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公開番号
2025117613
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-13
出願番号
2024012430
出願日
2024-01-31
発明の名称
スチールワイヤ被覆用ゴム組成物
出願人
横浜ゴム株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
7/00 20060101AFI20250805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】タイヤの使用期間が長期化する中で、スチールワイヤ被覆用ゴム組成物には、硬度を維持しつつチールワイヤとの良好な接着性に加え、耐久性を長期にわたり維持することが求められている。
【解決手段】天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカからなるフィラーを40~80質量部、酸化亜鉛を1~20質量部、およびpHが7よりも小さい金属化合物を0.2~12質量部含有するスチールワイヤ被覆用ゴム組成物によって上記課題を解決した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属メッキ化合物がコーティングされたスチールワイヤを被覆するためのゴム組成物であって、
前記ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカからなるフィラーを40~80質量部、酸化亜鉛を1~20質量部、およびpHが7よりも小さい金属化合物を0.2~12質量部含有することを特徴とするスチールワイヤ被覆用ゴム組成物。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
前記金属化合物のpHが3~6であることを特徴とする請求項1に記載のスチールワイヤ被覆用ゴム組成物。
【請求項3】
前記金属化合物が、塩化物、硝酸物および/またはヨウ化物であることを特徴とする請求項1に記載のスチールワイヤ被覆用ゴム組成物。
【請求項4】
前記金属メッキ化合物が、真鍮メッキ、銅錫メッキ、銅メッキ、亜鉛メッキ、ニッケルメッキ、クロムメッキおよび銅亜鉛コバルト三元メッキから選択される金属メッキ化合物であることを特徴とする請求項1に記載のスチールワイヤ被覆用ゴム組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のスチールワイヤ被覆用ゴム組成物を用いたタイヤ、ベルトコンベア、電線、ホースまたは免振ゴム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチールワイヤ被覆用ゴム組成物に関するものであり、詳しくは硬度を維持しつつスチールワイヤとの良好な接着性を有し、かつ耐久性を長期にわたり維持することが可能なスチールワイヤ被覆用ゴム組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とから主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層が配設されている。
このベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材として金属メッキ化合物でコーティングされたスチールワイヤが用いられている。このようなスチールワイヤを被覆するゴムは、スチールワイヤとの良好な接着性が必要とされ、そのため、ゴムに有機金属塩を配合する手法がある(例えば下記特許文献1~3参照)。
【0003】
一方、タイヤの使用期間が長期化する中で、スチールワイヤ被覆用ゴム組成物には、チールワイヤとの良好な接着性に加え、耐久性を長期にわたり維持することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6977243号公報
特許第7328508号公報
特許第7339506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、硬度を維持しつつスチールワイヤとの良好な接着性を有し、かつ耐久性を長期にわたり維持することが可能なスチールワイヤ被覆用ゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ジエン系ゴムにフィラーおよび酸化亜鉛を特定量で配合するとともに、特定のpHを有する金属化合物を特定量で配合したゴム組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
【0007】
すなわち本発明は金属メッキ化合物がコーティングされたスチールワイヤを被覆するためのゴム組成物であって、
前記ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックおよび/またはシリカからなるフィラーを40~80質量部、酸化亜鉛を1~20質量部、およびpHが7よりも小さい金属化合物を0.2~12質量部含有することを特徴とするスチールワイヤ被覆用ゴム組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ジエン系ゴムにフィラーおよび酸化亜鉛を特定量で配合するとともに、特定のpHを有する金属化合物を特定量で配合したので、硬度を維持しつつスチールワイヤとの良好な接着性を有し、かつ耐久性を長期にわたり維持することが可能なスチールワイヤ被覆用ゴム組成物を提供することができる。
【0009】
上述のように、本発明のスチールワイヤ被覆用ゴム組成物は、pHが7よりも小さい金属化合物(以下、特定金属化合物と言うことがある)を含んでいる。
スチールワイヤをコーティングする金属メッキ化合物に含まれる金属は、ゴムの加硫時にゴム中の硫黄と結合してゴムとスチールワイヤの接着性をもたらすが、該金属はゴム中に拡散しやすく、金属密度が低下した欠乏層が形成される。この欠乏層が多く存在すると例えば湿熱劣化が生じた場合に欠乏層を起点に破壊(ゴムとスチールワイヤの剥離)が発生するという問題がある。例えば、金属メッキ化合物が真鍮メッキである場合、ゴムの加硫時に銅イオンおよび亜鉛イオンがゴム中の硫黄イオンと結合し、銅-硫黄化合物や、酸化亜鉛と複合した亜鉛-硫黄化合物が形成され、これらがゴムとスチールワイヤの接着性を高めるが、銅や亜鉛はゴム中に拡散しやすく、銅および亜鉛の金属密度が低下した欠乏層がスチールワイヤ側に形成され、欠乏層を生じ、この欠乏層を起点として破壊が生じることになる。
本発明では上記特定金属化合物を配合することにより、とくに湿熱劣化時、すなわち水の存在下で特定金属化合物がゴム中で移動し易くなり、スチールワイヤをコーティングする金属メッキ化合物に含まれる金属のゴム中への過剰な拡散を制し、上記欠乏層の発生も最小限に抑制される。これにより、スチールワイヤとの良好な接着性および耐久性を長期にわたり維持することが可能となる。また、硬度の低下も防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明のゴム組成物で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに80質量部以上であることが好ましい。なお、NRおよびIR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、本発明の効果等がより優れる理由から、100,000~5,000,000であることが好ましく、200,000~3,000,000であることがより好ましく、300,000~2,000,000であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値である。
(【0011】以降は省略されています)
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