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公開番号2025162755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-28
出願番号2024066159
出願日2024-04-16
発明の名称空気入りタイヤ
出願人横浜ゴム株式会社
代理人清流国際弁理士法人,個人,個人
主分類B60C 11/00 20060101AFI20251021BHJP(車両一般)
要約【課題】優れたドライ操縦安定性を維持しながら、ウェット操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、トレッド部1に形成された複数の陸部20の少なくとも1列をタイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向外側に突出した凸リブとし、且つ、トレッド部1の輪郭線上の接地端Eの位置を点PA、接地端Eからタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅Wの5%の位置を点PB、接地端Eからタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅Wの10%の位置を点PCとしたとき、車両内側において点PA、点PB、および点PCの3点を通る円弧の曲率半径SRinと、車両外側において点PA、点PB、および点PCの3点を通る円弧の曲率半径SRoutとが1.1≦SRout/SRin≦2.0の関係を満たすようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、前記サイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置されたベルトカバー層とを有し、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部に、タイヤ周方向に延びる少なくとも3本の主溝が形成され、これら主溝により少なくとも4列の陸部が区画され、これら陸部の少なくとも1列がタイヤ全周に亘って連続して延在する凸リブであり、前記凸リブはタイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向外側に突出した膨出部を含み、
タイヤ子午線断面において、前記トレッド部の輪郭線上の接地端位置を点P
A
、接地端からタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅の5%の位置を点P
B
、接地端からタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅の10%の位置を点P
C
としたとき、車両装着時に車両に対して内側となる車両内側において前記点P
A
、前記点P
B
、および前記点P
C
の3点を通る円弧の曲率半径SRinと、車両装着時に車両に対して外側となる車両外側において前記点P
A
、前記点P
B
、および前記点P
C
の3点を通る円弧の曲率半径SRoutとが、1.1≦SRout/SRin≦2.0の関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
車両内側における前記曲率半径SRinが30mm~200mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記陸部のうちタイヤ赤道よりも車両外側かつタイヤ赤道側に配置された陸部が前記凸リブであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記凸リブの突出量Lが前記凸リブの幅Wに対して0.1%≦L/W×100≦5.0%の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記陸部がタイヤ幅方向に隣り合う少なくとも2列の凸リブを含み、タイヤ幅方向に隣り合う前記凸リブの突出量の差ΔLが0.1mm≦ΔL≦0.8mmの関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
タイヤ断面高さが150mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記トレッド部において、タイヤ赤道よりも車両内側となる車両内側領域での溝面積比率Ginとタイヤ赤道よりも車両外側となる車両外側領域での溝面積比率GoutとがGin>Goutの関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記ベルトカバー層を構成するカバーコードがナイロン繊維およびアラミド繊維からなるハイブリッドコードであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記カーカス層を構成するカーカスコードがレーヨン繊維コードであることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
リム組み状態において前記ビード部の外表面がリムフランジから離反する点をリム離反点P1とし、前記サイドウォール部がタイヤ最大幅位置においてタイヤ幅方向外側に最も突き出す点をタイヤ最大突出点P2とし、前記リム離反点P1とタイヤ最大突出点P2とを通る直線がタイヤ幅方向に対して成す角度を背面角としたとき、車両内側の背面角θinと車両外側の背面角θoutとが1.05≦θin/θout≦1.3を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ドライ路面における操縦安定性とウェット路面における操縦安定性とを両立することを可能にした空気入りタイヤに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ドライ路面における操縦安定性(ドライ操縦安定性)を向上するために空気入りタイヤの偏平率を低く設定する(例えば偏平率30%~50%程度)ことが知られている(例えば特許文献1を参照)。