本体を形成する音響材料は粘弾性体である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の音響材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、音響材に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
船舶の船体などの構造体に取り付けることで、音波の反射、吸収、透過を図る音響材が提供されている(特許文献1参照)。
このような音響材として、粘弾性体からなり均一の厚さの矩形板状を呈するものがあり、音響材は構造体を構成する鋼板の外面に重ね合わされて取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-227702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような音響材の剛性の向上を図るために、音響材を繊維強化樹脂で形成された補強板で補強することが提案されている。
この場合、音響材の製造工程は以下の通りである。
まず、金型を用いて未加硫ゴムを加硫することで板状の音響材本体を形成する。
音響材本体の厚さ方向の一方の面に未加硫ゴムを塗布し、その上に未硬化の繊維強化樹脂からなる補強板を載置したのち、再度加硫を行うことで繊維強化樹脂の硬化を行なうと同時に、補強板と音響材本体とを加硫接着する。これにより音響材が完成する。
したがって、2度の加硫処理(加熱処理)が必要となることから、音響材の製造コストがかさむため、何らかの改善が求められている。
本発明は前記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、剛性を確保しつつ製造コストの低減を図る上で有利な音響材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、音響材料で形成された厚さを有する板状の音響材本体と、繊維強化樹脂で形成され前記音響材本体よりも高い剛性を有する補強板とを備え、前記補強板は、前記音響材本体の厚さ方向の一方の面に接合される板状の補強板本体と、前記補強板本体の厚さ方向の一方の面から突出しつつ延在し前記音響材本体に埋設される凸条壁部とを有し、前記凸条壁部に設けられた前記凸条壁部の厚さ方向に貫通する貫通孔には、前記音響材料が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記音響材本体は音響性能が異なる複数種類が積層して設けられ、前記補強板は、隣り合う前記音響材本体の間に前記補強板本体が接合することで設けられ、前記凸条壁部は、前記補強板本体の厚さ方向の両面にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向の両面にそれぞれ設けられた前記凸条壁部は、隣り合う前記音響材本体にそれぞれ埋設され、前記貫通孔には前記音響材料が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記貫通孔は、前記凸条壁部の長さ方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記凸条壁部は、前記一方の面上で互いに直交する2方向に延在形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記繊維強化樹脂は、前記音響材本体を形成する音響材料と音響性能が近い材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記音響材本体を形成する音響材料は粘弾性体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、凸条壁部の両側に位置する音響材本体の箇所が貫通孔内に充填された音響材本体により連結され、音響材本体と補強板とが強固に一体化されている。そのため、補強板によって音響材の曲げ剛性を確保する上で有利となり、音響材に圧力が加わった場合の音響材の変形量、変位量(歪み)を抑制する上で有利となる。また、凸条壁部は、補強板本体と共に補強板の剛性を高めるために寄与する部材としても機能するため、音響材に圧力が加わった場合の音響材の変形量、変位量(歪み)を抑制する上で有利となる。さらに、1度の加硫処理あるいは加熱処理により音響材本体と補強板とが強固に一体化できるため、製造コストの低減を図る上で有利となる。
また、音響性能が異なる複数種類が積層して設けられた音響材本体と、隣り合う音響材本体の間に補強板本体が接合することで設けられた補強板とを設け、凸条壁部を、補強板本体の厚さ方向の両面にそれぞれ設け、厚さ方向の両面にそれぞれ設けられた凸条壁部を、隣り合う音響材本体にそれぞれ埋設すると、凸条壁部の両側に位置する隣り合う音響材本体と補強板とが強固に一体化される。そのため、補強板によって音響材の曲げ剛性を確保する上で有利となり、音響材に圧力が加わった場合の音響材の変形量、変位量(歪み)を抑制する上で有利となる。
また、貫通孔を凸条壁部の長さ方向に間隔をおいて複数設けると、凸条壁部の両側に位置する音響材本体の箇所が複数の貫通孔内に充填された音響材本体の箇所により連結されるため、凸条壁部の両側に位置する音響材本体の箇所と補強板とを強固に一体化し、音響材本体と補強板とを強固に一体化する上で有利となる。
また、凸条壁部を補強板本体の厚さ方向の一方の面上で直交する2方向に延在形成すると、凸条壁部の両側に位置する音響材本体の箇所と補強板とをバランスよく一体化し、音響材本体と補強板とをバランスよく一体化する上で有利となる。
また、繊維強化樹脂を、音響材本体を形成する音響材料と音響性能が近い材料で形成さすると、音響材の音響特性の向上を図る上で有利となる。
また、音響材本体を形成する音響材料を粘弾性体とすると、音響材料と繊維強化樹脂で形成された補強板の音響性能がより近いので、補強板が音響性能に与える影響を抑制し音響材の音響性能を確保する上でより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(A)は第1の実施の形態に係る音響材の構造を示す斜視図、(B)は側面図である。
第1の実施の形態に係る補強板の斜視図である。
(A)は第2の実施の形態に係る音響材の構造を示す斜視図、(B)は側面図である。
第2の実施の形態に係る補強板の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に、図1、図2を参照して第1の実施の形態に係る音響材から説明する。
音響材10は、船舶の船体などの不図示の構造体を構成する鋼板の外面(被取り付け面)に重ね合わされて取り付けられることで、音波の反射、吸収、透過を図るものである。
音響材10は、音響材本体12と、補強板14とを含んで構成されている。
音響材本体12は、所定の音響性能(遮音性、吸音性、透過性)を有する音響材料で形成され、本実施の形態では、音響材料として粘弾性体が用いられている。
粘弾性体としては、ゴムやウレタンなどの合成樹脂のような従来公知のさまざまな粘弾性体が使用可能である。
図1(A)、(B)に示すように、音響材本体12は、均一の厚さT1と、この厚さT1よりも大きい寸法の均一の幅W1と均一の長さL1とを有し矩形の板状に形成され、本実施の形態では幅W1と長さL1が等しい正方形の板状に形成されている。
厚さT1は、例えば、10mmから100mm程度である。
【0009】
図2に示すように、補強板14は、音響材本体12よりも剛性が高く、かつ、音響材本体12を形成する音響材料と音響性能(音響インピーダンス)が近い材料で形成された繊維強化樹脂で形成されている。
音響材料と音響インピーダンスが近い繊維強化樹脂を用いると、音響材10の音響性能を確保する上で有利となる。
このような繊維強化樹脂としてガラス繊維強化樹脂(GFRP)やカーボン繊維強化樹脂(CFRP)など従来公知の様々な繊維強化樹脂が使用可能である。
【0010】
補強板本体16は、音響材本体12と同じ寸法の均一の幅W1、均一の長さL1を有する正方形の板状に形成され、その厚さT2は例えば1mmから3mm程度である。
凸条壁部18は、補強板本体16の厚さ方向の一方の面1602から突出しつつ延在し音響材本体12に埋設されている。
本実施の形態では、凸条壁部18は、補強板本体16の厚さ方向の一方の面1602上で互いに直交する2方向に延在形成され、詳細には、2本の凸条壁部18は、音響材本体12の幅W1方向の中心線および長さL1方向の中心線に沿ってそれぞれ延在形成されている。
凸条壁部18には、音響材料が充填される貫通孔20が凸条壁部18の厚さ方向に貫通して設けられ、本実施の形態では、貫通孔20は、凸条壁部18の長さ方向に間隔をおいて複数設けられている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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