その反面、偏平率が低いタイヤは、偏平率が高いタイヤ(例えば偏平率が55%~80%程度のタイヤ)に比べて接地長が短くなり、ウェット路面における操縦安定性(ウェット操縦安定性)を確保しにくい傾向がある。また、一般的にネガティブキャンバーに設定される空気入りタイヤでは、車両外側の接地長が車両内側の接地長に比べて短くなるため、コーナリング時のハイドロプレーニング現象を防止できず、この点でウェット操縦安定性を確保しにくい傾向がある。更に、車両がロールして(旋回中の車両が横方向に傾いて)荷重が車両内側から車両外側へ移行した際に、車両内側と車両外側との接地長差から、車両外側の排水性が不足し、コーナリング時に突然のオーバーステアを誘発するなど車両挙動が不安定になりやすいといった問題がある。そのため、優れたドライ操縦安定性を維持したまま、ウェット操縦安定性(特にウェット路面におけるコーナリング性能)を向上することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008‐126945号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、優れたドライ操縦安定性を維持しながら、ウェット操縦安定性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、前記トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、前記サイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、前記一対のビード部間に装架された少なくとも1層のカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側に配置された複数層のベルト層と、前記ベルト層の外周側に配置されたベルトカバー層とを有し、車両に対する装着方向が指定された空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部に、タイヤ周方向に延びる少なくとも3本の主溝が形成され、これら主溝により少なくとも4列の陸部が区画され、これら陸部の少なくとも1列がタイヤ全周に亘って連続して延在する凸リブであり、前記凸リブはタイヤ子午線断面における踏面の輪郭線がタイヤ径方向外側に突出した膨出部を含み、タイヤ子午線断面において、前記トレッド部の輪郭線上の接地端位置を点P
A
、接地端からタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅の5%の位置を点P
B
、接地端からタイヤ幅方向内側にタイヤ呼び幅の10%の位置を点P
C
としたとき、車両装着時に車両に対して内側となる車両内側において前記点P
A
、前記点P
B
、および前記点P
C
の3点を通る円弧の曲率半径SRinと、車両装着時に車両に対して外側となる車両外側において前記点P
A
、前記点P
B
、および前記点P
C
の3点を通る円弧の曲率半径SRoutとが、1.1≦SRout/SRin≦2.0の関係を満たすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の発明者は、空気入りタイヤの断面形状(プロファイル)について鋭意研究した結果、溝面積を増加するような一般的なウェット性能の改善方法ではドライ操縦安定性が低下するところ、上述の膨出部を備えた凸リブを採用することで、膨出部において接地圧が増加し、ウェット路面走行時における路面に対する接地特性が向上してウェット性能を向上できることを知見した。尚、凸リブを設けた場合、溝面積増加による陸部の剛性低下は生じないためドライ性能は維持される。また、本発明の発明者は、一般的にネガティブキャンバーに設定される空気入りタイヤでは車両外側の接地長が車両内側の接地長に比べて短くなる傾向があるところ、車両外側の曲率半径SRoutを車両内側の曲率半径SRinよりも大きくして車両外側のサイドウォール部の縦バネを下げることで車両内側と車両外側の接地長の差を抑制し(つまり車両外側の接地長を大きくし)、コーナリング時のハイドロプレーニング現象を抑制し、ウェット操縦安定性を向上できることを知見した。これに加えて、前述のように車両内側と車両外側の接地長の差を抑制することで、コーナリング時のオーバーステア挙動も抑制することができ、この点でもウェット操縦安定性を向上できることを知見した。本発明は、これら知見に基づくものであり、少なくとも1列の陸部を凸リブとし、且つ前述の部位の曲率半径が1.1≦SRout/SRin≦2.0の関係を満たすようにすることで、前述の効果をバランスよく発揮することができ、優れたドライ操縦安定性を維持しながら、ウェット操縦安定性を向上し、これら性能を高度に両立することが可能になる。
【0007】
本発明においては、車両内側における曲率半径SRinが30mm~200mmであることが好ましい。これにより、車両内側の接地長を十分に確保し、且つ、前述の比SRout/SRinの関係により車両外側の接地長も十分に確保できるため、ウェット操縦安定性を向上するには有利になる。
【0008】
本発明においては、陸部のうちタイヤ赤道よりも車両外側かつタイヤ赤道側に配置された陸部が凸リブであることが好ましい。このように車両外側の陸部を凸リブとすることで、コーナリング時のハイドロプレーニング現象を効果的に防止し、ウェット操縦安定性を向上するには有利になる。
【0009】
本発明においては、凸リブの突出量Lが凸リブの幅Wに対して0.1%≦L/W×100≦5.0%の関係を満たすことが好ましい。これにより、凸リブが適度に膨出するため、ウェット操縦安定性を向上するには有利になる。
【0010】
本発明においては、陸部がタイヤ幅方向に隣り合う少なくとも2列の凸リブを含み、タイヤ幅方向に隣り合う凸リブの突出量の差ΔLが0.1mm≦ΔL≦0.8mmの関係を満たすことが好ましい。これにより、隣り合う凸リブの間での接地長の差を抑制し、隣り合う凸リブの接地長を略均一に揃えることができるので、コーナリング時の荷重移行時における性能変化を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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